この作者様の夏の俳句も大好きなのですが、やっぱり秋も良いです。夏、キラキラした言葉が空と海にバーッと散りばめられて遊んでいるとしたら、秋は言葉がしっとりと穏やかに身近なところを漂っている感じです。目の前に広がるパノラマビューから、本当に手元、耳元ピンポイントの切り取り方も鮮やかで、一句一句の光景が目の前に浮かぶようです。そこに、詠み手のさりげない心情が織り込んである趣きが何とも心地よいです。