第4話 まさかの知人?!
――奈緒美に送ってもらった女の名前さ、全員私の同じ学校だった同級生なんだよね…
「え、待って?どういうこと?そんな名前の女、いた?」
奈緒美は私と同じ学校だったので、話が合うかもしれない。
「あ、もしかして、高校の時の?」
「そう。高校の時。いたでしょ?」
奈緒美はしばらく考え込んで考え込んで…
「あー…いた気は…する…?」
まあ、奈緒美はあまり興味はないであろう。奈緒美は昔からそういうタイプの人間だ。
「それがどうかしたの?」
「もしかして、私、連絡先持ったりしないかなって。」
「連絡先持ってたらそれで真実を告げる、みたいなことをしようとしてるわね?郁江ちゃん。」
「はい、その通りです。一旦探してみます。」
私はそう言って、スマホを出す。メッセージアプリを開き、沙奈恵、理奈、唯織、結梨、夏菜子を探す。
すると、ドンピシャだった。
「その顔は…いたな。」
「いました。」
とりあえず、5人をグループにして、私が告げる。
『お久しぶり、皆様。』
すると、驚きなことに5人からすぐさま返事が来た。
沙奈恵『え?!郁江?!びっくりした!』
理奈『通知見ていきなりグループ作られたと思ったらいくちゃん?!』
唯織『お久しぶりだねほんとに。』
結梨『会ってないけど会えて良かった!』
夏菜子『どうも〜!』
5人とも、高校の時から全然変わっていない。ありがたいにはありがたいけど、この5人が変わらないまま不倫をしていると思うとちょっと嫌だな。
『今日は皆さんにご協力願いたいことがあります。』
沙奈恵『え、なんか怖い』
理奈・唯織『ぜひとも。』
結梨『突然だあ。』
夏菜子『私にできることならなんでもどうぞ!』
「みんな威勢がいいね…これから不倫について告げるにはちょっと抵抗があるけど仕方ないね。」
『落ち着いて聞いてね。あなた達は、野山勇をご存知よね?』
一同『知ってるよ』
一同『え?』
一同『なんで知ってんの?』
『あなた達は不倫しています。あなた達は不貞行為を働いたという罪を被っています。証拠もあります。ごめんね。突然こんな事を言って。今はあなた達に手伝ってもらうけど、全てが終わり次第、皆さんには慰謝料請求をします。』
私がブワーッと話すと、5人は『え』と送った。
沙奈恵『え、待って?郁江、なんのこと?』
まさかの沙奈恵は白を切った。”どういうこと?”ならまだしも、”なんのこと?”は、私からは白を切っているようにしか見えない。
夏菜子『沙奈恵、白切ってもどうにもなんないよ。私は認めるよ。不貞行為はした。なんだったら妊娠発覚してる。』
「え?!」
「どうしたいっちゃん」
「夏菜子は妊娠発覚してる…って…」
「まあ、ゴムつけ忘れてたんだからそりゃそうでしょ。」
理奈『ごめんなさい。ごめんなさい…。そ、そもそも!勇くんが彼女いないって言ってたから…』
唯織『あっちからナンパしてきたんだからね?!』
うわあ。色々クソ男やらかしてんな…。ナンパはがちでやってる。あいつ、顔そこそこイケメンだからなぁ…
『ねえ、結梨はさっきからなんにも喋ってないけどなんかないの?』
結梨『不貞行為なんて…』
『証拠、あるんだよ?』
結梨『わかったよ!!したよ!熱い夜過ごしたよ!愛してるって言ったもん!』
夏菜子『私は世界一愛してるって言われたもの!』
『そして皆さんに聞きたいことは、勇との婚約についてです。結婚してますよね?』
一同『もちろん!婚姻届も出しましたよ!』
『おかしいですよね?日本は一夫多妻制は禁止なはずなんですよ。本当に、勇は、婚姻届を提出していると思いますか?』
結梨『まさか、出したと見せかけて本当は出していない…?じゃあ、結婚式やらなかったのも奥さんがいたから…?でもなんで指輪はくれたの?』
『さあ。そこは知りませんよ。でも、私の銀行口座からお金が引かれていましたので、指輪をもらった皆さんには慰謝料とは別でお支払いいただきますからね。』
私がそう送ると、パタリと5人からの連絡がなくなった。まあ多分みんな驚いているんだろう。少し時間をやってあげてもいいけど、早くしてねって感じ。
「いっちゃん、これからどうするの?」
「勇をダブルデートに誘うよ。私と不倫相手が一人ずつ増えていって、結果的には全員集合って感じ。」
「郁江ちゃん、結構黒いね(笑)」
「なんか面白いじゃないですか。早速決行したいんで皆さん、協力してください」
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