第6話 すれ違い
次の日もいつも通りにやってきてはいつもの忙しい毎日に私は没頭しなきゃならない現実。
しかも和樹が新プロジェクトへの移行が決まってからはさらに忙しい毎日を送っていた。
もちろん和樹もまた、私よりもバタバタの日々を過ごし私たちはデスクが隣同士にも関わらずほぼすれ違いの毎日。
そんな中、私は少し寂しさを覚えていた。
その日もやっと休憩で自分のデスクでひと息ついた時、向こうから和樹が来るのが見えた。
とっさに私は和樹に歩み寄り、笑顔で「和樹!」 と呼びかけた。
和樹は一瞬、私に振り返ってはみたが「あー、悪い、すぐ戻らなきゃならないんだ。またな。」 とすぐに行ってしまった。
「はぁ…。」と私は深いため息をついた。
しゃーないよねと自分をなだめ、私もまた仕事に戻った。
気がつくと外はもう真っ暗になっていた。
はぁ…やっと終わった。
疲れ果ててた私はゆっくりと帰る準備をしていたが、ふとみると和樹はまだ終わりそうに無さそうに忙しくミーティングをしていた。
私は和樹の姿に向けて「おつかれ!」と小声で伝え、足早に家路についた。
自宅に帰りついてからも、本当は倒れ込むように寝たかったがそこはなんとか耐えて入浴と着替えを終え、カップラーメンをすすり、歯磨きを済ませてからとりあえずベットにやっと倒れ込んだ。
だけど体の疲労感とは裏腹に気持ちはなぜか高ぶりを覚え、なかなか寝られないまま時間だけが過ぎていった。
ふと時計をみると夜中の1時をまわろうとしていて私の睡魔もほどよく襲ってこようとしていた時スマホが鳴った。
びっくりして画面をみるとそれは、和樹からのLINEだった。
そこには…
『夜分にごめんな。実は兄貴が利子に会いたがってて家で食事を一緒にしたがってるんだ。俺にもちゃんと謝ってきた。もし利子がよければ明日仕事が終わったら家に来いよ。待ってる。』と…。
私はちょっとなんで急に?とは思ったけど、2人でいろんな話をして和解できたんだろうと逆にホッとしながら『了解!明日また詳しく聞かせてね。』とだけ返信した。
私は2人が和解できたとの勝手な思い込みではあったが、気持ちが安らいだのかそのまま深い眠りについていた。
詳しくは明日また会社ででも聞けるしねと思いながら…。
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