第56話 こちらは王様に報告中の大臣です(2)
一方その頃、大臣は汗だくで王様の前に馳せ参じていた。
「王様、増税の手配がすみました」
「すみました、ではないだろう」
王様は不満げな声を上げた。
「全然数字、できてねぇじゃん・・・」
「は、ですがこれ以上はもう」
大臣は直立で頭をずっと下げている。顔を恐怖で上げられないようだ。
「大臣、顔を上げよ」
「は・・・」
おそるおそる顔を上げると、そこにはフクヤマ●サハルのポスターの顔の部分を切り抜いて作ったお面を顔につけた王様がいた。
「全然数字・・・できてねぇじゃん」
「は・・・?」
「どうじゃ、イケボに聞こえたじゃろう」
得意げな王様。困惑する大臣。
「ラジオパーソナリティかと、錯覚しそうになったじゃろう」
「・・・あの」
「ええい、もういい!気の付かん奴じゃ」
王様はお面を外すと、報告書を取り出した。
「今我が国は、ハーフテールボディアイランドが白上げて、白下げて、赤旗あげた、どうするか?そのことに囚われてしまって居る」
「は、増税で、にわかフリーランスは廃業に追い込む。そして防衛隊予備軍人員として確保する。増税分は給料に充てる。抜かりありません。我が上級役人の給与も上げております。ここで優秀な人材に寝返りでもされたらたまりませんから」
「予備人員連中を武装する準備は?」
「は、武装のための資源は旧国鉄道トンネルのレールを再利用しようかと」
「ほう、レールとな」
「はい。レールはかなり質の高い鋼鉄製です。一師団分の装備を整えるには十分です。我が部下に手紙を出しておきました」
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