マスク警察
俺達は地元の有志5人で結成された『M町マスク警察』。自前で警棒とスタンガンを装備して巡回し、地域の平和を守っている。
この街では俺達の活動のおかげで、マスクをしない人間はいなくなっていた。俺達は街のヒーローだ。そう自負していた。
だが先日、ウレタンマスクや布マスクは飛沫を防ぐ効果が薄いことがテレビで報道された。一大事だ!
リーダーの俺は、行きつけの喫茶店にメンバーを緊急招集して善後策を協議することにした。
ウレタンマスク、布マスクはマスクに含めてもよいかどうか、みんなで真剣に(それこそ口角泡を飛ばす勢いで)議論した。
意見は大きく分かれたが、最終的にはリーダーの俺の提案が採用された。
不織布マスクにあらずば、マスクにあらず!だ。例外は許さない!ガンガン取り締まろう!
一週間後、俺たちはそれぞれ体調の不良を感じ、PCR検査を受けた。俺を含め、メンバー5人中4人が陽性だった。
1人だけ無事だったのは、あのときの会議に風邪気味でリモート参加した奴だった。
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