第10話 『フェイク』

10 


 念には念を! 


 圭介にさおりとヨリを戻されてはなんにもならないからね。


 その後久木くんに 『サワタリ別れさせ屋』とは別途に、

個人的にアポ取って、もう少し付き合いを引き伸ばすように頼んだ。


 もちろん、親友の代理として。


『よかったらさおりを振った後、このままホスト仲間に

紹介してくれていいよ』と。


 その子があきたら又、、自然にさおりと出会うような形で

次の子を紹介してもらって1~2年、久木くんたちでさおりの

子守をしといてっていうお願いをした。


 ただ久木くんにはクギをさしておいた。


 久木くんが次の子にさおりをそれとなくまわす時、

久木くん自身の問題だということにしてほしいと。


 決してホスト仲間にも、そして小林さおりにも

 『サワタリ別れさせ屋』が絡んでいることを知られるわけには

いかないからだ。


 この点だけは慎重にしてもらわないと。


 どういう経緯で圭介に知れるか分かったもんじゃあ

ないから。


 さらに念を入れて私は久木くんに申し渡しした。


 しくじったら今後、 『サワタリ別れさせ屋』だけではなく

この業界でのアルバイトはできなくなるよ、とも。


 久木くんには10万円払っといた。




        ――――― おしまい ―――――


 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『FAKE』 設樂理沙  @manchikan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ