第6話 『フェイク』

6


 合コンの時の裏を取ることは女子のほうも男子のほうも

知り合いがいないのであきらめるしかないかと、ブスブス考えて

いたら……。


 おじの経営する業務の内の一部門である『サワタリ別れさせ屋』の

専任スタッフから第一報が入った。


 隠し撮りしたふたりの画像も添付されていた。



 それからも数日ごとに次から次へと私の元へ報告書が届いた。

 丁寧な仕事ぶりだ。


 

 あの女の言ってたことはどうやら本当だったみたい。


 それを裏付けるかのようにここのところ圭介は

 圧倒的に私と会う時間より彼女との方が長いようだ。


 今やどう考えても私のほうが2番手になっていた。

 あちゃちゃって感じ? 


 本命は彼女。



 しかしその後も圭介からの別れ話はなかった。


 それと共に以前は数回のデートのうち、必ずあったHに

なだれ込むことが気がつくとなくなっていた。


 私は自分の早急に取るべき行動を知った。


 私は忘れもしない、女に会った5月末日から今日まで、

あの女、小林さおりに会っていない。



 そして圭介には一言もさおりのことは触れずに、

以前と同様に付き合ってきた。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る