第5話 『フェイク』

 



 こういう話を聞くと、おじさんいい仕事してるんだなって思う。



 70代女性を雇用してるわけでしょ?

 元気なら年齢関係なく働けるのだから、優良企業と言ったところだね。



 フーテンの寅さんを地でいくような地に足のついてない叔父の、

現在生業としている仕事に関して、今のいままで

興味を持ったことはなかったが、おじさんが私のおじさんで

良かったよぉ~と、今回のことがあって心からそう思えた。



 だから仕事の話を聞いたのもはじめて。

 


 案外依頼が多くて繁盛しているらしい。

 これも時代のせいだろうか。


 私は自分の個人情報流出を恐れてっていうかぁ、ぶっちゃけ

身近な人にプライベートなこと、しかも浮気されてるなんて

ちょっとね、いくら大雑把で何事においても雑な人間と言われてる

私でも……流石になけなしのプライドだってあるわけで、おじには

相談者は私ではなく、親友ということにしている。



 なので、私は親友に頼んで名前と住所を借りることにした。

 もちろん、タダじゃない。彼女には5万円払った。



 用意周到に圭介の身辺を探った。

 過去の事を調べてもらうのはかなり難しい。


 ……なのでひとまず今の圭介の行動を調べてもらうことにした。



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