第4話 『フェイク』

 


 まず、あの女の話は本当だろうか。

 それにどうやって私の携帯アドレスを知ったのだろう?


 まぁ、そんな瑣末なこと、この際どうでもいいやっ!


 5日前にも会った圭介からは微塵もそんな素振りは

感じられなかった。

 はい、そうですか……と信じられるものではない。


 さて、どうしようか。



          ◇ ◇ ◇ ◇



 実は私の叔父が「別れさせ屋」というけったいな仕事を

生業にしている。


 まっ、ぶっちゃけ「何でも屋」なんだけどね。

 頼まれごとは、基本できるものなら何でも引き受けちゃうらしい。


 犬の散歩、ネコちゃんの預かり、水道の蛇口関連、トイレの

詰まり、部屋の片づけ、庭の草むしりに剪定まで

やっちゃうんだって。



 あと、病院への付き添いでしょ、子守でしょ、買い物の送迎や

駅までの送迎も。


 自分のことで訪ねて行った日に聞いた病院の付き添いの話は

なかなか面白かった。




 80代のご老人の病院行に付き添った女性がもうすぐ80才近い

70代のスタッフだって聞いて、なんか吹いちゃったンだけど。


……と、同時にいい話だなぁ~なんて思ったのよ。


 

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