0012 レベル測定

「それでも、サリーナに言われたんで、登録しておきます。」


 その瞬間に、周りが静まり返った。


「い、今、誰の名前を・・・」

「え?サリーナだよ?女神サリーナ。知らない?」

「それでは、あなた方が噂の勇者さまですか・・」

「え?勇者かどうか知らないけど、もう噂になってんの?昨日来たばかりだよ?」


 ウオオオー!全員が雄叫びに似た歓声をあげた!

 何で?冒険はないんでしょ?何?この歓迎ムード。


「私共の救世主の勇者様、お待ち申しあげておりました!」

「お、おう。」救世主って何?

「冒険者登録はこちらでございます!」と案内をしてくれた。

「では、適性検査を行いますので、お手を貸していただけますでしょうか?」とナイフを取り出す。また切られるのかよ!


「痛ってー!」

 サリーナの時は指先だけだったのに、今度は手のひらをザックリと切られた!

「では、この紙に手を押し付けてください。はい、もう結構です。」

 手を見ると、切られたはずの手の傷は跡形もなく治っていた。

「オウカ様の鑑定結果ですが」


・Lv.1000

・HP55000

・MP60000

・属性、火属性

・スキル、剣術・居合・全物理攻撃無効化・創造・神の言葉


「このようなレベル・スキルの方はこのギルドに誰もいません、さすがは勇者様!」


 本来ならば、よくある異世界アニメで見る「チート」能力だ。と、言いたい。しかし単純に、レベルなどの数値が高いだけ・・・。俺には能力はないのか。


「でも、この世界って魔物がいないんですよね?」

「ハイ!」

「本当にいないんですよね?」

「ハイ!いません!」


 火属性だけとは言え、宝の持ち腐れかよ〜。サリーナよ、この能力、要るか?俺は頭を抱えてしまった。


「オオーッ!」俺よりも大きな声が聞こえる。


 どうも、玲子のレベル測定の結果が出たようだ。


・Lv.1200

・HP50000

・MP120000

・属性、雷属性、風属性

・スキル、全物理攻撃無効化・全魔法攻撃無効化・魔術攻撃無効化・神の言葉・創造


「この世界に来ても俺より玲子の方がレベルが高いとは・・・。」

「それにしても、神の言葉と創造ってなにかしら?」

「俺達、日本では営業・企画運営をしていたからじゃないか?」

「そっかぁ、どうせなら必殺魔法とか精霊使いとかのスキルが欲しかったわね!」


 玲子はそう言うと思ってた・・・。


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