第ⅩⅦ章 旅の静養

鳥の鳴き声が外に響く。

あの騒動の後、僕たちは療養のため3週間ほど病室で過ごした。

そして明日はやっと療養期間が終わり家に帰れる日なのだ。

「あぁ〜やっと帰れるよ〜」

「本当長かったな…いくら怪我してるからって3週間も病室で寝たっきりは苦痛で仕方がないな」

「仕方がないだろ。レヴィアタンお前は特に傷が深かったんだ。いくら守護獣だと言っても当時の力は今は無いんだからな。無理をするな。颯斗はもう少し魔力を節約することを心がけた方がいいぞ?」

僕たちはナミに注意をされて少しへこんだ。

「あらあら!2人とも起きてたのね!それにウロボロスもきていたの!」

そこにはリン、ダレンさん、ルミナさん、リリィさんがいた。

「みんな!?どうして来たの?」

「どうしても何も颯斗さんの退院祝いをしに来たんだ」

「ダレンとケーキを買いに行こうとしたらリリィさんと鉢合わせたから一緒に来たの!それはそれとして、体調の方はどう?」

「僕もフカもほぼ全回復したよ!」

みんなは微笑んで安心した。

僕たちはせっかく全員揃っているので調査について会議をした。

「マリシスとか言うやつが持っていた禁忌の鍵を誰かに盗まれてしまった。このままだと別の鍵も封印を解かれかねない」

「ということは誰かが世界の破滅を企んでいるのか?」

「そういうことになるね。でもなんのために…」

「さぁ…それは検討もつかない。とりあえずだ。2日後我らはエデル帝国へ向かう。エデルの民は皆狂ってしまっていたからな。何か手がかりがあるはずだ」

「それなら私とダレンは別の王国に行ってみるよ!」

「分かりました!それじゃあお願いします!」

そうして会議は終わった。

それから翌日僕たちは無事退院し家に帰ることが出来た。

その日はみんなでケーキを食べたり祝杯の音を鳴らした。

気がつくと夜になっていた。

僕は少し休憩するために庭に出て風に当たっていた。

「颯斗〜?どうしたんだ?こんなところで」

「ナミこそどうしたの?」

「突然消えたから心配で少し様子を伺いに来たんだが、その様子だと大丈夫そうだな」

「あぁ、ちょっとテンション上がりすぎちゃったから外で休憩してただけだよ」

「我も少し休憩しよう。久しぶりの家はどうだ?」

「やっぱり、病院より落ち着くよ」

ナミは僕の顔を覗き込んできた。

「ど、どうしたの?」

「何を考えこんでいるんだ?顔が強ばっていたぞ?」

「厄災の鍵のことが気になってて。ここでずっと平和に暮らしていたいけど、そういう訳には行かなさそうだから」

「そうだな。守護獣が3体も味方になってくれているんだ。きっと騒動を止められる」

僕たちは少しの希望を胸に冒険に備えて睡眠をとった。

外から鳥のさえずりが聞こえてくる。

「あ〜朝か〜。ナミおはよ〜」

「あぁ、おはよう」

身だしなみを整え1階へ降りるとみんなも起きてきていた。

「颯斗さん!おはようございます!」

「リリィさんおはようございます!みんな早起きだな〜」

「僕最近冒険できてないから早く行きたいんだ〜」

「そっかリンドヴルムもあの戦いの後から冒険してないもんね〜。まぁ、朝食みんなで食べたら冒険に出よっか!」

「颯斗さん!俺とルミナは先に冒険に出ているぞ!また何かあれば伝達魔法で知らせる!健闘を祈る!」

僕はダレンさん達を見送ってから朝食をとった。

「さぁ、エデルに行こう!」

僕たちはリリィさんの魔法で行こうと思ったがリリィさんの魔力をもしもの時のために置いておくため馬車で向かうことにした。

「私馬車初めてだな!」

「そっか、いつもは転移魔法で移動してるんですもんね」

魔女もやったことの無いことわりとあるんだと思った。

リリィさんはすごく楽しそうだった。

「リリィさん?もし良ければ野宿もなんですしニクス王国に泊まりに行きませんか?」

「でも、戦いで建物も倒壊してしまってるんじゃ…」

「確かに…せっかくよるなら確認しに行ってみましょう」

日が沈みかけてきた時ニクス王国に到着した。

ニクス王国は復興作業が進められていた。

僕たちが入国すると門前に1人の男性がたっていた。

「すみません…現在復興作業中ですので……あ!!颯斗さんですよね!」

「え?あ、はい。貴方は?」

「あ!申し遅れました。私はニクス王国の国王、ライアン・レノルズと申します。ライアンって呼んでいただければと」

僕たちは一瞬固まった。

「え!国王様!?」

「あの時は国をお守りいただきありがとうございました!本日はどのような御用で?」

「調査でエデル帝国に行くのですが、こちらのリリィさんにニクス王国の魅力を教えようと思い来ました!ですが、まだ復興途中ですよね…」

「いえ!まだ復興中ですがニクス王国の西側の宿や温泉は空いてますので是非疲れを癒してきてください!」

「ありがとうございます!」

そうして特別に国王直々に許可を得た僕達は西の温泉街にある宿に泊まることにした。

リリィさんは初めての場所に珍しくはしゃいでいた。

「この部屋すごく素敵ね!」

「こいうい部屋を和室って言うんだよ」

そして僕はリリィさんを温泉に案内した。

「一緒に入らないの?」

「僕は男ですのでそちらには行けないんです…魔獣ならついていけると思うのでナミに色々教えて貰ってください!ナミお願いね!」

「仕方がない…リリィ、風呂に向かうぞ」

僕はフカ、リンと温泉に入った。

「リンは温泉初めてなんだよね?」

「うん!暖かいお水?」

「ま、まぁ、そんなところかな…?」

リンは僕とフカを見て温泉に浸かった。

「暖かい!温泉って気持ちいいね!」

「気に入ってくれたなら良かった〜」

そうして温泉で疲れを癒していると突然隣の女湯からリリィさんの叫び声が聞こえた。

「リリィさん!?どうしたんですか!!」

「驚かしてしまってごめんなさい!!思ったより熱くてびっくりしただけ!!」

突然の叫び声に驚いたが僕は安堵した。

そしてその日はみんなで川の字で寝てリラックスした。


現在のステータス

名前:宇積 颯斗

年齢:16歳

スキル:メゲトス、コルセラピア

全体レベル:28

魔法適正:風、植物、天気、水、地

契約魔獣:ウロボロス、レヴィアタン

リンドヴルム


あとがき

読んでいただきありがとうごさいました!今回は癒しの回にしました〜

最近は執筆が出来てるので更新を毎日は無理かもしれませんが頻繁に更新が出来ればと思ってます!

それでは次回も読んでいただければ幸いです!

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