第ⅩⅥ章 突然の戦闘

みんなが寝静まった頃、突然屋敷の扉を強く叩く音が部屋中に響いた。

「颯斗さん!!起きてください!!」

「こんな時間になんなんだよ…」

「颯斗、なにか様子が変だ…行こう」

僕はナミと玄関に急いで駆けつけた。

ドアが開くと同時に汗だくで過呼吸になっているオルガーさんだった。

「お、オルガーさん!?どうしてここまで…」

オルガーさんは過呼吸のせいで言葉が詰まっていた。

「たすけてくれ…」

僕はオルガーさんに肩をかしてソファーに座らせた。

よく見るとオルガーさんは血だらけだった。

「何事ですか!」

リリィさんは様子がおかしいのを察知して急いで来てくれた。

「この方は…?」

「オルガーさんです…オルガーさんはアステラの森の問題を解決する時に手を貸してくれた方です…。オルガーさん、何があったんですか…?」

オルガーさんは少し落ち着いたのか喋りだした。

「宿で寝ようとした瞬間にニクス王国に警報が鳴り出して、魔法使いが暴れだしたんだ…街が壊されるのを阻止するために戦ったんだが、冒険者と賢者全員やられてしまったんだ…颯斗君、ニクス王国をどうか守ってくれ!」

「分かりました!どこまでやれるか分かりませんが、ニクス王国を守ります!行こ、みんな!」

「私は援護をするよ!」

準備を急いでしてリリィのワープ魔法でニクス王国にとんだ。

ワープをくぐるとそこには街がボロボロになりかけていた。

「こ、これは!?どうして…温泉街が…」

「颯斗!あれを見ろ!あいつが原因だろうな…覚えているだろ?」

「あれは!僕を崖で押したやつ…許さない!」

僕は後先考えずにやつの近くまで走った。

「颯斗!」

ナミの声が聞こえると同時にやつは僕に気がついた。

「あぁ!これはこれは、哀れなお姿ですね。これはあなたのためなので、どうかお許しを」

「お前は何を言っているんだ!なんで街を!あの時もどうして僕を崖から落としたんだ!」

「おやおや、あなたに「お前」と言われるのは悲しいですねぇ。我はマリシス、この世界を統べる悪だ。この世界は悪意で溢れている!ならば潰さなければならない」

「ここは俺たちに任せろ!颯斗はグランデ王国に援護を呼べ!」

僕は急いでリリィさんとグランデ王国に向かった。

そして王国の宮殿に向かい国王を呼んだ。

「国王さん!今すぐ援護を要請してください!」

「颯斗さん落ち着いてください!どうされたんですか!?」

僕は起こっている事を全て伝えた。

「そんなことが!今すぐグランデ王国の賢者を要請します!」

「国王さん!その必要はないですよ」

声の方を向くとダレンさんとルミナさんがいた。

「ダレンさん!!ルミナさん!!」

「久しぶりだな!颯斗さん!話は聞かせてもらった!行くぞ!」

僕達は外に出てリリィさんの魔法で移動し、ニクス王国に到着した。

「援護来た………え…ふ、フカ!!」

到着すると目の前にフカが傷だらけで倒れていた。

僕はフカの元に走り駆け寄った。

「颯斗…、俺は大丈夫だ、早くあいつを!」

僕はどうすればいいか分からなくなりその場で固まってしまった。

「ど、どうすれば…」

突然背中を誰かに軽く叩かれた。

「颯斗さん!焦らなで大丈夫だ!落ち着いて今すべきことを考えて行動するんだ!」

「僕が、すべきこと……救護を呼びたいけど今は人が足らないだろし…リリィさん!」

「どうしたの?」

「僕が教えてもらった魔法でナミ達の援護をするのでフカの治癒をお願いします!」

リリィさんは軽く頷き、僕は周りの安全を確保し戦う準備をした。

「大丈夫、大丈夫、僕なら、やれる!」

僕はマリシスに狙いを定め魔法を撃った。

風魔法は的中しマリシスに隙ができた。

そこにナミとリンは第4魔法を使いマリシスを倒した。

「やはりあなたはお強いですね…あとは任せします…」

そう言ってマリシスは灰になって消えた。

「か、勝った…?」

あたりは静まり返った。

「颯斗が隙を作ってくれたおかげで勝てたぞ!」

周りは一斉に声を上げて勝利を分かちあった。

「ナミ!あの鍵何?」

マリシスが消えた場所に禍々しい黒いオーラを纏った鍵が落ちていた。

「あれは!!」

ナミが拾いに行こうとすると鍵の前の空間が割れその間から黒いフードを被った謎の人が出てきて鍵を拾った。

「マリシス、お前は焦りすぎだ。まだまだ時間はあるんだから…」

「貴様は何者だ!」

ナミは待ち構えて聞いた。

「ウロボロス…レヴィアタン…リンドヴルム…我らは御方の願いを叶える者…今はまだそのときでは無い…」

そう言って空間の狭間に消えていった。

「クソ…鍵を取られてしまったか…」

「ナミ…あの鍵って何の鍵なの…?」

「あれは災いの鍵だ」

「災いって何が起こるの?」

「鍵を4つ解かれれば世界が崩壊する。1つ1つの鍵の封印もとかれる度その地域が破壊されてしまうんだ」

僕はマグナ海の民達との記憶が頭をよぎった。

「もしかして、マグナ海の時の海の街が崩壊したのって…」

「あぁ、あの地域に鍵があって、その封印がとかれたのかもな…」

「まぁ、何とか勝てたし……意識が…」

僕は疲労で倒れその後救護班に救護され病室で目を覚ました。

「フカ!…ここは?」

「良かった!体は大丈夫?」

声のするほうを見るとナミとリリィがいた。

「フカは!」

「レヴィアタンなら大丈夫だ。久しぶりに魔力を大量消費したから疲労が体に出たんだろう。今はリンドヴルムとダレン、ルミナが看病をしてくれている」

僕は安堵し体の力が抜けた。

「良かった…でも安心はまだできないね。あの黒ずくめが何を企んでるのかも分からないし、また鍵の封印がとかれるかもしれないし」

「それもそうだな。テトラクレイスが行われる前に止めなければな。フカと颯斗の体が完治すれば止めるための調査をしに行くか」

こうして僕らはマリシスとの勝負に勝利し無事ニクス王国を守ることが出来た。

鍵の真実を知るため僕たちは調査に行くことを決めたのだった。


現在のステータス

名前:宇積 颯斗

年齢:16歳

スキル:メゲトス、コルセラピア

全体レベル:28

魔法適正:風、植物、天気、水、地

契約魔獣:ウロボロス、レヴィアタン

リンドヴルム


あとがき

第ⅩⅥ章を読んでいただきありがとうございました!最近仕事の疲労で執筆頻度が遅くなってますが引き続き書いていきますのでよろしくお願いします!

それでは次回も読んでいただけると幸いです!

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