第Ⅸ章 冒険者達の行方
鳥の鳴く声に目が覚めた。
「ん〜よく寝たな〜おはようナミ」
「あぁ。たしか今日は失踪した冒険者の調査に行くのだったな」
アステラの森の問題は解決したもののそこに向かって行った冒険者達は未だに見つかっていなかった。
そして僕とナミはその冒険者達を探し出すため調査へと出かけるのだった。
最初に冒険者達なら何か知っているのでは無いかと思ったため酒場に向かうことにした。
「相変わらず和気あいあいとしているなぁ。あ!お久しぶりです!この前は奢っていただきありがとうございました」
「いいんだ!それより何か用か?」
僕は周りに聞こえないよう小さな声で話した。
「実は今アステラの森に行って消息を絶った冒険者達を探すために調査していて、何か知っていることがあれば教えていただけませんか?」
「俺が知っているのはアステラの森で消えた冒険者と賢者の人数ぐらいだな。たしか15人ぐらい帰ってこなかったんじゃなかったはずだ」
僕は礼を言いついでに食事を済ませてから酒場を出た。
「なるほど、15人の人が消えたわけか。次はオルガーさんに聞き込みしたいけどニクス王国まで行くのも時間かかるしな…どうしよう…」
「お!久しぶりだな!颯斗だっけか?オルガーだ。覚えてるか?颯斗がアステラの森の問題を解決してくれたおかげでグランデ王国に戻る事が出来たんだ。感謝する!」
僕は驚いたが、すぐにオルガーさんに聞き込みをした。
「消えた冒険者達の事何か知っているかって?前話した通りの出来事しかあってないからそれ以外は分からないが、アステラの森は歴史深い場所だ。歴史を調べれば何かヒントになるんじゃないか?」
「歴史か…オルガーさん、ありがとうございます!ナミ?図書館に行ってみよ!」
僕とナミは走って図書館に向かった。
「入館ですか?でしたら入館料500Rsいただきますね」
受付に入館料を渡した。
「こっちの世界の図書館ってお金取られるんだ…」
しばらく関連のありそうな本を探していると「グランデ王国の誕生」と言う本を見つけた。
「グランデ王国の誕生…何か手がかりあるかも!なになに?今から1000年以上前の大昔、グランデ王国は小さな村だった。前までは大きな街だったが食糧難に陥り、隣にあった村と人々は戦争を繰り返し、後にグランデ王国が打ち勝った。そんな争いを見ていた神はこれ以上そんな事が起こらないように森を作り、豊穣を司る守護獣ウロボロスを祀った。
神のおかげでグランデ王国には植物がよく育ち、人々は繁栄し王国は現在の姿になった。
そして人々は後にその森をアステラの森と呼んだとさ。ってナミはそのウロボロスなんだよね…この後のこととか知らない?」
「記憶にないな…我が森に祀られていた事は覚えているが、所々記憶が無くてな…すまない…」
僕はナミを撫でながらため息をついた。
「ん〜これじゃよく分からないな…他の本はないかな?」
そう言い探しているとほぼ消えかけで読めない字で書かれた本を見つけた。
「これ、なんだろ?」
本を開くとこう書いてあった。
「ア テ それは忌々し 。4 守護獣 今目覚め、争 沈め う。 王は子を り世を去 。後にグ ンデ 国に悲 がもたら 。 の 焉はもう だ。この 者へ世 を れ。復 す だ。」
「これ以上は読めないな…なんなんだろ?」
「文字を見るにあまり宜しくないようだな。消えかけているがグランデ王国と書かれてるところがあると言うことは何か関係があるのだろう。我以外にも守護獣は3体いるのだが4守護獣というのはその事か…?」
僕はこの本にヒントがあるかもと思い、貸出禁止だったが、国王からの許可をもらい貸してくれることになった。
どうやら国王によるとその本は不明な事が多く書かれた本で、縁起が悪いためその本の貸し出しを禁止していたらしい。
「貸し出して頂きありがとうございます!」
「いえいえ!こちらがお願いしていることですので…ご協力ならしますのでいつでも声掛けてくださいね」
僕は軽くお辞儀をして図書館を後にし、家に帰宅した。
「よし、まとめるって程では無いけど、とりあえず情報を整理しよっか。えーとまず、失踪した冒険者は15人で、ナミ以外の残り3体の守護獣に話を聞けば何か分かるかもで…ナミ?守護獣ってどこにいるか知ってる?」
「たしか森、海、荒地、砂漠にいるはずだ。だが、どこの海や荒地なのか分からないからな探すのは大変だぞ?」
僕は大変という言葉に冒険への抵抗を感じた。
「確かに大変なのは嫌だけど、それ以外に出来ることもないしな。まぁ、冒険で得れるものもあると思うし、ナミとならしんどいのも苦じゃないし頑張るか!明日から調査長引くだろうからしばらく家には帰れないけどナミはそれでも大丈夫?」
「我は颯斗の言うことを聞くだけだからな。なんでも構わんぞ」
それから明日の長旅のために準備を済ませ、活気作りのためにナミに手料理を振る舞うことにした。
最初何を作るか迷っていたが、日本の料理を作ってあげるのがいいと思い親子丼を作ることにした。
「いきなりキッチンに立って、我に何を振舞ってくれるのだ?」
「僕の前にいた世界の料理を作ってあげる!ソファーでくつろいでて〜」
「いつもお母さんが作ってくれているのを見たり料理本で勉強しておいて良かった〜」
自前レシピで親子丼を作りナミに振舞った。
「初めて食べるがとても美味だな!颯斗は料理が上手いんだな。我にも今度教えてはくれまいか?」
「もちろん!やっぱり料理って自分で食べるよりも他の人に食べてもらうのが1番嬉しいな」
僕とナミは食事を済ませベッドに横になった。
「明日から大変だろうけど頑張ろうね」
「あぁ。颯斗も無理はするなよ?」
そして僕とナミは眠りについた。
現在のステータス
名前:宇積 颯斗
年齢:16歳
スキル:メゲトス、コルセラピア
全体レベル:11
魔法適正:風、植物、天気
契約魔獣:ウロボロス
あとがき
第Ⅸ章も最後まで読んでいただきありがとうございます!
作中にあった親子丼の自前レシピを書いておくので良ければ作ってみてください!
調味料
サラダ油・大さじ1
醤油・大さじ2
料理酒・大さじ2
みりん・大さじ1
白だし・大さじ1
砂糖・大さじ1
水・150ml
食材
卵・3個(サイズはどれでもOK)
鶏肉・80g
玉ねぎスライス・1/4
刻みネギ・適量
三つ葉・適量
作り方
小さいフライパンにサラダ油をひいて、鶏肉に軽く焼き目を付ける。
焼き目をつけたら玉ねぎスライスと残りの調味料を全て入れて蓋をし、中火で軽く煮る。
時々蓋を開けて確認し鶏肉に火が通って入れば火を弱火にする。(水分が飛びすぎている場合は水を軽く足す)
卵2個を箸でよく溶いて回し入れる。
蓋をして中火にして卵に火を通す。
(卵の火の通し具合はお好みで!)
丼皿にご飯好きな量を盛って出来た具を乗せる。
真ん中にポケットを作るようにネギを乗っけて真ん中に卵黄を落して三つ葉をちぎって真ん中に乗っけて完成!
(卵黄、ネギや三つ葉が嫌いな場合は乗せなくてもOK!)
次回Ⅹ章お楽しみに!
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