第Ⅶ章 ナミの疑い…

僕とナミは国王から、アステラの森の問題を解決して欲しいと依頼を直々に受けた。そしてアステラの森に行って助かった冒険者がいるという噂を聞きつけ、ニクス王国に向かうのだった。

「そろそろ暗くなるしここら辺で野宿かな」

「そうだな。腹が減ったな…」

グランデ王国で前に買った食料が底をつきそうだった。

「お金はあるからニクス王国に着いたらそこで食料調達しようか」

それから僕は火を起こし焚き火を立て、ナミと眠りについた。

数時間後、日差しが目を通し眠りから目覚めた。

「よし、そろそろ行こか」

そして、僕とナミは歩き出した。

「もうそろそろでニクス王国だ!あ!ここ、懐かしいね。初めてナミとあった場所…そういばあの時なんでここで倒れてたの?」

「あの時は何かから逃れるためにここに来たのは覚えているんだが…それ以外の事は全く覚えていないんだ」

ナミの寝言といい何かあったのだろうけど、いずれナミの問題も解決してあげないと行けないと思った。

それからしばらく歩いているとニクス王国が見えてきた。

「ニクス王国に来るのは初めてだな。温泉楽しみだな〜」

「我は温泉とやらは初めてだ」

どうやらニクス王国は温泉で有名な王国らしく人も多いみたいだ。

そんな事を喋っていると、ニクス王国の門前に到着した。

「通行許可書の提示お願いします」

僕はグランデ王国の通行許可書を提示した。

「グランデ王国からニクス王国まで遥々来てくださりありがとうございます。ニクス王国で是非疲れを癒していってください!」

ニクス王国の風景は元いた世界の温泉街にとても似ていたが、和と洋が混じったようだった。

「まずは人が多いみたいだから早めに宿を取りにいこう。それから食料調達して、温泉を楽しみながら調査しよう」

「わかった。ただ、調査は怪しまれないように慎重にやるぞ」

そして僕とナミは近くの宿へ向かった。

「1日泊まりたいんですが、いけますか〜?」

「はい!ちょうど空きが出来たばかりですのでそちらの部屋に案内させていただきますね!ではこちらの部屋をお使いください!お食事は21時にお持ちしますのでその時間は部屋に待機して頂きますようお願いします。2人分のお食事と部屋込みで3万Rsです」

僕はお金をポーチから取り出し渡した。

「あの、ひとつ質問なんですが、温泉って魔獣も一緒に入ることは出来るんでしょうか?」

「はい!魔獣も入っていただいて大丈夫ですよ!ニクス王国は凄腕冒険者達もよく来られるのですが、契約魔獣を連れている冒険者も多いので入れるようにしてあります!」

僕は礼を言い、ナミと温泉へと向かった。

「昼だからお客さんほとんどいないんだね」

「そうだな。我は客が少ない方がありがたい」

準備を済ませ温泉に浸かった。

「温泉と言うのは初めてだがとても良いものだな」

「そうだよね〜」

ナミと会話しているとこちらをずっと見てくる男の人が喋りかけてきた。

「その魔獣は君の使い魔か?」

「は、はい…そうですが、どうかしましたか?」

その男の人はすごく強ばった顔をしていた。

「君の使い魔に似た魔獣に襲われかてグランデ王国に住んでたんだけどニクス王国に移住したんだ。ごめんね、急に失礼なこと聞いてしまって」

「もしかして…あの!詳しくお話聞かせてください!僕らグランデ王国から来たんです。アステラの森の、問題を解決するために調査に来てて」

男の人は驚いた顔をしていた。

そして温泉から上がり、広場のベンチに座りながら話を聞いた。

「俺の名前はオルガー・バックだ。」

「僕は颯斗で、使い魔はナミです。いきなりですみません…実はニクス王国にアステラの森に行って生還した冒険者がいると聞きつけて調査しに来たんです。もし大丈夫でしたらお話を聞かせてくれませんか…?」

男の人は少し間が空いた後話を始めた。

「まず、俺は例の依頼を受けてアステラの森に向かったんだ。最初は森から降りてきた下級の魔獣が襲ってきて、戦って倒したんだが、森の中心に着いた時、問題になってる理由は一目見て分かったんだ。君の使い魔に似ている大きな蛇の魔獣が森で暴れてたんだ。それに怖がって森を住処にしていた魔獣が山を降りて来てたみたいで、俺はその魔獣に挑んだんだが全然歯が立たなくてやられてしまったんだ。それから俺は何とか逃げて来れたんだが、あの日からグランデ王国にいるのが怖くてな…それでニクス王国に来たんだ。」

僕はナミに何か関係があるんじゃないかと思い推測をした。

ナミが何かされ、暴走して豪雪地帯へ来た、と言うとつじつまは合うが、どうしても暴走の原因と豪雪地帯へ来た理由が分からなかった。

それからどれだけ考えても分からないことが多かった為、オルガーさんと別れ、一旦宿に戻ることにした。

「ナミ、もしかしてナミがその大きな蛇の魔獣なんじゃないの?」

「分からない…アステラの森の事少し気になっていてな。1度森へ行ってみないか?」

もし推測が違っていて別の魔獣だった時、襲われないか僕は心配だった。

「とりあえず残りの時間は楽しんで、アステラの森に向かおう」

話をしているとふすまが突然開いた。

「失礼します。お食事をお持ちしに来ました」

「ありがとうございます!お、美味しそう…」

それから僕とナミは食事をすませ、もう一度温泉へ向かった。

「温泉ってやっぱりいいな」

「我も気に入った!また機会があれば来たいな」

残りの時間を過ごし、最終日にナミと会話をした。

「調査っていうので来たけど、なんだかんだ言って楽しかったね!」

「そうだな。温泉はとても良かった。また来てもいいな」

そして布団に横になった。

「ナミ…もし何かあっても、そばにいてね…」

「大丈夫だ。颯斗を守るために契約したんだからな」

それから僕とナミは眠りについた。

そして朝を迎えた。

「そろそろ行こっか」

身支度を済ませ宿を出て、ニクス王国を後にした。

アステラの森に向かって2日間歩き続けようやく戻ってきた。

「やっと着いた…グランデ王国とニクス王国の往復はもうしたくないな…」

「我は何故かこの森に何か感じるんだ。奥に進むぞ」

僕はナミの後ろをついて行った。

魔獣達が襲ってきたりしないか心配だったが、何も現れなかった。

そしてあっという間に森の中心に到着した。

「ここは!そうか…そうだった。思い出した…」

「な、ナミ?大丈夫…?」

ナミの雰囲気はいつもと違っていた。

「我はアステラの森の守護獣、ウロボロスだ。」


現在のステータス

名前:宇積 颯斗

年齢:16歳

スキル:メゲトス、コルセラピア

全体レベル:8

魔法適正:風、植物、天気

契約魔獣:ウロボロス


あとがき

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました!ここからしばらく設定の紹介はお休みします!次回ナミは一体どうなってしまうのでしょうか…

次回第Ⅷ章お楽しみに!

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