第Ⅵ章旅立ちと国王の願い
グランデ王国に朝が迎えた。
「颯斗〜朝だぞ?」
ナミが僕の体を揺すった。
「ん〜?」
「体調は大丈夫か?」
僕は体を起こすと、休んだおかげで身体が軽かった。
「うん!ナミがそばにいてくれたおかげで元気だよ!」
「それは良かった。今日はどうするんだ?」
僕は今後どうするか迷っていた。
「今後お金を貯めてからこの王国で家を買うか、もしくはお金を稼ぎながら役職の通りに、旅をしながら野宿か宿に泊まるか。ナミはどうしたい?」
「我は契約者である颯斗に従うだけだからな。我はなんでも構わないぞ?」
考えた結果、僕はその時になってから決めることにした。
「今日はギルドに呼ばれてる用事を済ませてから依頼受注するか〜」
「それより腹が減った…」
ナミは昨日の自分で作った料理の味見から何も食べていなかった。
「なら酒屋で朝食食べてからにしよっか!」
そして僕は酒屋に向かった。
「いつもそうなんだけど、輩冒険者が多いから入る時怖いんだよね…」
「安心しろ。何かあれば我が相手してやる」
重い扉を開けるといつも通りの15人ぐらいの冒険者達が居た。
「あ!魔獣使いの子供が来たぞ!!」
冒険者達が一斉に迫って来て僕は怯えた。
「魔獣使いさんと魔獣さん!あの時は助けてくれてありがとな!」
「え…?その事…?」
僕は何かやらかしたのかと思い怖かったが、どうやら礼を言いたかったみたいだ。
「なぁ!俺らにとって君達は命の恩人なんだ!せめて何かお礼はさせてはくれないか?」
「で、でも…なんか悪いしな…朝食だけ…」
僕は朝食を奢ってもらうことにした。
それから朝食を食べながら冒険者達と雑談をした。
「魔獣使いさんはアステラの森の噂知ってるか?」
「アステラの森?いや、知らないです…」
この話をしている時ナミが何か知っているかのように考えていた。
「アステラの森っていうのは、この王国から出てる緊急依頼の場所なんだ!ただ、アステラの森に行って帰ってきたやつが1人だけいるらしいぞ!」
僕は気になって情報を冒険者達に色々聞いた。
どうやら緊急依頼を受けて帰ってきた冒険者が居るらしく、その冒険者は今はニクス王国に住んでいるらしい。
「何があったか気になるな…」
それからしばらくしてギルドに向かうため席を外した。
「奢っていただきありがとうございました!」
「いいんだ!俺らこそ助けてくれてありがとな!」
そして僕とナミはギルドへ向かった。
「あ!颯斗さん!体調はいかがでしょうか?」
「体調は大丈夫です!昨日行けなくてすみません…」
僕は頭を下げた。
「それは良かったです!それでは改めて、敬礼!この王国を守って下さりありがとうございました!」
周りに居た賢者と冒険者達が一斉に僕とナミに頭を下げた。
1番前にいた男の人が口を開いた。
「改めて冒険者と賢者達、この王国の市民に代わってグランデ王国の国王として、この王国を守って下さりありがとうございました!」
「こ、国王様!?」
僕はそんなに大事になっていたとは思っていなくて隠せないほどの焦りが出てしまった。
「私、国王直々に礼とお願いがあるのですがここでは喋りにくいでしょう?もしよれしければ、グランデ王国の宮殿にいらしてください」
「え、宮殿に入っていいんですか!?」
グランデ王国の宮殿は一般国民は立ち入り禁止にされているらしく、どうやらそこは国王の住居らしい。
「はい!是非そちらの使い魔と2人でいらしてください!それでは待っていますのでまた後で」
そう言うと国王は宮殿へと帰って行った。
「こちらギルドからの報酬金の金貨50枚で50万Rsです!お受け取りください!」
受け付けの人がそう言うと袋に入った大量の金貨を渡された。
「ナミ…こんな大事になっちゃって今後大丈夫かな…」
「大丈夫だ。それにそんなにお金を貰えたのなら家買えるんじゃないのか?」
僕はこの王国の家の値段など全くと言っていいほどに知識がなかった。
「とりあえず、国王さんから呼ばれてしまったし宮殿に向かおう!」
僕とナミはグランデ王国の中心にある宮殿へと向かった。
「す、すみません〜」
「颯斗さんですね?2階の奥の部屋に国王様がいらしゃいますのでここからお入りください」
僕は言われた通りに部屋へと向かった。
宮殿は恐ろしい程に広く綺麗だった。
僕は部屋の前に着き、扉をノックした。
「どうぞお入りください!我が宮殿にようこそ。そちらのソファにお座りください」
「あの、もし大事になってしまったのなら本当にすみません…」
僕がそう言うと国王は驚いた顔をしていた。
「そのようなことはございませんのでご安心ください!今回呼ばせていただいたのは、お礼とこちらからのお願いの件についてお話をさせていただきたく思っております。最初に王国からの報酬金として150万Rsお渡しさせていただきます。」
大きなポーチに入った大量の硬貨を渡され、僕はこんな大金を持っててなにかに狙われないかが心配だった。
「ありがとうございます!それとお願いというのはなんでしょうか?」
「断られるかもしれませんが、私が直々に出している依頼をどうか解決してくれませんでしょうか…?」
僕は考えた。
もしかしたらナミに関係していてナミと別れなければ行けなくなるかもしれないことが心配だった。
「分かりました。ただ1つこちらからもお願いがあります。もし依頼を解決出来た時には家が欲しいです。今宿で寝泊まりしてるのですが、お金がかかるので家を探しているんです。」
「それなら、私が今は所持している屋敷を解決した暁には報酬とは別で差し上げましょう!時間は気にせず自分の身を第一考え、行動してください」
そうして依頼を解決する代わりに家を貰えるということになり国王と約束を交わした。
それから宿へと戻りナミと会議をした。
「明日まずは何があったか調べるためにニクス王国に向かうので大丈夫?」
「あぁ、ただ国王も言ってたように命の危険の可能性があるだろうから気をつけて調査をするぞ。何かあれば我が盾になってやるから安心しろ」
そうして明日に向けて身体を休めた。
「もう8時か…そろそろ起きよっと。ナミ〜?もう朝だよ〜」
ナミを揺さぶる。
「ん…もう起きる時間か…」
そして持っているもの全てまとめて宿を出る準備をした。
「これからどうなるか分からないけど頑張ろうね!ナミ!」
「あぁ!」
宿の主人に礼を言う為、広場へ向かった。
「いたいた!短い間でしたけどお世話になりました!色々教えてくださったりナミに料理教えてくれたり、本当にありがとうございました!」
僕は深くお辞儀をした。
「そうかい!君とそこの魔獣を見ていると妻の事を思い出したんだよ。こちらこそ昔の大切な記憶思い出させてくれてありがとう。また何かあれば頼ってくれよ?」
「はい!それではお元気で!」
僕は手を振り、門に向かって歩いた。
グランデ王国の門をくぐり抜け僕とナミはニクス王国に向かうのだった。
現在のステータス
名前:宇積 颯斗
年齢:16歳
スキル:メゲトス、コルセラピア
全体レベル:7
魔法適正:風、植物、天気
契約魔獣:ウロボロス
あとがき
第Ⅵ章を最後まで読んでいただきありがとうございます!今回の設定紹介はギルドについてです!グランデ王国のギルドは昔、役職別にギルドがあったらしいのですが、国王が変わり管理をしやすくするためグランデ王国ではギルドを統一したという設定です!
なのでニクス王国などは統一されてません!
ギルドって少し憧れますよね!(笑)
今回はここまで!
次回第Ⅶ章も見ていただけると幸いです!
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