#2 シュアリィ・ヴァンガード

6月9日 14時49分

二間市ふたまし 上赤津場かみあかつば地区 上空

輸送ヘリコプター "ドランク2" 機内




"晶獣"レクリスの出現による電磁波異常、並びに天候の変化で、快晴だった空には分厚い雲が垂れ込みだしていた。


灰色にせてしまった空を、放たれた矢のようにして飛ぶ、1機のヘリコプターがあった。


黒を基調とした仕様の兵員・物資輸送用機"チヌーク"は、最高速度にて異様な煙を噴出す"Buy-laS"バイアスへ突き進む。


は、二間市にて行動する"特科晶撃戦隊"アンヴィル・ナンバーズが持ちうる最速の移動手段だったが、それでも武靭具オーディフィードを解き放っての疾走とは比べるべくもない。


とはいえ、まさかこの昼日中に威武騎ヴァンガードの姿を晒す訳にはいかず、もどかしくも今はじっと待つことしか出来なかった。


ただでさえ、歯痒くて仕方ない現状。


だがしかし、更に今"5th"フィフスからもたらされている報告もまた不穏に過ぎるものだった。


<――――作戦行動中だった”8thエイトス・サテライトコード”、デルタチームが、"賢忌"発見の報告を最後にロストしました。

"Buy-laS"ビル近辺の電磁波障害は、まだ我々の機器に影響を与えるレベルではありません。

しかし一瞬ですが、"大禍獣"ジガンディスクラスの強力な歪みが近隣で確認されました。

現在、最後の位置情報を元に、他班が確認に向かっていますが・・・・〉


「・・・・あくまで、調査のみ。

有事に遭っては、即時撤退を通達しろ。

おそらく、それはの手には余る事態だろう」


<了解>


「それで、現場付近の避難状況はどう?」


"4thフォース・ストライヴホールド"より、この事態は"ICSESイクセス・2"であると認定。

"特種災害対策法"に則り、警察、救急隊が周辺の避難にあたっています。

"8th"、"13th"サーティーンス両部隊は、30分後に合流。

強攻兵装にて展開し、警戒を開始します>


「――――まもなく現着する。

通信妨害予想区域内へ侵入につき、以降の”13th”、”8th”の指揮は神保、サルデル、両部隊副長が代行する。

通信終了」




楓はじっと押し黙り、俯いたままだった。


こういう任務の前にはつきものな軽口も、今日は喉の奥で燻ったまま出てきそうにない。


どんな他愛ない出来事でも、同じ隊の部下や、あるいは目の前の無口な"古馴染み"に投げかけて、ゆるゆると会話する。


戦いの前のウォーミングアップとばかりに、楓はいつも体ではなく心を動かした。


そうやって、自分のパフォーマンスを発揮できるテンションまで持っていくのが、彼女なりの精神統一の方法だった。


例えば、どのような分野であろうとも、大舞台を前にその技術だけでなく体調、メンタルを整える術を知るのが、プロというもの。


分かってはいても、しかし今回ばかりはこの動揺を抑えられそうになかった。


いつもはうるさくて仕方ないヘリの駆動音も今は遠く、むしろその規則正しさは却って憂慮を深めていくばかりだった。




「通信が途切れた・・・・須藤すどうさんの隊が?」


「――――賢忌の探索に当たっていたお前の部下、だったな」


この環境では、まずかき消されてしまうだろう小さな呟き。


それを逃さず拾い上げたかのように、真護の硬質な言葉がインカムヘッドホンから聞こえてきた。


らしくなくうつむく楓を心配するかのようなタイミングに、珍しいこともあるものだ、と小さく笑う。


「・・・・重要な任だ。

並の人物に任せたわけではあるまい」


「賢くて、勇敢な人よ。

ちょっと熱くなるところもあるけど、出来る事をちゃんと分かってる。

それが・・・・報告も無しに、ロストした・・・・」


「相変わらず、よく見ているな」


「当然だわ。

大事な部下、なんだから」




苦渋を抑え込みきれず、唇が勝手に"サカキ"、と呟いていた。


忌むべき反逆者への怒りと動揺が混ぜ合わさって、胃の腑で不快に渦巻いているのが感じられる。


この熱を鎮めるのは、きっと簡単じゃないだろう。


こういう時の楓は、真護の鉄面皮が羨ましくなる。


もちろん腹の内はどうか知らないが、少なくとも彼は行動に感情を乗せることはない。


そして、今こうして懊悩するところに彼が言いそうな事についても、既に分かっていた。


こうして大いなる責務の遂行を望む時、仲間や身内、人として諸々の繋がりなどについて一喜一憂するなどは、無益。


憤るよりも悼むよりも、現実を見据え、動き続けるしかない。


挑む敵が大きく、そして守らなければならないものが多いほど、そうして冷徹さが求められる。


その点でいえば、まさに龍堂 真護とは、"守る力の鉾(ヴァンガード)"としてあるべき姿を体現していると言えた。




<――――まもなく降下地点!!

お二人共、ご準備を!!>


「・・・・ええ、了解よ」




そして楓とて、その理知で己が”重責”を知り得ている才媛だ。


俯いていた面を上げた時、楓の心にもはや憂いはなく、ただ目前に迫った戦場への気迫に漲っている。


同じく、鉄鋼の戦意を秘める真護と共に、"特科晶撃戦隊"アンヴィル・ナンバーズの重鎮たる2人は立ち上がった。


ヘリ内は、既にこの高空からの兵員降下シークエンスへ移っていた。


だが、肝心な降下する真護と楓は、依然としてパラシュートすら持たない軽装のままで、後部ハッチの前へと立つ。


装備らしい装備と言えば、"特科晶撃戦隊"アンヴィル・ナンバーズの中でも限られた者のみが着用を許される、特注の戦闘服。


通称" 特装服 "の、めいめいの専用仕様品を着ていること。


そして真護は、散弾銃と三日月形の戦鉈。


楓は拳銃を一丁、加えて分割式の棍棒を左右に2本ずつ、計4本をそれぞれ腰に提げている程度。


それ以外に印象的と言えるのは、真護が首元にマフラーのように巻いた、時折紅い光沢を放つ、長大な黒布。


そして楓は、白亜の金属片を繊細に繋ぎ合わせたさやに、猛禽もうきんの眼の様な宝玉の柄尻飾りを持つ短刀たんとうを、腰元に下げている。


日神 光弥の持つ、"蒼き烈光"が腕輪の状態を仮初の姿とするように、これこそは楓達の武靭具オーディフィードの待機形態だ。


晶獣レクリスを葬り去れるただ一つの手段であり、何にも勝る最強の武器。


突き詰めれば、それ1つさえあれば、彼女達にとっては十分と言えるのだった。


「――――神保副長からの報告だ」


通信限界領域は目前。


そして、最後のタイミングともなるだろう、ノイズまみれの無線通信からの報告が届く。


「現場の"ヒュドラ"の群れは既にコロニー単位にまで拡大し、影響が漏れ出すのも時間の問題だろう。

そして、あの"日神 光弥"が、再三この場に居合わせていたらしい」


「そう、またあの子が・・・・」


果たして、そう言う楓に驚きはあまり無かった。


「ちょっと予想はしてたのよね。

どうも彼って、良くも悪くも”場の中心”にいるタイプみたいだわ。

アンタはどう思う?」


水を向けられた真護の返事は、抱え込んでいる疑念を表すように、些か歯切れの悪いものだった。


の立場を早急に、厳に問い質すべきという意見に変わりはない。

この邂逅が、"宿命"に手繰り寄られる故か、それとも否かを」


「――――先人曰せんじんいわく、"宿縁を帯びらば、もはや"原初の宣誓"より逃れること叶わず"。

因果なもんだわよね、"あたし達"って」


ところが、対象的に楓は、日神光弥の立位置について即断し、それどころか持って回った口ぶりで示す余裕を見せる。


「・・・・あれもまた、"資格"を得し者、と云うか」


「まぁ、さっきの会議での発言を翻すことにはなるわね。

アンタも見たでしょ?

彼は、誰かの命の為に走る人。

墓穴は掘っても、を掘る性根じゃないわ。

・・・・たぶんね」




それは、言ってしまえば楓の直感が大分を占める意見だった。


楽観視を決め込むには、些か根拠が乏しいとも思う。


だが、そんな楓に対して、真護はただ無言の対応。


例によって表情は変化に乏しく、常人が見れば無視を決め込んだとも思うかもしれない。


しかし、即座に否と言い表さなかったあたりは、彼もまた決めかねているようだった。


然り、現状の日神 光弥の立場は、極めて疑わしい。


断じられるだけの根拠が無い、という風に近い状況ではあるが、それでも安易な判断は下せない。


ただ、敢えてまだ私見を差し挟むのならば、楓とて昨夜の出会いが無ければ、きっと否寄りの意見だったろうとは思う。




「――――まぁ何にせよ、彼はオーディフィードとそれを扱える適合者。

ANVILにとって、何より貴重な人材であることには違いないわ。

勝手に死んでもらっちゃ、困るわね」


例え彼が白でも黒でも、その存在は唯一無二だ。


それに関しては、真護も確固たる口調で同意する。


晶獣しょうじゅうの殲滅は引き受ける。

お前は、報告にあった地下の"サバト"の対処。

そして日神 光弥の保護を任せる」


「メインディッシュは譲れってわけ?

相変わらずの食いしん坊だわ」


「悪食のつもりはないが」


<隊長がた!!

どうやらここらが限界のようですよ!!>


インカムから流れるヘリのパイロット、巻目まきめの声に身構える。


元山岳救助隊員である彼は、素早く繊細な技術でヘリコプターを操り、この危険な接近の大役を引き受けてくれた。


<予想通り、電磁波異常が酷い!!

迂闊に近づいたら、こっちまで落っこちちまいます!!>


「10秒後に降下する。

カウント」


<了解!!

9――――8――――>


秒読みと同時に目前の後部ハッチが開き、地上数百mからの空景が顕になっていく。


「これより、通常通信は不可能となる。

突入後、目標達成への手段と判断は任せる」


「"現場の判断"で、あらゆる事態と脅威に迅速に対応すべし。

いつものうちのやり方ってワケね」


「日没までに片を付ける。

奴らの足一本たりとも、巣の外に出すな」


「オッケー、"隊長殿"ボス




大型複合商業ビル"Buy-laS"。


その姿は既に、全高86m・やや特殊な構造の20F建て、という事前情報からかけ離れた有様となっていた。


あちこちから、壁を突き破って飛び出す黒い腫瘍のようなものが見受けられる。


加えて、ショッピングモールの上方に座する、タワーホテル上層部は、まるで”巨大な卵”めいて、ドーム状に膨張、変形している。


そうして、眼下を観察していた歴戦の威武騎ヴァンガード2人はその時、より深刻で危険度の高い変異を見逃さなかった。


"Buy-laS"の西側、7F付近の壁面一帯が黒く爛れたようにして変化し、更には爆弾でも放り込まれたような大穴と黒煙が吹き出している。


「早速、現場の判断が問われるみたいだわ。

高所に発生した"奇界化"コンタミネーションによる崩落・・・・おそらくは内部に通じ、"晶獣"レクリスの侵入口になるでしょう」


「着陸地点を変更。

開口した部位より突入し、一帯の晶獣を尽滅。

安全を確保しつつ、進撃する」


<2――――1――――!!>


「出撃」




次の瞬間、2人の威武騎はなんの躊躇いもなく、空へその身を投げ出していた。


ゴウ、と風を切る音を、空気を破る冷たさを感じながら、真っ逆さまに落ちていく。


空中からその身一つで落下し、最速最短にて戦場へ乗り込む、威武騎ヴァンガードにしか出来ない離れ業だ。


瞬く間に、黒々とした開口部が近づく。


そして、奥にはそれを凌ぐ黒さの、"晶獣"レクリスの気配が蠢いていた。


先に言った"奇界化"コンタミネーションとは、”晶獣”レクリスの世界が此方へと流入し、環境を侵食する逆転現象を言う。


まさに、奴らが蔓延る異次元の路は既に開かれ、この現実が犯され始めているのだ。


事態は、既に瀬戸際にあると言って過言ではない。


"Buy-laS"の周辺には既に特災勧告が発令され、半径2km圏内から一般人に避難を強制させてはいる。


しかし、いざ本当に災禍が溢れ出せば、一般社会に秘匿したままに対処するのは困難を極めるだろう。


加えて更に厄介な点は、その混乱に直面した市井の大半が、この驚異を正しく把握する事すらも難しいだろう、という懸念である。


人とは、"思考"を以て物事を観る。


人間の視野は縦に130度、横に200度程度と言われ、其処には様々なものが絶えず映り込む。


しかし、それらの大半はただ"写っているだけ"の映像でしかない。


此処に、意識を集中させ、いずれかの事象を抜き出す事で、は初めて”なにものか”であると認識される。


その上で、更に自身の知見を重ねて"理解"する事こそ、"観測る"という行為のプロセスだ。


されど、もしもそうした判断の遥かに及ばないモノと相対した時、人とは往々にして見間違いや、認識の拒否といった形に早合点しがちになる。


この場面で言えば、”2人の人間が空中を滑降してビルに飛び込み、何事も無く立ち上がる”。


または、”人の背丈ほどもある巨大な蟲が無数に闊歩する空間”。


こういった常識外の存在を、人はまず正常に観ることが出来ない。


時には間近で眼にしても、その理解を拒否し、そのうち都合よく忘れていってしまうだろう。


だが、それは決して人々が蒙昧もうまいな訳ではなく、ただ"資格の有無"という違いがあるだけ。


威武騎ヴァンガード、そして晶獣レクリス


世のことわるから逸脱した非常な存在をり、己の意思で定義できるか、否か。


すなわち優劣ではなく、ただ有るや否や。


それだけの話なのである。




「――――どうやら、一家総出で住み良く勤しんだようだわ。

数えるには、両手じゃちょっと足らないかしら?」


開口部の奥、陽の光の及ばぬ暗闇の中には、無数の赫い光がまだらに広がり、蠢いている。


それら一つ一つが全て殲滅対象だと思うと、楓は自然と憂いを帯びたため息を漏らしていた。


「数など問わん。

どれだけいようが、尽滅じんめつするまで」


「わぁお、力押しって好きな言葉だわ」


さざなみのような音から、次第に振動を伴い、押し寄せる怒涛へ。


その発生源、傀蟲かいちゅうこと"ヒュドラ・スケイル"は、ヒュドラ種の最底辺。


例えるなら、アリの巣を維持するための働きアリであり、数頼みの雑兵ぞうひょうである。


突如として躍り込んできた獲物へ、機械的に襲い掛からんとする赫い眼差し。


対して、それまでは場違いなまでにゆったりと構えていた楓と真護は、弾かれたように素早く動く。


持ち込んだ散弾銃とフルオートの拳銃を抜き放ち、全弾を発射。


すると、閉所にあって耳をつんざく銃声が四方八方に轟き、弾丸は傀蟲の甲殻を打ち叩く。


”ANVIL”製、対晶獣用電磁性衝撃弾たいしょうじゅうようでんじせいしょうげきだんの実践値は、下位の”晶獣”レクリス相手に程度のダメージを与えるに留まる。


よって、楓達がわざわざ銃を携行するのは、主に銃声で気を惹くという目的が大きい。


狙い通り、建物中に響き渡るような破裂音に、あらゆる場所に潜むむし共の意識が向けられたのを感じた。




「――――んじゃ、たっぷりと見せつけてあげるわ。

天敵が来たってことを、ね」




その言葉と同時、2人の威武騎ヴァンガードはその身に宿す"資格"を、光と放つ。


真護は、猛炎の如き紅。


楓は、稲妻の如き金。


それぞれの烈光は、やがて複雑な文様を浮かばせる光の方陣と変わって、空中に結ばれる。




「「 現界マトリクス MATRIX 」」




そして、証の言葉と共に封印は破られ、その”力”を解き放った者の身に、超常の姿を織り上げていく。


真護の身体に現出するは、灼熱を宿した大刀と、漆黒の龍人と見紛うしなやかな大鎧。


そして、楓の艶めかしい肢体を覆う鎧・・・・即ち"劾輝装"ヴァリアント・メイルは、目が覚めるように白く、鋭利な形状の全身鎧だった。




――――その、風を断ち切るように鋭角なシルエットは、速さと強さを兼ね備えた実力を想起させた。

数多の装甲板を精密に継ぎ合せた、白亜の甲冑。

その中で、前に突き出た胴鎧と両肩当は、さながら嘴と翼爪のよう。

頭部もまた、猛禽の頭部のように前へ突き出た兜で覆われ、顕にされるのは使い手の口元と、長い赤毛の結髪のみ。

そして、腰周りは異様に細く絞られ、その全身像は巨大な鳥の骨格図を思わせる。

刃と、その鞘のみで構成された下半身と同じく、人の体格から大きく外れた姿だ。

そんな異様さを覆い隠すように、両肩当てに留められた漆黒のケープと、両脇腹から一対の飾り布が翻る。

その材質は、武靭具オーディフィードを構成する”霊鉄”ミスリルを織り上げた金属繊維であると判明しており、故に布のように柔らかくはためきながらも金色の光が脈打っている。

更に、その後背からは金色光の奔流が広がり、まるで実体の無い光の翼のように輝いていた。

白亜に光る異形の身体を、優雅な外套で隠し、凛として立つその脚に備えるは、邪悪な獣を引き裂く鉤爪。

その勇姿はさながら、幽幻の翼を広げ、尾羽を揺らして睥睨する巨大な魔鳥。

禍々しくも凛々しい、空の支配者たる威容を放っていたのだった。――――




「突撃する。

遅れるな」


右腕に鉄鋼の戦鉈を、左腕で眩い灼熱の龍刃を抜き放つ真護。


されど、その発言に対して楓は、不満げな反応を隠さなかった。


両腕を広げると、その掌中に光と共に"棍棒"を呼び出し、それらを繋ぎ合わせて1本の"長棍"に変える。


それを翳して身構える姿には覇気が漲り、誰かの後塵を拝する役割などごめんだ、と言わんばかり。


「背中・・・・と、横も任されてあげるわ。

なにせ、今日はそれぐらいにワケよ!!」


言うや否や、バチリッという炸裂音よりも早く、楓は突撃した。


想定と違う動きに、真護は僅かに嘆息する。


しかし、次の瞬間には先駆けた楓を遥かに凌ぐ速さで飛び出し、言葉通りに彼女の前に躍り出ていた。


(・・・・頑固者だわね)


正しく稲妻と化した楓の速さを、瞬間的に更に上回る。


否、もはやそれは稲光という現象をも超え、"意志を示した時所ときところに己を突き立てる”とかいう、超絶の移動術であるという。


「――――雑兵ざっぺいにかかずらうつもりは無い。

纏めて、蹴散らす」


黒き炎の龍が、駆ける。


人知を超えたその速さはもはやかがやきにまで至り、”見えた瞬間ときには達している”。


言うなれば" 突洸とっこう "とでも表現すべき前進を行い、更に真護は龍刃を正眼に構えた。


その漆黒の"劾輝装"ヴァリアント・メイルに脈打つ灼光が一際閃き、"力"を解き放つ。


装術解臨そうじゅつかいりん壱型いちがた


刹那、真護の実体は眩い灼光となって失せ、同時に不可視の速度の斬撃に変化する。


咆火ほうか


敵群の中に、幾筋もの火線が奔り、爆風と共に駆け抜けていった。


その威力は凄まじく、あらゆる方向から三次元的に絡まる火線の檻は、内部のもの全てを断ち切り、焼き払う。




「――――緋龍刃ひりゅうじんこと、" 哭龍赤焦刃 "こくりゅうせっしょうじん

流石、威武騎ヴァンガードの力と歴史を""に昇華せしめた、龍堂一門。

"龍応顕武"りゅうおうけんぶを掲げる血統、ってとこかしら」




然り、先祖伝来の研鑽と共に受け継いだ武靭具オーディフィードと、歴戦の剣技を、渾然一体とさせた戦い。


超絶の戦士、威武騎ヴァンガードの生え抜きと言ってもいい真護の本領は、その姿にこそあった。


その眩くも強暴な灼光を覆い潰そうとするように、暗がりから次々に蟲が飛び出す。


数えるのも馬鹿らしいほどの赫い光点が全方位に生まれ、同じ色の敵意の光線が注がれる。


相も変わらず、数ばかり多いのがこの"ヒュドラ"という種だった。


真護のように纏めて刈っていかなければ、時間が幾らあっても足りないだろう。


しかしながら、生憎と昏羽くれうの一族には、そんな物騒な"わざ"の数々は伝わっていない。


古来より諜報・隠密の家系であり、龍堂家のような武辺の者ではないからだ。


だからと言って、楓自身は真護に対して見劣りするかと問われれば、微塵もそう思ってはいなかった。


「あたしの力も、派手に弾けるわよ。

見物料も、見てのお帰りってね」


――――先程、この作戦に対して下されたと云う"ICSES・2"という裁定。


   重大緊急事態における情報管理段階・2   

”Information Control Stage for critical Emergency Situations・2”


それは威武騎ヴァンガードにとり、”周囲への加害、ならびに事態の隠匿性を考慮しない戦闘を許可する”、という事でもあった。


故に楓もまた、紫紺色の光と共に"劾輝装"ヴァリアント・メイルに宿る異能こと、"装術"アームズ・ブレスを開放する。


装術解臨アームズ・ブレス壱型ファースト


まるで蜃気楼のように揺らぐ空間のを集中させ、蹴りの動作とともに放つ。


― ハーデスト・ムーン ―


果たして、時空を凝固させた歪みの重刃は、以前に日神 光弥の前で披露した時と比較にならない高出力であり、刃渡りは優に4mを超える。


言わずもがな、威力も劇的に向上し、大群を地形ごと圧し斬る。


しかし、楓はそれで止まらず、前方に跳躍。


ローリングソバットの動作で、更に歪みの二の太刀を繰り出す。


「派手にやらかすのはお互い様、かしら。

まぁ、じゃ、どれだけの事をしでかしたすら、分かりはしないでしょうけ、どっ!!」


怒声と共に繰り出す後ろ蹴りを、再び装術で強化する。


装術解臨アームズ・ブレス弐型セカンド


脚部に紫光を帯び、傀蟲の1体へ蹴り込む。


― オーバー・ハイウェイ ―


途端、絶大な"吹き飛ばす力"が発動。


金属質の蟲を衝撃でよじれさせ、吹かれた紙くずのように弾き飛ばした。


そして、それは真護の背を掠め、飛んでいった先で別の傀蟲の集団と激突。


もつれ合ったまま天井から落ちてきたその塊に、すぐさま真護の火閃が突き刺さり、纏めて塵埃と消える。


まさに、凄絶。


超常の力が烈光となって乱舞し、瞬く間に100以上の傀蟲を滅していた。


意思もなく、ただ雪崩のように獲物を押しつぶそうとするヒュドラ種の行進が、完全に止まっていた。


龍と鳳、神獣達の武威に、まるで恐れをなしているように。


真空地帯の中で真護がふと言葉を漏らす。


「・・・・"電甲爪でんこうそう クロン・ガルラChron Galra"。

だが、あまり派手に力を振り翳すな。

俺達の為すべきとは、晶獣を滅するのと同時、市井を守る事でもある」


「当然。

分かった上で、八つ当たってんのよっ!!」


言葉通りの荒々しさを隠そうともせず、楓は電甲爪の脚部を展開。


まさに、獲物を仕留める猛禽の如き獰猛さで、飛びかかった。


鋭い回し蹴りを繰り出せば、足先と足刀部、合わせて3本連なったブレードが、1体を両断する。


直後、楓はそこから飛び退くや前方へ突進し、別の傀蟲の一団を間合いに捉える。


正面から激突し、1体の胴体の"核晶石"かくせいせきを踏み潰す。


消えゆくその死体を蹴って跳躍し、続けざまにもう1体、浴びせ蹴りで真っ二つに叩き切る。


「アンタと――――」


残ったもう1体に対し、楓は鋭い動きで持っていた長棍を操る。


真下に先端を差し入れ、逆端の持ち手との間に膝を跳ね上げると、"テコの原理"でひっくり返るようにして傀蟲が打ち上げられる。


ただ、


楓は一瞬で判断、後足で前へ踏み込むや、長棍を縦に回転。


身体を半回転させた分の加速を乗せ、鋭い弧を描いての殴り上げ。


になったのを確認し、楓はさらに背後にいた傀蟲へすくい上げるような後ろ回し蹴り。


「――――それから、アンタら」


先程までの蹴り裂く動きでなく、むしろ蹴り足を引き戻す力で引っ張り、放り投げる。


更に、楓はその近辺にいた1体にも狙いをつけていた。


目にも留まらぬ前進を繰り出し、そのすれ違い様に棍棒を地面に突き立て、スピードを殺さぬまま転回。


正面に捉えたヒュドラ・スケイルを強烈に蹴り上げた。


一連の動作は、瞬く間の出来事だった。


3体の傀蟲は軽々と舞い上げられ、空中でぶつかりあう。


1mほどの高さに出来上がる、刺々しい異様な塊。


その下を、駆け抜けた真護が、接近してきた別の傀蟲数体を一太刀で斬り払う。


それを見ながら、楓はこれまでになく大きく身体を沈み込ませる。


バチリと、電光が身体を走り、捻りを加えた跳躍がより一層に、直後の技を果てしなく強めさす。


それは、渾身の一撃を放つ予備動作。


「こんな入口で足踏みするつもりは、無いのよっ!!」


鉄甲の脚部に、電撃と紫紺の歪みとを絡ませ、突き上げる。


瞬間、打撃点の空間が急激に縮退し、凄まじい反動が生み出される。


< ズガァァァッッッ !!!!>


弾けた電撃の破裂音と、くぐもった衝突音とが凄絶に打ち響く。


衝撃は、この建物自体が直接震わせるようだった。


そして蹴りつけられた傀蟲のかたまりは、正面突破の覇気と共に前方をぶち抜く。


未だ楓の身を取り巻く放電と、爆轟の残響の中、この魔窟の奥へ通じる風穴がポッカリと開けられていた。


「次のご案内はあちらでしてよ、ボス?」


軽口に僅かに鼻を鳴らして応え、先行する真護。


すると行く手のその穴の奥から、傀蟲かいちゅうことヒュドラ・スケイルとは違う重々しさを伴い、一回り大きな体躯がいくつも這い出してくる。


「――――ノックが派手過ぎたかしら?

まぁ、捨て駒ばかりを弾くのも、まどろっこしかったトコよ」




< ギシィエエエエ――――ッッッッ !!!!>




新たな巨躯の蟲が上げる絶叫は、歴戦の戦士たる2人ですら顔を顰めるものだった。


途端、それまで単調に群がってきていた傀蟲達が、陣形を組んで集まり始める。


「"ヒュドラ・トゥース"が、6体も。

どうやら、巣の拡大もかなり進んでしまっているようだわ」


あるいは成蟲せいちゅうとも言われる"晶獣"レクリスは、ヒュドラ種の軍団において雑兵である傀蟲達を指揮・統率すべく生み出される中位個体と目されている。


つまりは、その"部隊長"がこうまで数を増やしているということは、既に本格的な活動の為、戦力を増強する段階にあるということだろう。


「・・・・その猛りは怒りか、それとも焦りか。

いずれにしろ、この世はお前達の在る場所では無い」


一変の乱れもない声音で呟くや、真護はより炎熱を高めさす龍刃を一振り、横に払う。


それだけでも大気を焼き付かす熱波が吹き荒び、蟲の群れの先鋒をたじろがせていた。


「――――優先すべき目標は、6つ。

尽滅させ、中央を突破する」


淡々と呟きながら龍刃を繰り、引き出した鞘の内に収める。


刹那、成蟲達が金属音めいた奇声を放ち、指揮下の蟲共々の一斉攻撃を敢行する。


「 幽流ゆうりゅう 」


殺到する赫い光線の渦を遡るかのように、直ぐ様に真護は前進した。


居合の構えにて間合いに踏み入るや、龍のいななきを封じていたかのような鞘の内の昂りを、開放。


熾烈な抜刀と同時、その鳴動は激烈な波動と変わり、爆ぜる。


「 天眼てんげん 」


爆轟。


巨躯を誇るヒュドラ・トゥースすら手下もろとも消し飛ばし、続け様に真護は更に前進を続ける。


振り返ること無いその背は、一見すれば無防備。


好機と見て飛びかかる蟲共だったが、続けざまに到来する"電光"が、それを許すはずも無い。


「―――― クリティカル・ボルト !!」


雷鳴。


鋭い跳躍、そこから放たれた極大の雷電を纏った飛び込み蹴りは、追い縋ろうとしていた一団を一瞬で焼き尽くしていた。


楓の名付けた" トドメの電戟でんげき "は、その名の通りに決定的に、闇の中に閃光と威力とを刻んだ。


それに続くように、真護は再び戦鉈を構えて、突洸。


行く手には、成蟲達の指揮の下、多数のヒュドラを寄せ集めた防壁のようにして構えていた。


迎撃陣でも敷いたつもりなのか、何れにせよ無駄な抵抗であった。


「 玄流げんりゅう 」


乱撃が奔った。


無数の炎の斬戟が一点に収束する様は、まるで龍の一咬み。


その顎が閉ざされる威力は強烈に爆ぜ、邪妖を八つ裂き、滅する。


「 烈咬れつが 」


果たして、灼光の弾けた衝撃の中を、2つの輝く影が突き抜ける。


先の宣言通り、ヒュドラ達の敷いた陣形はあっという間に斬り破られ、灰塵へ帰していた。


比喩だけでなく、武靭具オーディフィードに討たれた晶獣レクリスは、塵埃と化して消える。


そうして出来た空白に立った2人は、恐れ慄く蟲の群れを見渡しながら、僅かな残心の間を取る。


四方どころか天井までも化け物に取り囲まれ、一見すれば窮地に立たされているかのような状況。


それでも、絶対的であるのは彼女達だった。


「ケリ、着けるわよ」


ふとした思いつきかのように、軽やかに先んじるのは楓の方だった。


相談も目配せも必要なく、攻勢のリズムが変わる。


知り抜いた互いの呼吸の下に、2人は瞬時に戦場の役割を入れ替えていた。


一瞬の内に、楓は1体の成蟲の前に降り立つ。


爪脚を振り上げて迎撃しようとする相手の、しかし及びもつかない速さで懐へ潜り込む。


超低姿勢での高速滑走から、すれ違いざまに鋭い電光が走った。


楓の蹴撃は、成蟲の爪脚を斬り飛ばさし、倒れ込ませる。


そのまま地に伏させるよりも早く、楓は横這いの姿勢から跳ね起きざま、蹴り上げる。


電光纏う楓の一撃は、単体への打撃力という点では時に、真護の剣技をも凌ぐ。


無防備な胴体を蹴り破って成蟲を消し飛ばし、更に勢いに乗る楓。


それに先手を打ったのは、次に狙われた成蟲だった。


奴らの巨体の上方から生えた、頭部のように見える触手は、最大の武器でもある。


楓へ向かって猛然と伸ばされるそれは、先端が4つに裂けて開き、野太い牙を剥く。


その大顎はひたすらに噛み砕き損傷を与えるためだけに特化し、素早い伸縮と驚異的な殺傷力を発揮する。


(勿論、それは威武騎あたしたちに追いつければ、の話だわ)


楓は、黄金の残像だけを残して、その攻撃を飛び越える。


続けざま、天井を這う傀蟲をまとめて蹴り裂くや、下方へと急下降。


成蟲の大顎を踏みしだき、踵からせり出したブレードを杭と使い、それを縫い止める。


「爆ぜなさい」


刹那、落雷そのものの大放電が、辺りを真っ白に塗り潰す。


首を通してその極大電力を受けた成蟲の肉体は焼きつき、堅牢な爪も甲殻も、全て凄惨に破壊される。


そしてその後、紅の灼光が白雷に続く。


「 玄流 」


龍刃を背後に流し、深く構える姿に、憤怒の如き紅い波動を纏わる。


"劾輝装"ヴァリアント・メイルには紅い脈動が活発に流れていた。


そして、その輪郭が残光と変わって動いた瞬間、繰り出される斬撃と一体となって荒れ狂う。


「 紅瘋ぐふう 」


楓達の背後に迫りくるヒュドラの群れは、まるで黒い雪崩。


それをなぞるように繰り出した横一閃は、しかして"一線"にあらず。


火山の内奥のように一際赤く、野太い剣閃。


それは、姿も見えないほどの速さで駆け抜け、無数の斬撃を刹那に連ねたことによるもの。


"必殺"を幾重にも重ねた剣圧と灼熱は、それまでの"業"とは比較にもならない。


瞬時にして、黒い雪崩は灼光の炸裂に引き裂かれ、跡形なく消え去っていた。




「――――開口部の確保完了。

このまま進行し、首魁を叩く」




真護の言葉通り、ひしめいていたヒュドラの軍団は、もはや影1つ残さず討ち果たされていた。


だが、それだけの数を減らしたところで、まだ氷山の一角に過ぎないのだ。


それを知っている楓は淡々と言葉に応じ、ふと自身の長い髪を手漉する。


先程までポニーテールに束ねていた髪留め帯は、自らが発する超高電圧によって、とうに焼け落ちてしまっていた。




やがて、"奇界化"コンタミネーションの進行する"Buy-laS"を進む2人の前に、激しい侵蝕を受けた大空洞が広がった。


ほんの一時間前まで、ここが人で賑わう大規模な商業施設だったと、誰が信じるだろう?


おそらくは次元までも歪まされてしまった影響で、この異様な空間の規模と、実際の建物の大きさが一致していなかった。


「巣を貫く、巨大な縦穴・・・・これは相当マズいわね。

"女王"が成熟しきれば、巣の中でじっとなんてしていないわ」


「その為のさきがけだ。

大将首は俺が取る」


「・・・・で、あたしはさもしく”前菜”と”お片付け”ってワケ?

まったく、やっぱりこれって貸し一つ、だわね」


「量を言えば、十二分にあるだろう」


「ドカ食いだなんて、それこそ美容の大敵じゃないの。

・・・・まぁ、今回はおまけの”デザート君”がいるし、それを楽しみにしましょうか。

あ、変な意味じゃないわよ?」


「・・・・なんだろうが構わん。

戯けているより、動き続けろ」


「はいはい。

何事も、やったらやりっぱなしが一番良くないわよねっと」


軽口を言い終えるや否やに、2人の行く手は真っ二つに別れていた。


灼光をたなびかせながら縦穴を駆け上っていく真護に対し、楓の向かう先は奈落と言うに相応しい大穴の底。


雷電を瞬かせながら駆ける、その背を追う傀蟲、ヒュドラ・スケイルの一団がいた。


ただ巣穴の安全を保つべく、追いつけるかどうかも関係ない、身投げのような突撃を敢行する兵隊達。


あえて足取りを緩めた楓は、捨て置く訳にも行かない雑兵の一心不乱ぶりに、僅かに鼻を鳴らした。


次の瞬間それまでの進撃から軌道を変え、ふわりとして高い三角飛びで傀蟲達の頭上を取る。


そして、鋭い回し蹴りで3体纏めて叩き落とし、その反動で跳躍。


勢いのまま身を捻り、肉薄しようとする傀蟲達へ、長棍の連撃で以て突き落とす。


その時、他方から更に傀蟲の集団が迫り、楓は空中で交錯する。


しかし棍と足技の連携で苦もなくぶつかり合いをいなし、更にそれらを足場にまたも跳び上がる。


まるで飛燕のように俊敏で、力強い跳躍。


その先で、楓は迫ってくる壁面目掛けて電甲爪を突き立て、壁面に立ち止まっていた。


見下ろせば、直下に広がる穴はあまりに深く、目隠しでもしたのかと錯覚するほどに視界が黒く埋め尽くされる。


(この地獄を呼び込む元凶・・・・"サバト"の発動は、地下階と見られる。

中層域でこの有り様なら、中心地である地下階の変容は、どれほどに及ぶのかしらね。

もしも、空間だけでなく大気までも変質していたなら、まだまだ半人前な"彼"では危険でしょうね・・・・)


然り、この作戦は二重の意味でスピード勝負。


まずは、これ以上の状態悪化を防ぎ、そしてまた今後の作戦への悪影響をも防止するべく、速やかに事態の中心地に対処する必要があった。


失敗の許されない理由が、いくつも差し迫る。


その状況に、ふと楓は笑みを浮かばせていた。


緊張と重圧が胸を締め上げるほどに、身体が昂り、疼いてしまう。


理性的であろうとする"指揮官"の自分が竦み上がるほどに、窮地にあって昂る闘争心が、抑えようなく鬨を上げてしまう。


「危険な匂いって、嫌いじゃないのよね。

・・・・つい、酔い痴れてしまうわ」


微笑を浮かべて呟くと、無造作に棍を投げ捨てる。


空いた両手でしなやかに、清めの儀のように丁寧に、長い髪を髪留め帯で結わえる。


その所作を終えた楓は、途端に流星となって飛び出した。


投げ出した棍に瞬く間に追いつくや、不浄な異界の底へと飛び込んでいくのだった。




――――To be Continued.――――



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