2章 「対時」

#1 喚起の白霧




(僕は・・・・死んだ、のかな・・・・?)




ふと意識を取り戻した光弥は、自分がなんだかよく分からない状態にある事に気付く。


意識は、はっきりとしている。


だが、身体の感覚がまるで無い。


暑さ寒さはもちろん、全身に絶えず触れているはずの衣服や大気の感触すらもまるで感じられない。


混乱にガツンと思考を揺さぶられる。


この衝撃を切欠に、こうなる直前のことを思い出そうと試みるが、肝心の記憶はどうにもぼやけて上手く繋がらない始末。


結局、現状を変える算段は何も出来上がりそうになく、光弥は戸惑った時の癖で、後頭部に手を伸ばそうとした。


(なっ!?―――― )


そして、気付く。


自分が、"自分の腕"だと認識するものを、完全に見失っていることに。


仰天して視線を動かせど、まさに光弥の腕があるべきところには、そっくり何も無かった。


否、それどころか、慌てて自分の五体を検めようと藻掻いても、その眼に映るものは何も無い。


そもそもに、自分の意志と繋がって動かせるものが、何一つ残っていない。


影すら映らない、真っ白な濃霧が漂うのみだった。


光弥の違和感の正体はこれだったのだ。


(――――あぁ、こりゃいよいよ死んだか・・・・)


果たして、そこまで思い当たった光弥は、甚だしく冷静でいた。


何のことはない、ただの諦めの境地だった。


死んだら死んだで、それまで。


取り返しのつかないはずの事実にもかかわらず、光弥は驚くほどにあっさりとそれを受け止めてしまっていた。


ややあって、落ち着いたついでにあらためて辺りをよく見回してみることにする。


そういえば、身体は無くとも視覚は残っているらしい。


(本当に、真っ白だ)


当に、その場は見渡す限りの霧の海。


ほんの1m先もまるで見えないような濃霧に包まれていた。


前を見ても、後を見ても、左を、右を見ても、景色は変わらない。


どこもかしこも真っ白で、殺風景な事この上ない。


だが音は聞こえた。


水のせせらぎの音だった。


(・・・・そうか。

これが三途の川って奴かな・・・・)


今度は下を見てみると、そこはなめらかな表面の石畳の上であった。


「最近の三途の川原は、ちゃんと舗装されてるんだな」


どうでもいい事を喋れた。


どうやら口もちゃんとあるらしい。


「・・・・今更だけど、目と、耳もちゃんとあるんだな。

鼻とか舌はどうか知らないけど・・・・」


取り留めもない言葉を口にして、その内に光弥は億劫になって、思索を放り捨てていた。


今更どうでもいいや、という空虚な気持ちで、何もない白い空を仰いでみる。


本当に、此処には何も無かった。


物体というものが存在しない、無限に続く白い靄。


この殺風景が人生の終着地なのだとしたら、ここは死をテーマに描かれた絵画のようにそれをよく表している、と思えた。


(・・・・死んだらそれまで。

意外とあっさりしたもんだったな。

もっと痛いと思ってた。

走馬灯・・・・なんてのもなかったし)


自分の死んだ事について、死んだ後に考える。


冗談のようなこの現状に残されているのは、ただ虚無感のみだった。


実際にそうなった、という現実感も無ければ、悲壮感すらもまるでない。


眠っている間に、どこか知らないところへ連れてこられたような気分でしかなかった。


でも、こうなる前の記憶は、今やはっきりと戻ってきていた。


「・・・・・・・・・・」


光弥はとても大きなものを落とし、そして失った。


それは生きるものが決して失ってはならないもので、そしてやり直しも取り替えも効かないもの。


死者と生者を分かつもの。


その事実を前に、光弥の心はただただ空っぽだった。


ただ淡々と、死と言うものを"情報"として見ている自分がそこにいた。




「妙だな・・・・。

死ぬって・・・・こんなにあっさりしたものなのか・・・・」




光弥は虚ろに呟いていた。


悲しくは、なかった。


もっと生きたいとか、死にたくないとかも、ちっとも思い浮かばない。


自分の身に起こったことをそうとは捉えられず、すべて他人事のように考えてしまっている冷めた自分がいる。


「明慰ちゃんと遼哉君と・・・・大丈夫だったかな。

・・・・正木と香ちゃんにも、急に死ぬなんて、悪い事したかな・・・・」


<ヒュウ――――>


光弥の傍を、湿った風が音を立てて吹き抜けていく。


それを見えない"耳"で感じながら、光弥は思い返していた。


吹き抜け、儚くかき消えるこの風のように、一生と呼ぶにはあまりに短すぎた人生を。


「"こっち"に来てからもう八年か・・・・それでも、いろいろあったな」


この町で暮らした日々。


幼馴染みの2人と過ごした日々。


こうなってしまう1分1秒前まで、いずれもが光弥にとって大切な思い出だった。


同時に、光弥は甚く不思議だった。


言うまでもなく、光弥はもう二度と、あの場所には戻れない。


行く道は決定的に分かたれ、閉ざされた。


その事実を寂しく思う自分は、当然居る。


しかし・・・・それ以上に感じている、この満足感、解放感のようなものは一体なんだろう?


楽しいと、好きだと思える居場所を失っても、そう思える理由とは、何なのだろう?


(なにかが、違ってたんだ。

なにかが・・・足りてなかった・・・・?)




――――光弥が桜蔭館に住み始めたのは8年前からだった。


そこを取っ掛かりにすれば、後は簡単な話だった。


おそらく、考える、という言葉に見合わないほどすぐに、答えは現れた。


こんな簡単な事に気付けなかった自分が、甚だしく滑稽で、愚かしく思えるくらいに。


「・・・・何を寝ぼけてるんだ、僕は」


目を覚ました光弥の、その背負った"罪"の全体像を思い出すには、それこそ刹那も要らなかった。


その記憶は、幾時を経ても、残酷なほど鮮明だった。




―――― 近寄らないで・・・・化け物!! ――――


―――― 返してよ・・・・パパとママを返してぇっ!! ――――




おそらくは、二度と消える事なく光弥を苛むだろう、"悪夢"。


脳裏に爪を立て、痛烈に揺さぶるかのように響く、悲痛な声。


それもまた、8年もの時間を越えているとは思えない程に鮮明に鳴り響き、光弥の内側を突き刺した。




「――――こんな大事な事を置き去りにして、解放された、だって?

・・・・ふざけてる・・・・」




けども、あるいはそれが光弥の本音だったのかも知れない。


後悔して、重く受け止めている素振りを見せながら、いつしかそれにも慣れて、へと変わってしまっていたのだろうか。


幸福な毎日に甘え、背負った過去を蔑ろにしていた。


この、ようやく重荷を下ろしたような気分はその産物であり、また禍根でもあるのだろうか。




「・・・・だから、罰が当たった。

狡く逃げて、忘れようとして・・・・だから、天罰が下った。

・・・・それなら、それでもいいか」




これが、報いなのだ。


そんな諦めが、光弥を埋め尽くそうとしていた。


いつかはこうして、罰を受けねばならなかった。


心残りな事はある。


やらなければならないこともあった。


"彼女"にはまた、軽蔑されてしまうだろうか?


でもこれ以上は、どうすることも出来ない。


(死んだら、何もかもおしまい。

ホントその通りだ。

・・・・もう指一本も動かせない。

もう、どうすることも出来ない。

これが、"終わり"なんだ・・・・)


もはや、何も言うことは無い。


"彼女"にも、何も言えることは無い。


ただ偏に、光弥は罪人だった。


いつかは罰を受けねばならなかったのだから。




やがて、人としての執着を尽く諦めた、物寂しく凪いだ気持で、光弥は瞑目する。


本来目を塞ぐべき瞼は存在しなかったが、それでも視界から光は消え失せた。


人間、臨終の床に就くと気分が落ち着くというのはどうやら本当らしい。


このまま安らかに眠りにありつけそうな、それぐらいの平静だった。




(これで良い。

後は、静かに待つのみだ・・・・。

・・・・閻魔の裁きって、どんなだろうな。

舌を抜かれるって、やっぱ痛いんだろうな・・・・)




静寂の中で、光弥の意識は次第に削ぎ堕ち、単純なものになっていった。


無念。


僅かな恐れ。


悩みを振り切れる、という身勝手な想い。


それら全ては諦観に沈んでいく。


やがて光弥の自我もまた、その中で徐々に正体を無くしていく。




だが、それら全てが淀んで混ざる、その寸前だった。




< ゴオオオオッ!!!! >




唐突に聞こえた凄まじい風の音に、光弥の意識は覚醒させられていた。


「これは・・・・うわっ!!」


慌てて"眼"を見開き、辺りの状況を見て、また驚く。


いつの間にかこの霧の海は、台風もかくやというぐらいの凄まじい暴風に撒かれていた。


のたうち回る空気のうねりから、光弥は本能的に顔を逸らそうとしていた。


耳が壊れそうなほどに風が唸り、手当たり次第にかき回された霧に撒かれ、感覚が氾濫する。


もしも身体が残っていたら、一溜まりもなく吹き飛ばされていそうだった。




――――果たして、その嵐は長い間吹き荒れていたようにも、瞬く間に吹き去っていったようにも思えた。


しかし、それでもやがては、潮が引くように風は治まっていく。


唖然として光弥は辺りを見回してみた。


「・・・・あれだけの風の後でもまだ晴れないなんて、一体この霧はどれぐらい濃いんだろう?」


言葉通り、それでも辺りはまだ白い霧に包まれたままだった。


まるで白塗りの壁のように分厚い霧の壁は、手を伸ばせば触れられそうでさえある。


「・・・・ん?」


すると、前方10m程の所に、光る球が浮かんでいるのに光弥は気付く。


ぼんやりした燐光を放つそれは、まるで話に聞く人魂のよう。


光弥自身は見たことはなかったが、誰しもが思い描くだろうイメージの見た目だった。


乳白色に光り、しかもなんと、ゆらゆらと揺らめきながら段々と大きくなってくる。


その上、次第にそれはただの球体ではない、何かの形に変化しようとしていた。


「・・・・うへぇ・・・・いったいなんだこれ・・・・」


ぼんやり光り、うねうね動く。


本当に幽霊みたいで、何か薄気味悪かった。


刻々とその人魂は大きくなる。


しかも、ゆっくりとこちらに向かって来るではないか。


いよいよ光弥は気味が悪くなって、いったん距離を置こうとしてみる。


(・・・・あ、そっか、今もう歩けないんだった。

うっわ、ヤだなぁ――――)


だが、自分の足下近辺に視線を落として、光弥は嘆息した。


離れるも何も、そもそも足が無くて動くに動けずというので、話にならなかったのだった。


(――――どうせもう死んでるしなぁ、僕。

これ以上悪いことなんてありゃしないし、ここまで来たら、もう何でもありか)


と、どこまでいっても、光弥の性はやはり揺らがないようだった。


他にやりようの無いなら、と開き直ってしまえば、後は野となれ山となれ。


さっきは自分の死にすら直面したのだ。


ら今更取り乱す理由も無く、光弥はドッカと腰を据えて人魂らしき光球の様子を見守ることにする。


「・・・・よく見たらこの人魂、けっこう綺麗だなぁ・・・・」


いざ平静を取り戻し、目の前の光景を素直に受け止められるようになれば、かの光球の持つ、この世のものでない煌めきにも気付けていた。


辺りを漂う白霧を濃厚に押し固め、ライトアップしたかのように、光が金銀の粉塵のように渦巻く様は、さして芸術に造詣の無い光弥でさえ、思わず見とれてしまうほどだった。




―――― ヤ ――――




(・・・・?

今、なんか声が聞こえたような気が・・・・?)


困惑して光弥は辺りを見回してみるが、ただただ見渡す限りの白い世界が広がるのみ。


「・・・・確かに何か聞こえたと思ったんだけどな。

まぁ、ここっていわゆる三途の川みたいな所だろうし、他に誰かいたらそれはそれで怖いよな・・・・」


少しの自嘲を滲ませながら、呟く光弥。


小さな独り言も、この無音の境界ではやたらに響き、そしてやがてはどこへともなく消えてゆく。


周りの霧悔は、相変わらず何の姿も、物音もしない。


全く変化がないのだ。


唯一つ、前方の光球以外は。


(なんか、変な形になってきたな。

・・・・星、みたいな・・・・)


光球は今、光弥の3mほど手前に陣取り、ゆっくりと変形を進めていた。


てっぺんから瘤のように光が盛り上がり、そこから他に4つの瘤が等間隔に膨らみだして、確かに星形に近い形になっている。


その時だった。




< コウヤ >




光弥は驚きに目を見張っていた。


「・・・・今度こそは聞こえた」




<光弥>




間違いない。


この声は、自分を呼んでいる。


(でも、それなら誰が・・・・?)


光弥は辺りに目を配る。


それらしい人影は、無い。




<光弥>




「いったい、誰なんですか!?

いるなら出て来てくださいっ!!」


大声で呼んでみるが、返事はなく、姿もまた然り。


その時、ふと光弥はあるものに目を停める。


件の光球だが、しかし今やその形状は、原型を留めないほどに様変わりしつつあった。


頂点以外の膨らみは長く、長く伸び、下に向かって垂れ下がるようになっていた。


さながら、頂点の瘤を"頭"と見立てたならば、その下から横に張り出して伸びるのは一対の"腕"。


そして長く、逞しく下へと伸びて地面を突っ張るのは、一対の脚であるかのようだった。




「ひ、人・・・・?」


「光弥」




光弥の疑問に答えるように、"光球"が言葉を発していた。


真っ白なのっぺらぼうのままだが、それはもはや完全に人の形へ変わっていた。


だが、異様に大きい。


身長は3mほどに肥大し、しかもなぜかそのシルエットはひどく刺々しく、厳しげに角張っている。


そして、その声を聞いた光弥はなぜだか、懐かしさのような感覚を覚えていた。




「・・・・あんたは・・・・?」


その質問に、光のシルエットは答えなかった。


代わりに首を動かし、兜でも被っているかのように角ばっている頭部を仰ぎ見させた。


「 空に、妖星が昇る 」


「えっ?」


「 彼の地と繋がる"獣の眼"は、天に掛るる"女神の聖涙"を食い潰す。

そして、継承の子等の庭に、混沌のひかりを身に宿らす、"敵"を生み落とすだろう」


「は・・・・あの、一体、何を・・・・?」


「 なれど、邪なる獣心在るところ、それをはぶりし勇志の在るなり。

混沌の赫き眷属を追い、古の宿命を継ぎし者の顕れる。

これぞ、永代えいたいなる相克そうこくことわりなり 」


目を瞬かせ、困惑する光弥を意に介すことなく、光の巨影はまるで芝居の台詞のように淀み無く語り続ける。


「―――― 心せよ、日神 光弥。

汝、今代にて古の業と力を継ぎし者。

戦士となるべくして生まれ落ちし者よ。

定められた宿命が、果たされる刻が来た。

心せよ、刻は来たのだ 」


(・・・・心せよ、だって・・・・?)


思わず、光弥は眉を顰めさせていた。


「ようせい」だの、「女神のなんたら」だの、「こんとんのなんとか」だの、さっきからこの人影の言っている事は、さっぱり要領を得ない。


赤色の月はないこともないが、女神のセールイなんてもの、光弥は生憎と知らない。


やたらと古臭い言い回しを聞き取ると、まるで自分が戦士だなんて言われているようだが、はっきり言って全く縁遠い言葉だと思う。


第一、香にすらボコボコにされるような奴が、一体何と戦えるというのか。


(なんか、キツネかタヌキに化かされてるんじゃなかろうか・・・・?)


ついにはそんな事まで考え出してしまう始末。


だが、あたかもそんな弛んだ感情を見切ったように、巨影は鋭く言い放った。


「 覚悟を決めよ、日神光弥 」


「!!」


「 然る後、戦士の試練が・・・・定められた闘いが、起るだろう。

避ける道は無い。

逃げ場は存在しない。

立ち向かうのだ。

力を持ちて、現実と戦え。

雄志を抱きて、真実と対峙せよ」


有無を言わせぬ強い口調で、人影は言い放った。


「 闘え、日神 光弥 」




「――――ちょっと待ってよ!!」


呆然となっていた光弥だったが、やがて我に帰るや、幾分怒気を込めた声で言い返す。


勝手にまくし立てる相手に、さしもの光弥もむっときたのだ。


「さっきから勝手に話しているけど・・・・悪いけど、心当たりがさっぱり無いんだ。

僕に闘いなんてする必要もないし、そもそも・・・・もう出来やしない。

それに、まず此処は一体何処で、貴方は誰なんですか?

人の話を聞かないで、自分ばかり言いたい放題なんて、話がおかしいじゃないですか!!」


そう勢い込んで、光弥は一歩、


「なっ・・・・!?

あ、足が!!??」


否、足だけではなかった。


光弥の体は、まだ半分透けているが少しずつ元に戻りつつあった。


驚いて、光弥は思わず全身をぺたぺたと触って確かめる。


「――――時間がないのだ」


突然に、それまでと全く違う"声"が聞こえた事に、光弥は顔を上げ、そして"目"を見開く。


僅か瞬き一つばかりの間に、光弥の眼前には、これまで以上にこの世ならざる光景が広がっていた。


眼前に、光を放つ巨影がそびえ立つのは変わらず。


だが、ふと気付けばその奥に、光を放つ人影達が無数に佇んでいたのだ。


果たして、白い一色の霧の海は、その燐光に蒼白く照らされ、今や光耀として輝いている。


”彼ら”の数はざっと百人以上はいるだろう。


男性、女性、老いも若きも、おそらくは様々な人影があった。


「君はもう逃げられない。

その意思とは関係なく」


が導く。

それでも覚悟が必要なの・・・・」


人影達は、真摯な声色で光弥に語りかける。


ここはいわゆる三途の川で、それなら彼らは、人の魂なのか。


しかしどうして彼らは一様に光弥を見詰め、案ずるような言葉を投げかけるのだろう?


一体、光弥とどんな関係があるのか。


そして一様に云う"戦いと覚悟"とは、一体何なのか?


「汝は知り、そして備えなければならない。

"レクリス"との戦いに。

・・・・汝の"師"が遺した力を使うのだ。

それが勝利を得る、唯一の方法」


「契を示し、その身をよろえ。

大いなる力、"オーディフィード"が、君に加護を授けるだろう――――」


「ちょ、っと、待ってよ!!

どういう事なんだ!?

全然意味が分からな・・・・うわっ!!」




再びあの凄まじい風が、今度は光弥の体に直接吹き付けた。


それと共に、辺りの霧が今度は急速に無くなっていく。


そして、人影達も背を向けて、一緒に消えようとしていた。


もうはっきりと形を成している腕を伸ばし、光弥は叫ぶ。


猛風に耐え、人影達を追って必死に走り出す。




「真っ直ぐに、ひたむきに・・・・なぜならお主は・・・・そのために――――」




しかし、現れた時と同じように唐突に人影は消え去り、霧の世界は白い眩さに包まれて、霞んでいったのだった。




――――To be Continued.――――



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