第58話 常在戦場 日だまりに揺れる風船

2024/12/11 えな


!!


休日で寝ぼけた僕の中に衝撃が駆け抜けました。

拝見した写真からは、絶対に逃してはいけないような美女が、僕の好みの二重をほころばせてラウンジで微笑んでいます。

いざ、鎌倉の精神を忘れていた自分を恥じるしかありません。

もうすでに受付を開始しています。

あと何枠残っているのでしょうか。


出足で遅れを取った不覚を挽回するべく、シャワーを浴びて髭を剃ります。

体験入店をした女の子を目指して、大宮の街へと続く僕の鎌倉街道を単騎でひた走ります。


15時10分。

計算すると、ここが最終枠になるかもしれません。

今日だけは、何としても取りたい!

なぜならば、年齢の記載はともかく、先ほども申し上げた通り、ものすごく好みなのです。

15時10分を目指して駐車場に突っ込み、老体にムチを打って細い小道を全力で走り抜けます。


「受付はまだですか?」

息を切らす僕に、お気に入りの受付の女の子が声をかけてくれます。

待っているお客さんはいないようです。

そして、パネルの中にはモザイクなしの彼女が、カフェで僕の来るのを笑顔で待っていてくれました。

この写真は、驚くほどに想像していた僕のイメージ通りでした。

もしかしたら、かつて僕が出会ったことがある女の子なのではないでしょうか。


受付を終え、お手洗いを借りて待合室に戻ると、お客さんが二人も入っていました。

もう数分遅れていたならば、すでに男の合戦は終わっていたことでしょう。

争奪戦の勝利者である僕は、意気揚々と外出し、待ち時間を最愛の女の子に出会える期待に酔いしれることができます。


エクボがチャームポイントとあります。

まさに天使です。


セットしたタイマーが鳴り、彼女のチェックをしながらお店に戻ります。

お店の中は戦士たちで溢れています。

エレベーターのお見送りは、お気に入りの女の子だと喜んでいたのですが、手間取る武士のおかげで残念ながら男性店員さんのお見送りとなります。

決戦の扉が開くと、ちょこんと、もじもじとしながら、エナちゃんが待っていてくれました。


「今日から、初めてなので・・・。」

もじもじとする初々しいエナちゃんにハグをさせて頂きます。

お部屋に案内をして頂くと、上がり框にも上がらずにもじもじとするエナちゃんを、お部屋の中に引き入れます。

「私・・・、今日からなので、至らない点ももあるかと思うのですが・・・。」

素であるのか、演技であるのか分かりませんが、これは新婚初夜のような初々しさです。


柔らかい口唇を頂いて、ふんわりとしたお尻に僕の手を添えながら座っていただきます。

柔らかな質感が僕の手のひらに、ふんわりと形を変えながら優しい力をかけてきてくれます。

ハグの時に確認した通り、極上の質感です。

彼女は恥ずかしそうに僕を見つめます。

跪いた僕の目の前に広がる太ももも、夢のような質感を与えてくれます。


「脱がせても・・・?」

僕の問いかけに恥ずかしそうにうなずいた彼女のランジェリーを、顔の前まで脱がせて無防備な身体を楽しみます。

はだけた彼女の素肌を覆う下着を取り去ると、魅力的な裸体が僕の前に惜しげもなく広がっています。


「うふふ・・・。」

「うふふ。そんなに笑わせないでよ。」

僕が彼女を楽しむたびに、何かが彼女のツボにはまっているようです。

たぶん気を使ってくれているのでしょう。


「もう時間がなくなっちゃうよ。」

ゆっくり、ゆっくりと話すおっとりとしたエナちゃんが、少し慌ててゆったりとシャワーに誘ってくれます。

「あ・・・っ。うふふ。」

うがいのコップを忘れてはにかむ姿のなんと可愛いことでしょうか。


「うふふ。ありがとう。」

うがいをしただけで僕にお礼を言って体を洗ってくれます。

お部屋に戻ってイチャイチャと彼女に用意をしてもらいます。


「あれ〜? 」

どうやら逆さまのようです。


「あれ〜? 私、つけたことないから・・・。」

再び逆さまに用意をした舌足らずなえなちゃんが、恥ずかしそうに首をひねります。

「ねぇ、これつけて。」

すっかり諦めたエナちゃんが、用意をするところをじっくりと見つめています。


「すご〜い。」

お褒めの言葉を頂いてエナちゃんが舞い降りてきてくれます。


「?あれ〜? 抜けちゃった。」

きっと二人の姿勢が逆だったのです。

態勢を入れ替えた正しい使用方法をすると、僕のことを全身を使って引き寄せてくれます。

エナちゃんが紡ぎだす快楽と共に、僕はあっという間に最後を迎えていきます。


「え〜っ、きゃはは。もうっ、笑わせないでよ〜。」

最後を迎えた僕を見つめて可愛らしく、キャッキャと笑ってくれます。

事後のシャワーでも恥じらいを忘れない女の子のままで、僕を楽しませてくれます。

すっかり骨抜きにされた僕は、彼女の虜です。

この初々しい彼女の姿を、この目に焼き付けることができたのは、戦場であるこの場所に駆けつけることができたおかげです。


今日は実に危ないところでした。

武士は常に戦場に心を置くことを意識し、常に冷静に戦いに挑む覚悟をする必要があります。

今日の対戦を経て、僕は甘かった自分の心を鍛え直す覚悟です。


初夏の木漏れ日の中で、柔らかい風に揺られてふわふわと浮かんでは止まる風船。

そのような穏やかな彼女とならば・・・。

お顔よりも、あまりにも理想的な性格に、不覚にも図々しい未来を夢見てしまいました。

僕の夢は、舞い上がった風船を捕まえるよりも難しいと思いますので、再度お伺いさせてください。



また遊んでね。

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