第41話 メビウスの贈り物

もてない僕が迷い込んだ強面の闊歩する恐ろしい世界。

時代は流れクリーンに生まれ変わったこの街には、綺麗な女性がひしめいています。

お金を払わなければ目も合わせてもらえませんが、それさえ払えば全ての夢が叶います。

遠い異世界に行かなくても、現実世界にもこんな夢の様な街が存在します。

ドラクエでパフパフしまくった方も多いと思います。あの勇者ばかりにいい思いはさせられません‼️

今度の冒険では、あなた自身でパフパフを体感いたしましょう!

必要なのは、生活を切り詰めたゴールドとほんの少しの勇気です。

今は現代、病を恐れる事なかれ!

まずは生活を改めよ。無駄を省くのです!

聖剣と聖水を駆使し全ての姫達を救うのです。


さぁ勇者よ、いざ街に繰り出さん!



2023/12/18 まゆう メビウスの贈り物


音信が途絶えて3ヶ月になります。

前回もそうでした。あの日から1年。

ようやく再開を果たせた女の子は、僕の前から再び姿を消そうとしています。

追いかければ逃げていく蜃気楼のように、僕の前から見えなくなってしまいます。

大好きなだけに寂しい想いが込み上げてきます。

そんな中で、ついに女の子から出勤するという日記が上がりました。

長い旅路を経て、霞の向こうにあの輝きを見つけました。


予約をするにはまだ日程が早すぎるご案内になります。

毎日チェックをしていると、12/12の朝6:31に女の子からキテネ!のサインをいただきました。

すぐにチェックすると、予約の欄に出勤情報がアップされていました。

眠気も吹き飛ぶほど慌てて予約を入れます。

無事に予約が完了してホッとします。


外は寒いですが、初夏のようにポカポカとした気分です。

マユウちゃんの出勤情報が上がってからは、どんなに魅力的な女性でも心は動きません。

多分僕は、浮気をしない一途なタイプなのだと思います。

僕は、信用に値するオトコなのです。


クリスマスイベントでは、制服以外のコスプレもあるようです。

せっかくなのでクリスマスのデコレーションでお願いしてみようと思います。

予約してから一週間。

ようやく僕が求めてやまない女の子と対面する事ができます。

新しいパンツと新しいシャツを身にまとい訪問をさせて頂きます。

一時間前に確認の電話をしましたが、すでにお店の眼の前です。

興奮して随分早く到着してしまいました。

専用の駐車場があるのは、安月給の僕には非常に助かります。


お店は改装中のようです。

隣の姉妹店も新しくしたばかりですので、勢いのある企業です。

活気のあるお店には、入ると運気が上がっていくような気がします。


マユウちゃんのクリスマスコスプレ衣装に合わせて、僕もちょっとしたサプライズを用意しました。

これには、自分に打ち勝つ勇気が必要になります。

順番に呼ばれて、これからが本番です。

店員さんの苦笑に負けている場合ではないのです。

エレベーターの中にいるであろうマユウちゃんに、八百屋のように鼻にかかった声をかけます。

「メリー、メリ、クリスマス!」

マユウちゃんは僕の姿を見て、「うわー、びっくりした。」と言ってくれますが、

素の表情で苦笑いです。

残念ながら作戦は失敗ですが、僕のことを思い出していただけましたでしょうか?


かわいいサンタさんとイチャイチャしながらお部屋に案内をして頂きます。

お部屋に入ってサプライズの第二弾です。

帽子の中からプレゼントを取り出します。

キラキラとした表情で喜んでくれるマユウちゃんの、白い歯と大きな瞳がうれしいです。

「開けていい? 開けていい?」と子供のように僕に笑いかけてくれます。

「なにこれ?びっくり箱?」

想像していた以上に興味を持ってもらえました。

マユウちゃんは、丁寧に包装紙を剥がします。

箱を開けたマユウちゃんが「ギャーッ」と叫び声を上げます。

サプライズの第三弾、びっくり箱です。

よく分かりましたね。


マユウちゃんの新鮮な表情を、三種類も拝見させていただきました。

お休み中に、なにかあったのだろうとは思いますが、いろいろと吹き飛びましたか?

僕は何故だか、この子を驚かせたい気持ちが強いのかもしれません。


さあ、お遊びはおしまいです。

マユウちゃんは前回と同じように、ふわふわの泡で洗ってくれます。

少しひんやりとした浴室で、マユウちゃんは僕が寒くないように気を使って洗ってくれます。

この心遣いが嬉しいのです。

湯船の中で憧れのマユウちゃんと一緒に楽しみます。

うなじから漂う香気を、恥ずかしがる表情と一緒に堪能します。


お部屋に戻ってマユウちゃんを横にします。

ツルツルの素肌から続くルビーのような魅力的な華が、僕の動きに合わせて、少しづつ蕾を膨らませているようにみえます。

上目で見れば、色っぽい表情で脳幹をとろかす唄を歌っています。

この魅惑のチャームにあらがう術はありません。


ミツバチは、ほころびかけた花に甘い蜜を求めているのです。

マユウちゃんを引き寄せて、首筋に頬を寄せます。

耳の後ろにある、マユウちゃんのフェロモンの香りをむさぼります。


目と、耳と、鼻と、口で、そして、マユウちゃんの全身の感覚が僕を貫いていきます。

この子と混ざり合いたい。

もっと奥へ、、、。

憧れの女性に一番届けたいプレゼントは、女性まで届かずに僕の気持ちとともに大きな袋に詰められていきます。


マユウちゃんのお陰で、一足先にクリスマス気分を味わうことが出来ました。

まだまだ先ですが、この先なんの予定もない僕には、今日こそがクリスマスなのです。

マユウちゃんにお会いできた事が、サンタさんからの贈り物なのです。


一日後の次は一年後、そして今日出会えたのは三ヶ月後でした。

次はいつお会いする事が出来るのでしょうか。

出会えている事実はあるのです。

決して交わらないリングの上下にいる訳ではありません。

出会える距離は長くかかりますが、メビウスの輪の上に僕たちは住んでいるのでしょう。

僕が走ればいつかまた、追いつくことが出来るはずです。


決して輝きを失わないでください。

優しい輝きを目指して追いかけていきます。



きっとまた、どこかで・・・





たいして面白くもないレポートですが、僕の風俗訪問の思い出です。

お読み頂きまして有難うございます。

一話で1レポートですが、別案件も読んでもらえると嬉しいです。


全話読破で立派なラバラーに認定します。

自己満足ですので、厳しくしないでね♥️


口コミサイトで非掲載が多いので、思い出を残す為に投稿しました。


現場調査費用を稼ぎた~い!

ポッチッとしてね。

( `・∀・´)ノ ヨロタノー (女の子の真似)


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