第31話 雨に唄えば

もてない僕が迷い込んだ強面の闊歩する恐ろしい世界。

時代は流れクリーンに生まれ変わったこの街には、綺麗な女性がひしめいています。


お金を払わなければ目も合わせてもらえませんが、それさえ払えば全ての夢が叶います。

遠い異世界に行かなくても、現実世界にもこんな夢の様な街が存在します。

ドラクエでパフパフしまくった方も多いと思います。あの勇者ばかりにいい思いはさせられません‼️


今度の冒険では、あなた自身でパフパフを体感いたしましょう!

必要なのは、生活を切り詰めたゴールドとほんの少しの勇気です。


今は現代、病を恐れる事なかれ!

まずは生活を改めよ。無駄を省くのです!

聖剣と聖水を駆使し全ての姫達を救うのです。


さぁ勇者よ、いざ街に繰り出さん!





2024/2/19 えま 雨に唄えば


『卒業します。』

衝撃の告白を受けてから僕の心にフッと入ってきた曲があります。

時間だけど抱き合う僕らを今だけは見逃して欲しい

たまたま聞いていたのですが、僕の心に寄り添うようにじんわりと沁みてきます。

今の心情をまさに描いているように感じてしまいます。


他の方と自分を比べた時から住む世界の違いに愕然とし、SNSに返信を頂くことも申し訳なくなってしまいました。

すっかりご無沙汰になってしまいましたが、もうそんな事を考えている場合ではありません。

僕の湧き上がる気持ちは、すべてあの人に向かって流れているのです。

もう一度だけあの温もりに触れたいのです。


プレゼントを用意しました。

高価なものは無理ですが、あの子が驚いてちょっと笑ってくれればそれでいいのです。

時間になってエレベーターの中で懐かしいエマちゃんがにこやかに手を振ってくれます。

早速エマちゃんにハグをしようと思いましたが、大きなプレゼントが邪魔でハグをする事が出来ません。

しかもエマちゃんは袋に興味を示してしまい、僕に対する興味は半減以下です。

腹のたつプレゼントです。

お部屋に案内して頂いて、プレゼントを試してもらいます。

もっと、キャーッとなる予定でしたが現実はこんなものです。

エマちゃんは写真を撮ってから子供のように喜んで袋を開け始めます。

メイン以外は残念ながら、つめもののお菓子を入れただけです。

もっと良いものは入ってないんですよ。


久しぶりにエマちゃんと会えましたが、何から話してよいか分かりません。

「好きな人ができたら辞めちゃうよ。」以前に話したことがあります。

だから、それは聞けませんでした。

魅力の頂点にある女性です。いつその時がきても何の違和感もありません。


「やめちゃうの?」

エマちゃんは僕を見つめながら正直に答えてくれます。


やはり、もう僕の手の届かない所に旅立ってしまうようです。

それぞれに個々の夢があります。


名残を惜しむようにエマちゃんを引き寄せます。

アイドルのような衣装の後ろのボタンを外します。


「もっとよく見て!今日の下着はお気に入りなんだ」

エマちゃんは僕の前でポーズをとってくれます。


いよいよ懐かしい小ぶりなお胸が現れます。

整えられた下半身が、僕へ魅力を振りまいてきます。

見納めだと思うと、この美しさが寂しくもあります。


一緒にお風呂に入って混浴を楽しみます。

エマちゃんは、可愛いお顔を近づけて僕にキスをしてくれます。

柔らかい口唇と、なめらかな動きが僕を蕩ろかしていきます。

愛おしさが込み上げてきます。


エマちゃんは夢中で求める僕を離して、僕の腰を浮かせます。

先程キスをしていた口唇が僕を捉えます。

充実した入浴タイムです。


「あっ・・・うんっ」

エマちゃんは浮かせた僕に新しい感覚を植え付けてきます。

エマちゃんはイタズラっぽく笑います。

「ほら、ここだけネイルつけて無いんだよ。」


今ここで・・・、このひとなら・・・。

期待と不安が入り混じります。

ドキドキとする僕をもて遊ぶように、エマちゃんは楽しんでいます。

結局、僕の初めての人ではなかったのですが、焦らされる女の子の気持ちが少し解ったような気がします。


お部屋に戻ってエマちゃんに潜り込んで楽しみます。

みだらな歌声が僕をゾーンへと導いてくれます。

「動かないで」

僕を組み敷いたエマちゃんが揺れています。

浴室の明かりを背中に受けたエマちゃんが、ダンスホールで踊る蝶に見えます。


「〇〇しよう!」

積極的に僕をエスコートしてくれます。

そして〇△です。

エマちゃんの頬にかかる髪の毛をそっとよけます。

ふっくらとしたエマちゃんの頬を、僕の頬に押し当てます。


求めて、挫折して、諦めて

それでも大好きな僕の女神様です。

最後の思いを果たすようにエマちゃんに寄り添います。


事後のシャワーを浴びて、いつものようにエマちゃんは賢者の表情を見せてくれます。

もう、その恥ずかしい姿を見ることも出来なくなってしまいます。


お互いにゆっくりと服を着ていきます。

アイドルのような衣装の後ろでしめられたボタンを外す手段を、僕はもう持ち合わせてはいません。

夢の中の出来事に、幕が下ろされようとしています。


あの歌のように、時間だけど離れられないということもありません。

最後の時は、このような感じになるのですね。



お店を出て振り返ります。

豪華なお店に水色の看板が輝いています。

知り合うきっかけになった小鳥のSNSと同じ色です。

僕の中ではエマちゃんの色です。

いつか広いお部屋で、トルコ石のような綺麗な下着姿で、くるくると踊っていたエマちゃんのことが思い出されます。

帰りの車内では、時折ザッと降る雨が僕にリズムをあたえてくれます。


♪ は〜るの日・・・ ♬

悲しいメロディと共にあの曲が流れます。


僕はステレオを止めて、踊るように車に当たる雨の音に耳を傾けます。

僕は、雨音に合わせて自然と口ずさみます。


♫ シギ〜ン♪ シギ〜ン♪ インザ、レイン〜♬

映画の中の軽やかな楽器のリズムもおりてきます。

車窓の向こうに、新しい未来が広がっていくように見えます。



卒業させてもらったのは、僕の方だったのかもしれません。


今までありがとう。

お互いに頑張りましょう。


じゃあね。





たいして面白くもないレポートですが、僕の風俗訪問の思い出です。

お読み頂きまして有難うございます。

一話で1レポートですが、別案件も読んでもらえると嬉しいです。


全話読破で立派なラバラーに認定します。

自己満足ですので、厳しくしないでね♥️


口コミサイトで非掲載が多いので、思い出を残す為に投稿しました。


現場調査費用を稼ぎた~い!

ポッチッとしてね。

( `・∀・´)ノ ヨロタノー (女の子の真似)

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