第11話 ぎこちないデート①

〜お知らせ〜

受験勉強が間に合いそうにないので次回の投稿は来年の2月とします。よろしくお願いします。


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太陽は夜遅くまで起きてデートのプランを考えていたので少し寝不足だが、結局は何も思いつかなかった。


だが、それと同時に太陽は凛と遊ぶことを心待ちにしていたので、機嫌が良くないかと言われると、全くそんなことはない。


そんな感じで太陽は、最寄にあるショッピングモールで凛と合流した。


「あ、太陽」

「もしかして待たせちゃった?」

「ううん、今来たとこ」

「そっか」


太陽は男として先に合流地点で待機して凛をエスコートするつもりだったので、少し家を出るのが遅れてしまったことを心の中で悔やむ。


「あの、この服装変かな」


凛は少し照れながら、自分の服装について感想を求めた。


凛の服装は、白いボリュームスリーブブラウスに黒のスラックス。スタイルのいい凛によく似合うコーデだ。


いきなり感想を求められた太陽だが、凛と目を合わせるどころか、あまり凛を直視することすら出来なかった。


(普段の橋岡さんと比べて一段と…)


「……どうしたの、急に黙り込んじゃって」


学校で見る凛とは違うベクトルの華麗さに呆気を取られた太陽に対し凛は不安を覚えた。が、ただ黙っているわけにもいかないと思った太陽は正直な感想を述べた。


「橋岡さんはやっぱ……おしゃれだよね」

「えへへ、そうかな」


凛は嬉しそうに笑みを浮かべるが、それとは反対に太陽はまるでテストの点数が悪いかのように、ばつの悪そうな顔をする。


ただ最近仲良くなっただけの関係とはいえ、自分が橋岡の隣を歩いてもいいのだろうか。


周りからは「なんであんな地味なやつが一緒に歩いてるんだ」とか思われないだろうか。


まるでコップから水が溢れそうな勢いのように、太陽の胸の内は不安でいっぱいだった。


そんな、よそよそしそうな太陽を見て凛は口を開いた。


「おしゃれって言ってくれるんだったらもっとちゃんと見てくれてもいいのに」

「だって、俺が橋岡さんと並んで歩いてていいのかなって」

「ダメなわけないでしょ」

「‥…」


凛は頬を膨らませながらムッとした。せっかく凛から遊びに誘ったのに、相変わらず太陽はひねくれているところがある。


太陽も太陽で、そんな自分が情けないと感じている。せっかく好葉に洋服を選んでもらったりしたのに、結局自分自身に対する自信の無さはさほど変わっているようには感じられない。


それに、未だに下の名前で呼ぶことも躊躇ってしまっている。凛は勇気を出して太陽のことを名前呼びしているというのに。


そこで、凛が話を切り出す。


「それはいいんだけどさ。太陽、今お腹空いてる?」

「少し空いてるかも」


昨日、寝る前に凛は太陽に『朝ご飯は軽く済ませてほしい!』とメールを送っていたので、太陽は言われた通り朝ご飯は軽く済ませている。


「じゃあ、甘いものは好き?」

「甘いものは結構好きだけど」

「なら平気だね」


太陽がそのまま凛に着いていくと、最近テレビやネット記事で話題になっているパンケーキ屋の前に着いた。


「ここ、前に友達に勧められてたから気になってたんだ〜」

「いいね、俺もここ聞いたことある」

「じゃ、入ろっか」


早速店に入り、メニュー表を見る。太陽は友人があまりいないため、普段はこういう店には入らない。そのため、内心ではパンケーキを食べるのがすごく楽しみだ。

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