第27話 宿場町


 鑑定(極)が取得できたおかげでいろんなものが見えて来た。名前 年齢 性別などのステータスから物の良し悪しもわかるようになった。


 こりゃこれでええんじゃが、掘り出し物が欲しくてたまらないのぉ。


 雑貨屋や露店を回っていいのを根こそぎ買ってしまう。

 夜の方も性感帯などが見れるようになったおかげで絶好調だ。

「ありゃ?ワシは何をしてたんじゃったっけ」

 気づけば三ヶ月近く王都にいた。

「こりゃ行かんのう、長くい過ぎたワイ」

「あはは、ヤオキもボケるにはやいよ」

「そんなこと言うもんじゃありませんよダイヤ」

「いやワシがボケとったわ!さっさと旅を再開せねばのぅ」

 王都から南に周り一周してくる感じでええかの。

 ウェルザリア王国に対してザリア帝国が若干不安なのはワシだけじゃろか?

 まぁ次の街へ行こうかのぉ。


 三ヶ月もおった王都を離れる流石に名残惜しいのぉ。


「いいアイテムは見つかりましたか?」

「おぉ、それがのぉ、あんまりじゃったんじゃよ」

「そうですか、それは残念」

 あれから探しておったがあまりいい物に出会えなかった。


 まぁ、まあまあのはあったんじゃが使い道がのぉ。

「ヤオキー!モンスター」

「はいよー!」

 馬車から出るとウルフ系のモンスターに囲まれておる。

 気合いを入れて斬っていく。

 ダイヤ達も戦っている。

 頭と思われるモンスター以外は斬ってしまった。

「ガルルルルル」

「なんじゃ!まだやるのか!」

「ガオォ!」

 月光で斬って捨てる。

 よし大丈夫じゃな。

 回収してから次の街を目指す。


 マリンも槍を教えんといかんのぅ。

 それからは順調に次の街まで着いたので、此処で宿を取る。

 裏庭で槍を教えるがあまりいいとは言えない。

「魔法なら使えますよ?」

「本当か!なら早く言ってくれ」

「すいません」

「でも自衛で短剣くらいは扱えるようにならねばな」

「はい!」

 槍は早々に諦めて短剣の練習をする。

「まぁこれくらいできればいいじゃろ」

「はぁはぁはい!」

 宿で飯でも食うかと中に入ってみるとなぜか三人とも寝ている。


 女将が出てくると、

「くそっ!まだ早かったようだね」

「ほうか?万事オッケーなんじゃないか?」

「出てこい!こいつらを始末するんだよ!」

 女将が叫ぶと二階から男達が降りてくる。

「あ?またかよ!先に全員来てからだしゃいいのによ!」

「ったく!使えねぇ!」

 男どもがゾロゾロと出てきた。

「へぇ、上玉じゃねーか!高く売れるぜ」

「此処はただの宿じゃなかったようじゃな」

 ワシは刀を抜くと男たちも剣を抜く。

「こんな狭いところじゃ夜桜がちょうどいいのう」

 走り出して男達の首を斬っていく。

「くっこの!」

 男が近づこうとしたようだがマリンに牽制され足を止める。

「ナイスじゃマリン」

 後ろから首を斬り捨てる。

「さあて、男どもがこのザマじゃが?」

「わ、私は言われた通りにしていただけだよ」

「なら死ぬか?アジトはどこじゃ?」

「ひぃ!この二階の奥に」

「マリン逃げ出すようなら殺してかまわぬからな」

「はい!」


 二階に上がり奥に進むと立ち入り禁止の文字が書かれていた。

“ドン”

 とドアを蹴破り中にいた何人かにあたったようじゃ。

「さて悪党どもは死んでもらおうかのぉ」

「なんでてめぇは?やっちまえ!」

「さてお前らにやられるようなワシじゃない!」

 月光を振り回して男達を斬ると、最後に残った悪党に聞くことがある。

「こんなことしてなにをしてたんだ?」

「ザリア帝国に奴隷を…」

「ほう、その奴隷達は今どこにいる?」

「此処にはもういない!昨日出荷したばかりだから!」

「あははは出荷とはおもしろいのぉ!人間じゃぞ!」

「あんたも大概いかれてるよ」

「お前らほどじゃないがな!」

 男の首を斬り、中の目ぼしいものを探していく。すると帳簿のようなものを見つけ結構金を溜め込んでるようじゃった。

 頭と身分証をアイテムボックスにいれて別の部屋に向かうと金貨がだいぶ貯まっておったのでそれをもらう。

 下に行くと女将は死んでいた。

「難儀なことをさせたのぉ」

「いえ!それより捕まってた人は?」

「まだ遠くにはいってないじゃろ」

「追いますか?」

「そうするとしようかのぉ」

 三人を起こしてみるが強い催眠作用のある薬らしいので起きない。

 三人を担いで宿にあずけたルナを引き取るとマリンが御者をして俺が隣に座る。


 途中休憩を挟みながら馬を走らせるとちょうど野宿をしている団体がいた。

「のう。お前らが奴隷商か?」

 一気に殺気立つ男達、当たりじゃな!

「さてひと暴れするからルナとマリンは遠くに行きなさい」

「はい」

 左手に夜桜、右手に月光を持って、

「参る」

「ウオオォ!」

 結構やるようじゃが切られて倒れるのが早いのぅ、死んだふりか!

 腕を切り捨てるとのたうち回る。

 男達は四人で行動してたらしく一人はマリンの方に走っていくがマリンから炎魔法が飛んできて当たり燃えている。残り二人。

「すいませんでした!」

「この人達に脅されて!」

「て、てめぇ見捨てるつもりかよ!」

 腕を切られた男がそう叫ぶ!

「元よりお前たちは許さないからな」

「ち、ちくしょう!」

「ウオオォ!」

「地獄に落ちるのじゃな」

 二人を斬り捨てると腕の切れたやつの首を斬る。

 火だるまになった男はもう息絶えている。

 首と冒険者証、一人は商業ギルド証じゃった。あと鍵を見つけると馬車の中の人達を外に出してやる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る