第10話 王城


 どの街も多くの奴隷で溢れていた。

 中王国とはこんなにも奴隷が必要なのか?

「なんか情けない国じゃのぉ」

 歩いて街を渡って行く。

 宿さえやってないところがある。

 そんな時は野宿をするが野党かと思うほどに人が集まるが無視を決め込んだ。


 こりゃ早めに都市につかないとと走り出したが都市に近づくにつれ廃れて行く。

 中王国は何がしたいんじゃ?

 戦争どころではないだろうに!


 ようやく王都にたどり着いた頃には疲労がピークだったので野宿をする。結界を張ってあるので悪いある者は近づくことすらできない。

 が、朝食べようと思って取っておいたものを子供達にがっつり食べられてしまった。

 もう悪意すら残ってないのかもしれない。


 そんな都市に来たがやたらとでかい建物がある。食べ物を握らせ聞くとジグラートと呼ばれる塔だそうだ。

 ドラゴンにもらったネックレスは光り輝いている。ここに呪いの犯人がいるらしい。


 光が一層強くなったのでここらで聞き込みをすると、娘が出てきた。石の首輪をはめて石の首輪を作っているようだった。俺と同じで呪いの傷跡が刻まれている。


 これじゃ喋れないので首輪を赤い石ごと斬ったら死神は出てこなかった。

「はぁ、はぁ、はぁ、」

「無理もないか、自動で作らされていたんだからな」

 後ろから影が落ち俺に攻撃してくるがそいつにも石の首輪が…俺は赤い石ごと斬った。

 そうすると膝を突いてはぁはぁと荒く息をしている。

「私は何てものを」

「違う!姉ちゃんはあいつらに!」

「詳しく話を聞こうではないか」

 中王軍は奴属の石を作らせるために姉に奴属の首輪をつけた後さらに弟にも同じようにつけ妹を守らせていた。

 もうすぐ取りにくるはずという事で待たせてもらった。

「おーい!クソ野郎ども石の首輪を取りに来たぜ!」

 荷馬車に乗っな軽薄そうな男だ。

「おい!行き先を答えろ出なければ死ね」

「こ、答える答える!国のお偉いさんに届けるためだけにここに取りに来たんだから」

「ウソではないな!ではそのお偉いさんと会う場所まで連れて行ってもらおうか!」

「わっかりました!って言うと思ったか?」

「こいつ自分から死におった」

 死体から探すと地図が出てきた。

 こいつはこいつで戦っておったのじゃな!

 地図の場所にあいつの格好で行くとすぐにバレて剣が突き刺さる。

「バレバレなんだよ!」

「そうか?こんだけ近寄っても斬ってないのにか?」

 ワシは今相手の目の前にいる。御者はダミーだ。

「ッ!」

 と後ろに下がるこいつを逃すわけには行かんこいつのいく手を塞いでいく。

「俺が誰だか分かってんのか?」

「知らんが小悪党なのは間違いないな」

「俺の親父はここの王様だぜ!まぁ、いまでは奴隷だけどな」

「ならお前を殺せばいいな!」

「そんなことできるわけないっしょ!この小僧が!」

 剣を抜き放った手を斬ってやる。


「いでぇ!いでえよぢぐじょー」

「諸悪の根源が何を言っておる!もう石の首輪を取る方法もつかめたしな!

「いでえよぉ!こうなったら」

 左手にあるボタンを押そうとするので斬ると、

「アアアァァァ」

 その装置を踏み潰すとそいつの首を斬る。

 体を探ると石の首輪の解除方法や作り方の載ったファイルが出てきた。

 石の首輪は簡単に外せそうだしこの王国も少しはマシになるだろう。


 まずは王からだな。宮廷に向かうと王様らしき人が椅子に座っているが石の首輪をつけていたので外してやる!

「其方たちは?いや、こうしちゃおれん!すぐに北の国との争いを止めるのだ」

「王がまともでよかったよ!でも今回は酷すぎたな!」

「あぁ、多大な犠牲を払ってしまった。私の息子に王の座を」

「その息子が首謀者だ」

「…もう息子には会えなんだか」

「甘やかしすぎた罰だな」

「そうかもしれん」

「この中央をまとめろ!石の首輪を外させるんだ!」

「分かっとる。そして街を復興するようにしよう」


 姉と弟のところへ戻ったが自死していた。

 やはり耐えられなかったのだろう。

 ワシの右腕の傷は消えていた。

 他に道はあったろうに。


 北へ向かおう。

 アリアと再会の約束がまだ残っておるからのぅ。

 中王国とはなんにしろ解決と言うことか。 


 国境を越える時見た中央軍は生気が抜けたようだった。王命でやったことは元には戻らんからの。行く先々で暴動が起こっておったしの。家族、あるいは兄弟なんかで奴隷化しておったのじゃ、そりゃ暴動も起きて当然じゃて。

 

 あれだけいた奴隷が解放されたのじゃ中王国は建て直しに時間がかかるじゃろ。


 国境を抜けて北の大陸にやって来た。

 やはりこちらの方がはるかに安心できる!

 宿に泊まり風呂に入って疲れを癒す。

 女将にスタミナ定食を頼みそれを楽しむことができるのも中王国との諍いが終わったからだ。一週間ほど休みをとって街をブラブラする、さすがに今回はしんどかったからのぅ


 北の首都までは二か月はかかるアリアに会いに行くと言った手前行かないわけにも行かんじゃろ。

 はぁ。変な約束をしてしもたワイ。

 いっそ魔法で飛んでいくかのぅ。

 まぁゆっくり行くか!


 一週間ほどまちでゆっくりし、買い出しなどもした。流石に中王国でアイテムボックス内の食料が底をつきそうじゃったからな。

 ゆっくりできるのはいいことじゃ。


 さて北に向かうかと思い旅立とうとしたら、そこに赤の魔女ライラが現れた。

「今回はやってくれたわね!」

 とても嬉しそうじゃがなんのことじゃ?

「中王国のことさ、あんたがやったんだろ?」

「あぁ、この呪いを解くためになぁ」

「そうだったのかい?呪いは解けたんだね」

「まあの、じゃがなんで?」

「そりゃ迎えに行くさ、我が国の英雄だからね」

「英雄?ワシはただ普通のことしかしておらぬぞ?」

「それでも戦争を止めたのはあんただよ」

「そうか」

「今から王城へ向かうよ」

「ワシはゆっくり」

「いや、今すぐさ」

 捕まえられるとそのまま空を飛んでいる。凄いスピードで耐えられないと思った瞬間に北の国の王城へと降りていた。 

「ライラ女王様!勝手をされては困ります!」

「わーかったて!ヤオキもすまんな!」 

「ほんとですよ。息できなかったんですから」

「ほんとすまん。…でここが王城だ」

「ん?王城?女王?え?ライラさん女王様なの?」

「そうだぞ?言ってなかったか?」

「聞いてないですよ」

「ヤオキ」

「おぉ!アリアも元気そうだな」

「はい!元気です」

「ほら。あざもなくなったぞ!

「本当だ!じゃあ、解呪できたんですね」

「まぁの」

 後味の悪い解呪じゃったがのう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る