第9話 石の首輪
街道を歩いているとまた盗賊に出くわした。さっさと片付けようとするが何かおかしい。近寄ってみると奴隷の引き渡し現場のようじゃった。
「おい、見られたぞ!」
「片付けろ」
「最初が盗賊とはついてないのう」
夜桜を抜き放ち首を斬って行く。あまりの性能の良さに笑みが溢れる。
「全員で行け!」
俺は走った。走って斬って全員を首無しにする。
「これで全部か?」
「はい!そうです!」
女子供に男もいる。全員奴隷らしいが。
盗賊から買うのは違法じゃないのか?
「ふ、普通の奴隷なら違法じゃありません」
「ほう。では普通の奴隷か?」
「ふ、普通ではありません」
「じゃあ解放するんじゃろ?」
「は…はい」
これで奴隷の方はいいとして盗賊の方はアジトが近くにあるだろう。
「アジトはどこじゃ」
「ここから北に」
「そこまで案内せい!」
「は、はい!」
「あ、あそこです」
「ご苦労様」
「ひ、ひぃー」
またでかいアジトを作ったもんじゃな。
「よっこいしょっと」
角から登ると全貌がはっきりするがハリボテじゃな。
「ヨイショっと」
「なんだてめゲハっ!」
大男が言う前に蹴る。
「敵襲!敵襲だぁ!」
「ワシ一人にあんな大声出さんでもええのに」
走って斬ってを繰り返すと40人ほどいた集団は一人残らず斬り捨ててしもたわい。
「さてお頭は?どいつじゃ?」
首と冒険者証を抜いた身体は一箇所に集めて行く。(もちろん小銭も集める)
建物を探して出てきた金貨や宝石などをアイテムボックスに入れていたらようやく出て来た。
「な、なにしてくれてんだこら!」
「おー、最後は親分らしく出て来たのぉ」
「な、なんだとこら!殺してやる!」
へっぴり越しの剣を受け止めようとすると相手の腹から剣が突き出て来たので後ろに飛んで躱した。
「お、おやぶ…」
「なんだよ、盾にもなんなかったじゃねぇか」
「ふぅ、最後に出て来たから男気があるのかと思うたら違ったみたいじゃな」
男は黒づくめの姿でスラッとしている。
「なんでここを選んだ!」
「別にちょうど出くわしただけじゃ」
「くそ。ただのアンラッキーかよ!」
「そうみたいじゃのぉ」
「テメェは殺す!」
「死ぬ奴は全員そう言うのぅ」
なかなかやるようで剣を交わして見えるものもある。
「お主女子か?」
「あぁ。そうだが!なにかあるのか?」
「いや別に。大したもんじゃと思っただけじゃよ」
「そうかい!」
細い針を飛ばして来たので叩き落とすと飛び込んできたので斬る。
「けっ!結局貧乏くじ引いちまったか」
「楽にしてやる」
首を斬り落としアイテムボックスに入れる冒険者証もAランクとは、普通に生きればよかったものを。
やるせない気分で部屋を散策すると他にも囚われていた人がいたようで出してやる。
街道に戻るとお化けが出たような声を出す男が、また奴隷を押し込んで出ようとしていたところじゃった。
「この中に御者ができる人間は?」
「「「はい」」」
二、三名が手を挙げたので奴隷商人も斬って頭とこれは通行手形?のようなものや、会員証など色々頂くと、御者を任せて奴隷にされる前の人たちを積んで次の街に向かう。
次の街は大きかったのですぐに奴隷商と盗賊の首を出して確認してもらう。大きな盗賊団だから確認に時間がかかるが大手柄だと言われ奴隷だった人たちもすんなり通された。
どうやら商人はこの街の商人らしく、即日その店ごと捕らえられたそうだ。
この街で三日待っているとようやく報奨金などの準備ができたとのことで行ってみると
商店のこともあったので金貨5000枚をもらえた。
これで旅の資金は万全だな。
そこから次の街を目指すが分かれ道になっていた。中央を少し目指すかと中央への道に入る。国境が見えて来たあたりで小競り合いをしていた。が。見て見ぬ振りをして国境を通過する。北の大地と違い荒地が多いなと走りながら思ったがやはり食糧不足で北ともめているようだ。
街に入るとあの首輪をつけた人間がいた。
この街では普通に奴隷として暮らしているようで吐き気がする。
やはり中央の都市へ行かねばなるまいな。
宿屋で道を聞く。女将さんが行かない方がいいと言ったがこちらも行かねばならぬ理由があるからのう。
ここから都市まで一ヶ月はかかるようだが走ればもっと早く着くじゃろう。まぁ、ゆっくり行くつもりなのだが。
宿屋の食事も質素で、あるが味は旨い。
こちらは香辛料の栽培が盛んらしい。
食料は北からの輸入で賄っていたが欲をかいたここの王様が香辛料の値段を上げたのがきっかけらしい。つまらん争いじゃて。
しかし、多いのぉ。こんなに呪術を使って大丈夫なのだろうか?石の首輪には赤い宝石のようなものがはめられている。あれが呪術の元なのかもな。
この宿にもいる奴隷がいるがしゃべらないし生気がない。まぁ、こんだけ働かされればそうなるじゃろうて。
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