第6話 死の呪い


「お母様!」

「アリア」

 と抱き合う二人。はやがて離れ。

「どういうわけだい!何があった!」

「お母様!私は連れ去られ、死の首輪で封印されてましたの!それをあちらの」

「ヤオキだ、よろしく」

「に助けていただき」

「メルルの弟子か!良い男じゃないか!」

 笑うライラはワシをみるとあることに気づく。

「呪いだね!しかも死の呪いだ。こりゃメイフィにお願いするしか」

「呼びましたか?」

 そこには白い修道女姿の女の人が、

「メイフィ!聞いていたなら話は早い!死の呪いを解いてやってくれないか?」

「止めることはできてもそれを作った者を殺さなければ呪いは解けませんよ?」

「じゃあ今すぐ止めてくれ」

「ハイハイ」

 メイフィが呪文を唱えると激痛がしてのたうち回るがそのうち治った。

「はぁ、はぁ、痛かったワイ」

 座り込み右手にできたあざのようなものをさする。

「これで5年は大丈夫でしょう。けど5年経っても解けない時は私でもどうすることもできませんね」

 そう言うメイフィ。

「大丈夫だ!今度こそそれを作ったやつを倒してやるから!」

 ライラはそう言うとアリアの頭を撫でている。

「そろそろ旅に出そうと思ってたのさね。良い機会だから旅して来ると良いさね」

 と、メルルが言う。

「旅?」

「あぁ嫌かい?」

「いや。ワシはこの世界を見てまわりたい」

「それでこそ私の弟子だよ」

 頭を撫でられ防具を渡される。魔法の革鎧だと言うその黒い鎧に身を包み、旅の準備はもう終わりだ。アイテムボックスに全部入ってるからな。

「よし!んじゃ行ってくるわい」

「あぁいってらっしゃい」

「私は北の街にいるからそこにきたら寄ると良い」とライラが、

「私は西の街にいますからね」

 とメイフィが言う。

「おう!覚えておったらのぅ」

「絶対来てよ!ありがとう」

 アリアと言う助けた女の子が言う。

「わかったわい!それじゃあの!」

 こうしてワシは旅に出ることになった。


 まずはアジトから探そうとアジトに向かうが、まだ誰も手をつけていないようだったので斬った首輪を見つけてアイテムボックスに入れておいた。

 それからもう一度アジトを探してみたが手掛かりになるようなものがなかった。

 お頭の体を探ると燃え滓が見つかったので契約書のようなものがあったのだろうと推測した。

 

 あとは小銭を取ったり首と冒険者証をアイテムボックスに入れて北の街に行くと、逃げられた人達が待っていた。

「よかったです!たすかったのですね!」

「まぁ、このとおりじゃ!」

「お礼を言えないかと思って心配してましたありがとうございます」

皆口々にお礼を言っているが。一人だけ違う人物がいた。

「お前盗賊のアジトで取ったものがあるだろ?ワシのものを返せ!」

 基本盗賊の物は倒した者に所有権がある。

返す返さないはもちろんなく。大事な物であれば交渉して買い取ると言うのが基本だ。

「いくらで買い取るの?」

「は?ワシのものをワシのものと言っておるだけじゃろうが!返せ!」

「それは出来ません!買い取ることなら出来ます」

 兵士のお兄さんがこちらの味方になった。

「じゃ、じゃあ銀貨5枚で買い取ってやる」

「どれですか?」

「茶色の鞄じゃ」

「これマジックバックじゃよ?そんな端金で売れんな」

「な、なら金貨一枚じゃ」

「はぁ。交渉にならんのじゃ」

「なぜじゃ!」

「マジックバックの相場は金貨千枚以上ですね?それを踏まえてもう一度交渉してみては?」

「そ、それは」

「ワシは金貨千枚でも返さんぞ?まずは助けてもらった礼くらい言うたらどうじゃ?」

「このクソガキ!どうなっても知らんからな」

 ドスドスと歩いて去って行く男にあっかんべーをしながら、他の人には大事なものを返して行く。形見のブローチや仕事道具とかね。ワシもそこまで鬼じゃない。

「ヤオキ!今回もお手柄だな」

「また報奨金とやらが出るのか?」

「でるぞ?二、三日ここに滞在していてくれるか?あと、あの男には用心しろよ」

「ワシに勝てるとでも?」

「いや。用心はするに越したことはないからな」

「分かったワイ」

 ワシはその足でモニカに会いに行き別れを告げる。

「また会えるわよね!」

「おう。またな」

 と別れて宿屋は向かう途中で、さっきの男がたくさんの男たちを連れて来た。

「痛い目に遭いたくなかガフッ」

「こう言うのは先手必勝じゃ」

 顎に膝蹴りを喰らった男は伸びている。

 周りの男たちもどうしたもんかと悩んでいるようじゃったので、

「ワシはヤオキじゃ!この町ではCランク冒険者をしておるがまだかかってくるかいのう?」

 ちょこちょこモンスターなり盗賊を捕まえていたから上がっただけじゃがのう。

「ランク持ちかよ、俺は降りるぞ」

「まぁ、依頼主が伸びてたらやらないわな」

 ゾロゾロと帰って行くクズどもはほうっておいて。

 男を衛兵に差し出すと、牢屋にぶち込まれたらしい。

 くすくすと笑いながら宿屋に入る。

 女将さんに料金を払って宿に泊まること二日、ようやく報奨金などの手続きが終わったらしくいつものようにもらうと、いつもは教えない盗賊のアジトを教えておいた。これからはワシはこれんからのう。その分金貨10枚が手渡された。

 ラッキーなこともあるもんじゃ!


 ワシはそこから東に向かってある街を目指しておる。知識の街ノウレッジという場所じゃ。そこで解呪の方法がわかればと思うておる。

 街を転々としながらまだ一ヶ月、雨季に入ったので近くの街で雨宿りじゃ。宿屋に泊まり下で飯を食うておると面白い話が舞い込んできた。

 なんでもここにはダンジョンがあるらしい事と。攻略者にはなんでも願いを叶えてくれる褒美があるという事らしい。

 これは眉唾じゃが、やってみようかのう?

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