第4話 憂鬱な日々

まただ。

また、私ちゃんがいなくなったのか。

私ちゃんはお母さんとの間で揺れ動く言葉の捻れた関係に嫌気が刺すと解離する。

ふとした関係のトリガーは何になるかいつも分からない。

椅子に座る、私ちゃんはいつもうずくまるように悲しんでる。

椅子から落ちそうだ。

僕はそんな彼女に話しかける。

彼女は小さく呟いた。

『....なんで。なんで、僕くんはそんなに生き生きと生きれるの? 私は僕くんになれないのに』

彼女の言葉が僕を突き刺した。

僕は彼女の言葉を受け止めて話した。

『僕は君だから。なれないなんてことはないんだよ。君が望めば、君は僕になれるんだ。でも、今は一緒に道を進むべきなんだよ。片方が歩いたら、もう片方も同じ道を進むんだ。生きる時は一緒なんだよ。僕たちはいつまでも一緒だよ』

私ちゃんはその言葉を聞いて、こくりと頷いた。

そういって、私ちゃんからバトンタッチで僕がみんなの前で笑ってる。

私ちゃんは僕の笑い声を耳にして、指を噛むように自傷行為に心の中で走っていた。

僕のいないところで、私ちゃんは壊れていく。

止めることのできないあの子の寂しさと苦しさにもがいてる私ちゃんの切ない心の内を僕が慰めることは困難だった。

1人になった時に私ちゃんは心の中でぼろぼろだった。

私ちゃんは泣きながら言った。

『生きるのがつらい。ネットで誰かと繋がってもそれでも、手を差し伸べて大丈夫って言ってくれる人はいても、力になってくれる人は関係ができてる人しかいない。私には分かってくれる人が僕くんしかいない。僕くん、お願いがあるの。もう、僕くんが私になっていいよ。私はもう現れないから。私は消えるから。もう、僕くんの人生にしていいから、僕くんがこの世界の人生を好きに生きて。今まで一緒に生きてくれてありがとう』

それが、私ちゃんとの最後の会話になった。

眠気が出て気がついたら、私ちゃんはどこにもいなくて、呼んでも叫んでも僕しかいなかった。

私ちゃんが消えた最後の日に僕は私ちゃんの人生を歩むことになった。

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