#21 ダンジョン製作者だ? 貴様この野郎……
「シッ!」
畦道を強く蹴り、一気に終わらせるべく距離を詰めようとする。
「
しかし行手を黒い亜空間に阻まれてしまう。
更にそこから追尾性のあるエネルギー弾まで飛んできやがった!
「〈セット:
どうせエネルギーの塊だ。
ならば同じく高出力波で装備者を攻撃から守る秘宝を使って対処する!
「……ふむ、あそこから
「っ、何とか無傷で済んだわ」
「しかし。タレントスキル、
「驕るねぇ。その余裕がいつまで続くかな!」
再び地を蹴り、スタートを切る。
「
やはり亜空間が目の前に、そして周囲に発生する。
だが、そのパターンは先程も見た。ムラがある!
「隙間がガラ空きだ!」
「そんな物はない!」
掌状の石をカーブで投げ、亜空間の脇を潜るようにし、奴めがけて走らせるが。
新たにワームホールが発生してしまい、ヒュンヒュンと周囲のホールをワープし加速し切ったところでオレの頭上に降り注いだ。
「チッ、そう返してくるのね!?」
「
確かに隙はないな。自在に経路を決められる亜空間を、自由自在に出せるのだから。
今のはかわせたが、いつまで持つか分からない。
「アリヴァ、貴様にもあろう。タレントスキルとやらが!!」
それで倒せって?
まあ確かに、異能には異能を。そう考えるのが自然だろう。
だがな。
「無えよ」
「はっ?」
「そんな特別な
流れる沈黙。
それを破ったのは、ジェイの嘲笑だ。
「はっ!
勝ちを確信したのだろう、ワームホールを無数に展開してエネルギー弾を乱射してきやがった。
黒の弾は亜空間から亜空間へと飛び回り、加速し、禍々しさを増してゆく。
そして、最大まで力が溜まったところで……オレの四方を囲むように、弾幕が降り注いだ。
「アリヴァーッ!!」
「ハッハー、所詮、
エネルギー弾の跡には何も残っていない。勝負あった。
そんな空気が流れているがな。
「だからこそ」
「ッ!?」
「お前のような驕った天才には、絶対負けない」
もう既に、お前の
「生きておったのか!?」
「いつの間に
「その能力、入口と出口が最初から決まってるな。周囲に大量のワームホールを出して紛らわせているようだが、ワープの最大距離が250メートル、射角は75度までとわかれば、あとはエネルギー弾の出所を辿ってパズルをしていくだけだ」
「
「
フード越しでもわかる。
奴さん、顔色が白くなってやがるな。
そりゃそうだ、天から賜った最高の
目の前の事実を理解してしまった瞬間、プライドも勝ち目も消え失せるのは明白なんだよ。
「舐めるなぁっ!!」
「どうした? そのキャラは作り物か?」
「
既に悪あがきしかできなくなっている。
闇雲にエネルギー弾を撃ちまくっても、オレに当たるわけがない。
「懐を取ったぜ」
「
一瞬で距離を詰め、その筋肉の足りない腹めがけて意識を吹っ飛ばす拳を一撃。
「す、すごい……っ」
「目に焼き付けなよ。これが、お義兄ちゃんの……最強のダンジョン配信者の戦いだから」
「……
そのままワンパンで沈んだところを、タレントスキルを封じる手錠で拘束した。
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