124『デートのお誘い?』


「はい、こんにちは、渡巻さん」


「えへ、こんにちは、棟区さん」


 3人分の昼飯を買うためにいつものコンビニに足を踏み入れれば、出迎えてくれたのはいつものコンビニ店員である渡巻さんであった。

 丁度入口近くの商品陳列を行っていた彼女は、入店してきた秋水に気がついて顔を向けた途端、ぱぁ、と表情が明るくなった。秋水の顔を見て一瞬すらも驚く様子を見せないのは、なんとも不思議な感じである。

 渡巻さんとは遭遇する確率が高いな、と思いつつ秋水は近くのカゴを手に取る。

 となると、渡巻さんは高校生、時期を考えれば高校1年生か2年生が妥当だろうか。

 遭遇する主観的確率から自然と逆算をしてしまった秋水は、いや変態か俺は、と軽く頭を振った。どうしたのだろう、と目の前の渡巻さんが首を傾げた。

 さて、気を取り直して買い物を。


「あ、食事系、先に補充しますね!」


 軽く会釈をして通り過ぎようと思ったところで、は、と何かに気がついた渡巻さんがぱたぱたとバックヤード側へと引っ込んでいく。

 補充。

 ちらりと秋水は店内の時計へと目をやれば、午後の1時は軽く通り過ぎている。昼食の時間としては随分と遅くなってしまったのは否めない。血中アミノ酸濃度が心配になってしまう、とか考えると、脳味噌まで筋トレするのはどうかと思うわ、と鎬の声が幻聴で聞こえてきた気がする。

 それから入口正面の弁当などの商品棚へと視線を移せば、確かに空きが目立つ。

 そうか、昼飯時に大分売れたんだな。

 今はようやく忙しさの波が落ち着き、売れてしまった商品を補充するタイミングだったのか。

 急かしてしまったようで申し訳ない反面、何故に食事を買いに来たとバレたのかが不思議である。いや、このコンビニでは基本的に食品ばかり買っているから、秋水イコール食料品お買い上げのお客様、と覚えられてしまっているだけなのだろう。

 では、先に飲み物とかでも、と何の気なしに視線を動かせば、レジカウンターの所に店員の姿。

 渡巻さんではない、別の従業員である。

 胸に初心者マークの付いていない、大学生くらいの女性だ。


「っ!?」


 目が合ったその瞬間、びくっ、とその店員の肩が竦んだ。

 ああ、うん。

 最近は、渡巻さんとか、クラスのチワワとか、もしくはクラスメイトの数人とか、秋水に怯えないで話しかけてくれる人が増えてきているのだが、基本的にはそう、自分に対しての反応はコレである。こんなものである。

 安心感すらある。

 勘違いしてはいけない。

 ぺこり、と怯えさせてしまったその店員へと軽く会釈をしてから、秋水はレジ前を大きく迂回するようにして先に飲料のコーナーへと向かう。ここで近づけば、なにガンくれとんじゃワレェ、と喧嘩を売りに来たんじゃないかと余計に相手を怖がらせてしまうのは、経験則上知っている。

 まずは飲み物を、と秋水は飲料コーナーの商品をさっと見渡す。

 まあ、質屋の方では普通にコーヒーもお茶も常備されているわけだし、買わなくても良いかもしれない。むしろ、手軽に作れるコーンスープなどのインスタント的な汁物の方がこの季節には良いだろう。

 そうするか、と秋水は早々に目標を切り替えて、飲料コーナーの方から視線を外しかけ、ふと足を止める。

 商品棚の、ガラスの扉。

 そこに映った自分の姿。

 相も変わらず彫りが深く怖い顔をした、無駄に大きな男の姿。

 ふむ、とそのガラス戸を覗き込むようにして、秋水はまじまじと自分の姿を確認した。

 人相が悪い。

 人を怯えさせてしまうような外見。

 そして何より、威圧感が酷い。

 数秒程映った自分を眺めてから、秋水は少しだけ渋い表情になった。


「……肩幅が広がった、いや違うな、そうか、最近は上半身のトレーニングに偏ってたかもしれねぇな。脚のトレーニングメニュー考え直す時期か?」


 上半身がデカい人間は、相手に対して威圧感を与えやすい。

 もしかして自分は下半身の筋トレを無意識的にサボっていたんじゃないか疑惑が脳裏に過ぎり、秋水は慌てて直近の筋トレメニューを思い返していた。

 たぶん心配するべきはそこではない。

 そうツッコミを入れる人は誰も居なかった。




 それは横に置いておき。




 渡巻 律歌(わたりまき りつか)は、昼時で大分捌けてしまった品物を補充しながら、ちらり、と隣に立っている男性を見上げた。

 かなり背の高い、コートを着ていても分かるくらいにかなりの筋肉質な男性である。

 棟区 秋水という、このコンビニで度々見かける常連客の1人であり、律歌とは何かと縁のある男性でもある。

 まずは手早くおにぎりやサンドイッチ系統を補充し終えたくらいに弁当コーナーへと近寄って、うーん、と彼は迷うようにして商品を眺めていた。

 手にはカゴ。

 スーパーマーケットなどと比べると小さなカゴだが、体格が非常に良い彼が持つと、さらに小さく見えてしまう。玩具のようだ。相対性というやつだ。

 カゴの中には、すでに幾つかの商品。

 全て食品だ。


「レッグプレスとかレッグエクステンションとか、アブダクターとかのマシンでしばらくバランス調整するか? もしくはランジやブルガリアンスクワットでとにかく負荷を上げてみるか? ケーブルマシンの種目に挑戦してみるってのも手か……」


 小声で何かブツブツと呟いている彼の目は、とても真剣なものであった。

 とても、鋭い。

 何かお仕事のことでも考えているのかな。

 お悩みごとでもあるのかな。

 数秒程彼の顔をぼんやりと眺めてから、はたと我に返って律歌は慌てて弁当類の商品補充を再開する。

 まじまじ見てしまった。自分はなにをしているのか。恥ずかしい。


「あ」


 と、急にお腹に響くようなバスボイスの呟きが振ってきた。

 一瞬だけ、きゅ、と胸が締め付けられるような声だ。

 怖いという感じではなく、なんだろうか、良く分からない。不思議だ。

 その綺麗なバスボイスに、ぱっと顔を上げて声の方を見て見れば、隣にいた秋水と目が合った。

 特徴的な目つきの彼と目が合って、どっ、と胸が跳ねた。


「ああ、申し訳ありません」


 律歌の手が止まったことにすぐに気がつき、秋水が即座に謝罪を入れてくる。

 ゆっくりと、落ち着いた喋り方である。

 その声は低音で体に響き、ともすれば怖いとも感じられるくらいの声色だ。いや、律歌も最初は、すごい怖い声だ、と思っていたはずなのだが。

 ハズなのであるが、そんな秋水の声に一瞬だけ聞き惚れるようにぴたりと動きを止めてから、律歌は自分が手に持っていた商品を思い出す。

 牛丼だ。

 レンジで温めれば美味しく食べられる、最近リニューアルした牛丼である。

 お手頃な量になってリニューアル、と謳っており、斜に構えた客からは、どうせ量を減らしたんだろ、と思われがちであるキャッチコピーではあるものの、そのリニューアル内容としては量と値段を同時に上げる、という頭のおかしい方向に舵を切ってしまった商品である。

 ただ大盛りになって新登場しただけじゃねぇか、とツッコミの嵐が殺到した。誰の目線でのお手頃な量なのかが不明瞭すぎる。

 これ売れるのかな、とちょっと心配したものの、リニューアル直後から飛ぶように売れ、現在のヒット商品になっているのだから商売というのは良く分からない。確かに量は増えたけれど、値段もしっかり上がっているはずなのだが。

 そしてこの牛丼、買っている客の大半は男性で、よく食べそうな方々である。

 正に秋水にぴったりだ。


「こちらの商品、大盛りになって新登場でーす」


 にへ、と笑って手に持っていた牛丼を秋水に向けて差し出してみた。

 口が裂けても、お手頃な量になって、とは言えなかった。彼の体格からしてみたらお手頃なのかもしれないが。


「5割増量……面白いですね、見させて頂いても?」


「はい、どうぞどうぞ」


 そしてやはり、彼は食い付いた。

 時代と逆行している、小食民を見事に切り捨てやがった、経営陣はコストバランスというのを勉強していないご様子、などなど一部界隈で褒めているのか貶しているのか良く分からない謎の盛り上がりを見せた商品であるから、もしかしたら彼の耳にも入っていたのかも知れない。

 その牛丼を秋水へと手渡す。

 大きい手だ。

 ゴツゴツとしている。


 ああ、この手で守ってもらったな。


 ふと、ついこの前の、このコンビニに野良犬が乱入してくる事件を思い出す。

 あの時、何故か野良犬に自動ドアが反応して開いてしまい、その光景に固まってしまった律歌を秋水が即座に庇ってくれた。

 助けてくれた。

 抱き寄せられるように引き寄せられたのを、ふと、思い出す。

 どっ、と再び胸が跳ねた。

 変なことを思い出してしまった。いやだ、顔が熱い。

 突然のこと過ぎて、そして当時が混乱しすぎていて、抱き寄せられた感覚ははっきりと思い出せないが、その大きな背中に庇われたときの安心感ははっきりと今でも思い出せる。ほっとした。嬉しい。

 あ、いや、違う。

 抱き寄せられたわけじゃない。引っ張られて後ろに下げさせられただけだ。違う違う。

 そして別に、その感覚を覚えていなくて残念だとかなんて思っていない。なんて言うか、それはその、ちょっとふしだらと言うか、うん、違う違う。

 当時のことを思い出しても、怖かった、という感情は一切浮かばず、恥ずかしかった、という感情ばかりが浮上してきてしまい、いやだいやだと律歌は首を振る。

 頬に手を当ててみれば、何故だかちょっと熱っぽい。

 不思議だ。

 変なの。


「炭水化物に偏っていますが、サラダチキン1つでカバー出来る範囲に収まっていますね。これは良いバランスの商品ですね。それではこちらを頂きます」


「え、あ、はい、ありがとうございます」


「渡巻さんもすっかり板に付いてきましたね」


「えへ、普通はこうやって売りつけたりしませんけどね」


 落ち着くバスボイスで話しかけられ、律歌は慌てて返事をするが、何故だろう、彼と喋ると自然と顔が綻びる。

 前からこんな感じだっただろうか。

 うん、こんな感じだったかもしれない。

 なんで最初は怖いだなんて思ってしまったのだろうか。分からない。


「今日は色々買われるのですね」


 ちらっと秋水の持っているカゴに目をやれば、そのカゴは結構いっぱいに入れられていた。パーキンソンの法則か。


「ええ、今日は買い出しを頼まれてしまいまして。今から昼食なのですよ」


「そうでしたか。お仕事お疲れ様です」


 きっと仕事が立て込んで昼の時間が遅れてしまったんだろうな、と思って労ってみれば、何故だかぎこちない笑みを向けられた。何故だろう。

 ああ、仕事が忙しすぎて、今はそれを思い出したくないのかもしれない。

 彼が何の仕事をしているか分からないが、体格が良く、コートやズボンが作業服の専門店などで見たことのあるような物なので、おそらくそういう現場の仕事なのかな、と律歌は勝手に予想していた。

 仕事って大変なんだなぁ、と一瞬考えてから、確かに仕事って大変だなぁ、とこのコンビニで働いた1ヶ月くらいのことを振り返りながらしみじみと思ってしまった。いつも働いている父と母はやっぱり凄いんだな、と実感して思えるようになっただけでも、このバイトをしてみて良かった。


「まあ、仕事と言っても、今日は質屋の方でお手伝いをさせて頂いているだけなのですが……」


「質屋さん、ですか?」


「ええ。質屋 『栗形』 というところで、今日はアルバイトなのです」


 質屋さん。

 土木関係や建設関係じゃないのか。意外だ。

 ああ、いや、アルバイトと言っているから副業なのかもしれない。

 やや苦笑いを浮かべる秋水の言葉を、へー、と危機ながら律歌は頭の中の地図を引っ張り出す。

 質屋。

 知らない。

 帰ったら調べてみようか。もしかしたら、行けば秋水に逢えたりするのかもしれない。

 良いことを聞いてしまった、と少し嬉しくなってから、はて、と律歌は内心で首を傾げる。

 なんで嬉しいと感じたんだろう。

 不思議だ。

 変なの。


「渡巻さん?」


「……え? あっ」


 少しだけ動きを止めてしまった律歌を不審に思った秋水の呼びかけに、律歌は慌てて再起動する。

 駄目だ、妹からも良く言われる、お姉ちゃんは考え事しだすと急にフリーズするから見ててちょっと面白い、と。なんで面白がられているのだろう。可愛いから許す。

 僅かに目線を下げてから律歌は話題を探した。

 いや、別に、お客様との間に話題がなくても普通は困りはしないのだが。

 なのだが、実際に秋水との話題が途切れたところで困りはしないのだが、なのだけれども、なんと言うか、勿体ないと言うか、落ち着かないと言うか。

 不思議だ。

 変なの。

 変だな。


「……あの、この前っ」


 視界の片隅には、レジ前の簡易商品棚。

 とあるアニメとのコラボ商品、と言うかクジの景品が並べられた商品棚だ。

 この前、店内に乱入してきた野良犬を、秋水が咄嗟に蹴り飛ばしたときについでに吹っ飛んだ商品棚である。

 話題を絞り出せた。


「この前は、本当にありがとうございました!」


 立ち上がって、がばっと頭を下げる。

 野良犬が乱入してきたとき、秋水はすぐに律歌を守ってくれた。

 流れるようにして対処してくれた。

 本当に助かった。

 格好良かった。

 誰の怪我もなく、大した被害もなく、そして写真などによるネットでの情報拡散などもなく、あのアクシデントを綺麗に片付けられたのは、紛れもなく秋水の功績が圧倒的に大きい。むしろ、秋水が居なければ大惨事であったこと間違いなしである。

 後日、店長からは半泣きで謝られたが、ぶっちゃけ律歌は何もしてなかったので、ただただ苦笑いを浮かべるしかなかった。その称賛を受けるべきは、この秋水であるべきだからだ。


「この前、ですか?」


「あの、ワンちゃんが入って来て、大変なことになるところだった件です」


「ああ、あの……その件については、大変ご迷惑を……」


「いえ、そちらについては本当にもう大丈夫でしたから。落ち込まないで下さい、落ち込まないで下さい」


 目の前の大男が見るからに、しゅん、と肩を落としてしまうので逆に律歌は慌ててしまう。

 そうだった。

 何故かこの秋水は、手早く野良犬を追い出した功績よりも、クジの景品を散乱させたことの方をすっかり気に病んでいたのだった。

 優しいんだな。

 胸がきゅっとする。

 なんて言うか、きゅんとする。

 いや、落ち込む人を見てときめくとか結構最低だな私、と何故か律歌は自分の感性に絶望する羽目になった。


「あ、そうだ」


 と、軽く落ち込んだ様子であった秋水が、ふと顔を上げて天井を一度見上げた。

 何か思い出いだしたかのようである。

 それから、すっと視線を下ろして律歌と目を合わせる。

 綺麗な目だ。


「その日のことで、全然関係ない話なのですが、1つ質問をさせて頂いてもよろしいですか?」


「はい、私に答えられることでしたら」


「ありがとうございます。確かあの日、工具をカスタムする、という話をしたような気がするのですが」


 工具のカスタム。

 秋水からの質問に、そんな話しもした気がするなぁ、と律歌は軽く思い返す。

 確か、グリップテープだ。

 あの日の前、偶然にホームセンターで秋水とばったり遭遇して、何だったかの工具を使うときに手が滑るから困っている、という話に対して脊髄反射のレベルでグリップテープの話を返した気がする。

 と言うか、ホームセンターでの件は防鳥ネットの話にしろグリップテープの話にしろ、オタク全開で喋ってしまったのが思い出しても恥ずかしい。なんて言うか、可愛くないところを見られてしまった気が、何故か今更になってめちゃくちゃ恥ずかしく思ってしまうのはなんでだろうか。恥ずかしがる必要なんてないと彼は言ってくれたのに。


「駅の方に業者向けの工具店があるとかなんとか、そんなことを言われていたのを思い出しまして」


「ああ、コプロさんですね。良い品揃えで助かっているんです。この前は妹と電動工具なんか買いに行っちゃいまして。まあ、妹は全然興味なさそうでちょっと悲しかったんですけど」


「コプロ?」


「あ、お店の名前です」


 その工具店の話をしたかは正直覚えていないのだが、駅の方にある業者向けの工具店、と言われたら思い当たる店は1つしかない。

 あそこは本当に良い店である。

 特に建築系統に関するものは、ホームセンターでは手に入らない、そういうレベルの商品まで幅広く取り揃えられていて、正直見ているだけでもとてもテンションが上がるお店なのである。

 極希に一緒について来る妹は、なんだコレ、みたいな感じで全く関心を抱いてくれないのが逆に不思議なくらいだ。高圧洗浄機、チェーンソー、レーザー測定器、大型集塵機、どれも格好良くて素敵じゃないか。力説して、うわ、みたいな目を妹がしてきたらショックすぎてしばらく寝込む自信があるので、何も言えないのだけれども。

 まあ、年頃の女の子が行く店ではないか。

 こんなお姉ちゃんと変な店に行くよりも、沢山いる友達と遊んでる方が楽しそうだし。

 変な方向に思考が回ってしまい、律歌は少しだけしょんぼりしてしまった。


「よろしければなのですが、その店がどの辺りにあるかを教えて頂けないでしょうか?」


 しかし、秋水がその店に興味を示していることに、律歌の表情がぱぁっと明るくなった。

 興味あるのか。

 それは嬉しい。

 なんて言うか、とにかく嬉しい。

 自分が好きな店に、秋水が、興味を抱いてくれているのが嬉しい。


「もちろん良いですよ。何かお探しの品でも?」


「ええ、工具などを買い直そうと思っているのですが、恥ずかしながら私自身その手の知識がまるでないので、一度専門の店でどれくらいのものがあるのかを調べておこうかなと」


 なるほど、面白い考え方だ。

 それだったらホームセンターで手頃なのでも探そう、と普通は思い至りそうなところであるが、本格的なのを見て見たいというのはありな考えなのかもしれない。もしくは、ホームセンターですでに見たのだが、いまいちピンとくるものがなかったのかもしれない。

 ピンとくる。

 つまり、直感的に良いと感じる。

 道具に対してその感性を持つのはとても大切なことである、と律歌は考えている。

 分かる。

 分かるのだ。

 自分の使う道具である以上、しっかりと手に馴染み、その使い方が自分の感性とマッチしていて、そして使っていてテンションの上がる道具が欲しくなる。

 なんて分かり味が深いのだ。

 えへ、と律歌は思わず笑ってしまった。

 それなら丁度良い。

 ナイスタイミングだ。

 狙ってやってくれてるんじゃないかと疑ってしまうくらいである。


「そうなんですね。でしたら、明日一緒に行ってみませんか?」


「……はい?」


「私、明日、丁度そのお店に行く予定なんです!」




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 ……あまっ(;´Д`)

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