47『チョコ味だったら何でも良いという風潮』

 いや疲れた。

 ようやく学校が終わり、尋常ではない心労を抱えたまま家に辿り着いた秋水は、家に上がることなく直でダンジョンへと下り、寝間着に着替えてセーフエリアに敷かれた布団に転がった。

 秋水にとって学校は常に気疲れする空間ではあるが、今日はいつも以上に疲れてしまった。

 紗綾音とか言うチワワが教室の空気を極悪にしてくれたおかげで、秋水の心労はMAXである。

 うわーん! みんなゴメンねー! と謝れば、しょうがないなー、といった感じで一発で許容された、信用貯金の残高がエグいことになっている紗綾音は良いかもしれないが、生徒指導室から戻った秋水に待ち受けていたのは、うわー、といった感じのクラスメイトからの視線である。

 その、うわー、という視線には様々な感情が込められていたのだが、少なくともポジティブな雰囲気ではなく、午後の授業も針のムシロの中であった。

 これは、なんの罰ゲームだろうか。

 巨大な溜息を吐き出しながら、早速ごそごそと秋水は布団の中に潜っていく。

 疲れた。

 げんなりである。

 心の疲れはポーションではどうにもならない。

 寝るしかない。











 で、寝て起きれば、丁度日が沈んだ時間くらいだった。

 1月は日が沈むのも早いなぁ。

 そんなおじさん臭いことを考えながら、秋水は自転車を漕いでいた。

 最近は食事を自炊をするよりも、レトルトや冷凍食品、調理済みの総菜などへと切り替えてきているので、それらの調達である。


「今日は何にすっかなー」


 白い息を吐きながら、秋水は夕飯のメニューに頭を悩ませた。

 秋水は筋トレエンジョイ勢を謳ってはいるが、自身の筋肉のために食事についてはそれなりに気を遣っている方である。タンパク質は自分の体重×2g、とか、脂質はこれくらいまで、とか、炭水化物のGI値は、とか、そういった感じだ。

 そうなると、意外に食べられるメニューが限られてしまうのだ。

 ラーメン系は総じてアウト。

 洋菓子系も総じてアウト。

 栄養価の偏った弁当もアウト。

 そもそもジャンクフード類は全部アウト。

 自炊をしていたときはあまり気にならなかったが、秋水が好んで食べていた発芽玄米などは一般的なわけもなく、どちらかと言えばマイナーな分類だ。

 まあ、秋水にはプロテインやらモリンガやらシナモンやら青汁やら黒酢やら蜂蜜やらを配合した、謎のドリンクという栄養補給があり、足りないと思われる栄養素はそれこそサプリメントで補えば良いだけなので、そこまで気に為なくても良いのかもしれない。

 しれないのだが、やはり気にしてしまうのは何故なのだろうか。


「チートデーでもないしなー」


 ぼやきつつ、目的としていた店に到着した秋水は、駐輪場へとすっと自転車を入れた。

 近所のコンビニである。

 何だかんだ言われているが、やはり一番手っ取り早いのはコンビニだ。

 これでスーパーなどの方が近ければ、それは値段が安いスーパーの方に行くのだが、あいにくと秋水の家から近いのはコンビニである。

 しかも、割高だ割高だと言われてはいるが、品さえ選べば意外とスーパーとは値段が然程変わりがないのだ。さらに言えば、その品を選ぶときに割高だと除外されるのは、だいたいが秋水がアウト判定を下した食材達である。どういうことなのか。


「ま、近くて便利だ、と」


 自転車から降りてコンビニの中に入ると、出迎えてくれるのは明るい光に暖かな空気。

 それから。




「あ、いらっしゃいませ!」




 来店すれば7割ぐらいの確率でいる、もはや顔なじみになってしまったんじゃないか疑惑がある、見慣れた小柄な店員の明るい挨拶だ。

 いつも居るなぁ、と思いながら、秋水はカウンターにいるその店員に向けてぺこりと頭を下げ、それからカゴを手に取り、カウンターを横切る形で弁当などのコーナーへと移動する。

 サラダチキンやらギリシャヨーグルトといった高タンパク食品は、まだ買い置きのストックがあるので買わなくても良いだろう。

 とりあえずは定番のおにぎりを4つ手に取って、同じく定番となっている袋入りのサラダもカゴへと入れる。毎度同じラインナップなのもどうかなと思い、温泉卵も追加だ。

 それから後は、と考えながら、めぼしい物はないかと棚を眺めると、プロテインドリンクのコーナーが拡充されているのが目に付いた。

 はて、前はパックジュースなどの中に、肩身狭そうに2種類だけ陳列されていたような気がしたのだが。

 ちょっと気になって見てみれば、有名所のプロテインドリンクが一通り並べられており、その減り方からしてもそれなりに売り上げている様子である。


「……ん?」


 そして、その中の1種類に違和感を覚え、秋水はひょいとその商品を手に取った。

 有名所のプロテインドリンクだ。

 だが、秋水の知らないフレーバーである。

 別に秋水とて、全てのメーカーの全てのフレーバーを完全網羅の熟知しているというわけではないが、少なくともこのメーカーからはチョコレートフレーバーのものはなかったハズである。

 新商品だろうかと値札の所へと視線をやるが、そのには 「New」 のポップではなく 「バレンタイン」 というポップが小さく、そして申し訳なさそうにぶら下がっていた。

 プロテインのチョコレートフレーバーを、バレンタインチョコの代わりにする気だろうか。よく見たらパッケージもハートマークが飛んでいて、それっぽいデザインである。経営陣は大丈夫なのだろうか。と言うか、このメーカーは普通にチョコレートも手がけているのだから、そっちに注力した方が良いんじゃないだろうか。

 手に取ったそのプロテインドリンクを、なんとも微妙な面持ちで秋水は眺める。


「あ、あー……新商品でーす、いかがですかー……」


 すると、カウンターの向こうから声が飛んできた。

 その声へ顔を向けると、秋水と同じく微妙な面持ちの店員がこちらを見ていた。


「ああ、やはり新商品なのですね。どおりで見たことがなかったわけです」


「ええ、まあ……発売されたのは年末なんですが」


「……なるほど、バレンタイン商戦というものですね」


「そうです。店長がとりあえずチョコ風味のものを引っ張ってこようと言われまして……」


 いや、何もプロテインじゃなくても。

 そうは思ったが、店員の表情を見るに同じことを考えている様子であった。

 一応確認で原材料と成分表示の所を見てみるが、当然のようにカカオもチョコレート自体も使用されていない様子である。あくまでもフレーバーでしかない。バレンタイン企画とは一体。

 ただ、とりあえず面白そうなので秋水はカゴの中にそのプロテインドリンクを追加した。

 何故か店員の表情が明るくなった。


「あ、ありがとうございます!」


「え、ああ、いえ」


 何で喜ばれたのか分からなく、何と返したものかともごもごした返事をしながら、ついでにおでんパック2つをカゴに入れる。玉子が被るが、まあ良いだろう。

 これで良いか。とりあえずは夕飯と朝食分のはあることを確認し、秋水はレジカウンターへとカゴを持っていく。


「ありがとうございます、お預かりします」


「はい、よろしくお願いします」


 店員は変わらずにこやかである。

 そう言えば、この店員にはすっかり怯えられなくなった。

 最初の頃は、ヤクザみたいな奴が来てゴメン、とこちらが申し訳なく思うくらいに怯えていたのに、今では普通に対応してくれるようになってくれている。

 見慣れてくれたのだろうか。見た目気の弱そうな、それこそ小動物みたいなイメージがあったのだが、耐性つくのが随分と早い。学校の同級生なんて全く慣れてくれないと言うのに。

 と、クラスのことを思い出し、秋水はちょっとげんなりしてしまった。

 今日のことは、心理的なダメージが結構デカかった。


「こちらの商品を2点……どうされました?」


 少し気落ちした秋水の様子に気がついたのか、店員の女性が不思議そうな顔で聞いてくる。良い人だ。


「ああ、いえ……今日は少々、嫌なことがありまして、申し訳ないです」


「あ、いえいえ、こちらこそ。いつもお仕事お疲れ様です」


「ありがとうございます。ああ、そう言えば、プロテインドリンクの種類が増えたのですね」


 優しい店員の人に妙な心配をさせてしまったのが心苦しく、秋水は咄嗟に話題を逸らした。

 逸らして、それから気がつく。

 お仕事って何だ。

 もしかして、この人にも社会人だとか思われていないだろうか。


「あ、そうなんです。この類いの商品、ここだと売れ行きが良いんですよ。近くにスポーツジムとかが2件あるからですかね?」


 遅れて引っかかりを覚えた秋水に気がつくことなく、店員は明るく話を引き継いでくれている。

 いや、まあ、別に訂正する必要も、ないか。

 若干のモヤモヤを覚えつつ、秋水はそうなのですね、と相槌を打った。

 その2件の内の1件は、秋水が通っているジムのことだろう。そしてそのジムに同じく通っている女子高生にも、同じような勘違いを受けている。

 自分はそんなに老け顔なのだろうか。少しショックである。


「確かに、サラダチキンやプロテインバーの種類はそれなりにあるのに、今までプロテインドリンクの方は少なかったですからね」


「あ、お客様も気になってしましたか?」


「ええ、まあ。ただ、ジムに通っている面々は粉末のプロテインを大容量で買っているので、それで事が足りているからこそ、逆にドリンクタイプの種類が少ないのだと思っていました」


 店員の言葉に、支払いようにスマホを取り出しながら秋水は答える。

 このコンビニをよく利用するようになったのは今年に入ってからではあるが、それ以前からプロテインドリンクのラインナップが少ないこと自体には気がついてはいた。

 だが、それは当然と言えば当然のことである。

 サラダチキンは料理などに幅広く使用でき、さらには生の鶏肉と比べれば賞味期限が長いので使い勝手が良い。プロテインバーは菓子としても優秀だし、小腹が空いた時用にも丁度良い。

 だが、プロテインドリンクというのは、結構微妙な立ち位置の商品なのだ。

 料理などに使用できるかと言えば、そうではない。

 小腹が空いたときに丁度良いかと言えば、所詮は液体である。

 応用が利かないのだ。

 しかも、運動が習慣化していない人からすれば、ただ普通に高いだけのジュースでしかなく、筋トレ勢からすれば、粉のプロテインと比べてコストパフォーマンスがあまりにも悪すぎる。

 凄い微妙なのは分かって貰えるだろうか。それがプロテインドリンクという商品の立ち位置だ。

 秋水も正直、プロテインは粉の方で良いよな、と思っている節はある。水と混ぜるだけなので、そんなに手間が掛かるわけでもないし。


「……あ」


 そんな秋水のその言葉に、にこやかだった店員の笑顔が凍り付いた。

 どうしたのだろうか。

 顔を上げれば、チョコレートフレーバーのプロテインドリンクを持ったまま、店員が固まっている。


「……どうされました?」


 先程店員にされた問いかけと、同じ言葉が口から付いて出た。


「あ、いえ、その……」


「はい」


「もしかして……スポーツジムに行かれている方って、こういう飲料、買わなかったり、します?」


 そろり、と顔を上げた店員の、その表情は何故か引き攣っていた。

 いや、本当にどうした。なんでそんなに困ったような顔をする。

 急に雰囲気が変わった店員に、秋水は首を捻る。


「まあ、私もジムには通っていますが、この手の物を持ち込んでいる人は見たことがありませんね。あまり推奨されませんが、プロテインを持ち込んでいる人は大抵シェイカーで持って来ているので、普通に粉の方だと思われますが」


「……えっと、そ、そうなん、ですね」


「ああ、もちろんですが、ジムが終わってから帰りに買うというパターンがありますので、一概に全員が買わない、とは言えませんが」


「そ、そうですよね!」


 ぱぁ、と店員の表情に光が戻る。

 どこかほっとした様子で、ピッ、とプロテインドリンクのバーコードを読み込む。

 微妙に、手が震えている。


「こうしてちゃんと売れてますもんね。そうですよね。大丈夫ですよね。あ、お支払いはいつもの電子マネーで宜しいですか?」


「はい、お願いします」


「かしこまりました。それでは、こちらにタッチをお願いします」


「はい」


 自分に言い聞かせるように呟きながらも接客を続ける店員に、それを不審に思いつつ秋水は会計を済ませる。

 そして商品を買い物袋にしまってから、ちらり、ともう一度店員の顔色を窺った。

 挙動不審なその感じが少し心配である。

 何かあったのだろうか、とは思う。

 いや、とは言えども、所詮は店員と客の間柄だ。気にしたところで仕方がないだろう。

 自分の後ろに他の客がいないことを確認してから、秋水は買い物袋を持ち上げて。




「……もしかして、プロテインドリンクの種類を拡充させる案を出したのは、渡巻さんなのですか?」




 ふと、話が繋がった。

 ただのアルバイトでしかない新人の店員が、何故そんな売れ行きに対して心配しているのだろうかとは気になったが、その責任の一端を担っているかもしれないと考えれば合点がいく。

 思わず口にしてしまった秋水のそれに、店員の女性は、うっ、と言葉に詰まった。

 それを見て、しまったな、と秋水は自分がいらないことを言ったことに気がついた。


「ああ、申し訳ありません、余計なことを言ってしまいました」


「あ、いえ…………その通りなので」


 別に首を突っ込む気もないのに余計なことを聞いてしまったと後悔したが、店員の方はがくりと項垂れる。

 マジか。

 いいや、その前に、ただの新人が店長に商品入荷に対して意見を出したのか。凄いガッツだ。


「売れ行きが良いから、こういう飲料の種類増やしたらウケそうですよねって雑談みたいに店長に言ったら、まさか本当に増やすとは思ってなくてですね……」


 いや、ただのとばっちりじゃないか。

 余計なこと言ったのは私なんですよね、ははは、と暗い声で自嘲気味に笑う店員は、お腹の辺りを軽く押さえていた。痛いのだろうか。

 それは普通に店長の判断なんじゃないだろうかと秋水は思ったが、責任感が強いのだろうか、店員の方はこれで売れ行き悪かったらどうしようかと気を揉んでいる様子だ。

 この店員、仕事の覚えが早く、責任感が強く、そして秋水の悪人面にも早々に慣れるくらいに適応性が高く、いわゆる委員長タイプの人のようである。

 そんなに気に病まなくても、と思いつつ、秋水はふむと小さく鼻を鳴らした。




「……プロテインドリンクには、商品としての方向性が2種類あります」




 そして、呟くように秋水は言葉を漏らした。


「……え?」


「客のターゲットが違うのです」


 ぱっと顔を上げた店員を見下ろして、いや悪意はないのだが、かなり小柄である店員を見下ろして、秋水はごそごそと買い物袋から入れたばかりのプロテインドリンクを取り出した。

 ハートマークがデザインされた、チョコレートフレーバーの代物だ。


「例えばですが、私の買ったこのプロテインドリンクは、主に運動やトレーニングをしている人に向けてデザインされています。この種類はパッケージに 『運動』 や 『トレーニング』 という謳い文句を入れられている場合が多くあります」


「え、はい。あれ? プロテインって、そういう商品ですよね?」


「そうですね。ただ別の種類もありまして……あ、少々お待ちを」


 1度断ってから、秋水はプロテインドリンクのコーナーへと行き、商品を1本手に取ってからレジカウンターの方へと戻る。

 そしてカンターへ、ことりと別のプロテインドリンクを置いた。

 秋水が買った物よりも小さめの、明るいデザインをされた商品である。


「こちらのタイプは、ダイエットやボディメイクを頑張っている人に向けたデザインです」


「あ、え、えっと?」


「男女差別的な発言になって申し訳ないのですが、どちらかと言えば、こちらは女性向けですね」


「あ、はい、そうですね。パッケージもなんか、それっぽい、ような?」


「そうですね。こちらには 『大豆由来』 や 『ソイプロテイン』 という言葉が好まれて使用されています」


「あ、本当だ……」


 店員は少し混乱しながらも、置かれた商品を手に取って律儀に商品を観察する。

 別の種類だと言いはしたのだが、正直なところ、それらは牛乳由来か大豆由来かの違いが微妙にあるだけで、どちらもプロテインであることには変わりがない。

 確かに、配合されているビタミン類やらミネラル類に違いはあるだろうが、それはほとんど商品ごとの誤差みたいなものである。

 しかしながら不思議なことに、運動を目的としているか、それともダイエットを目的としているか、それぞれ商品としてはっきりと別れている。

 それがプロテインドリンクという商品なのだ。

 いや最終的には同じなんだけどなぁ、というツッコミをしてはいけない。商品を売っている側の戦略なのだ。

 そして、その戦略の違いによって、売れ行きに差が出るのは当然のことである。


「棚の様子を見ると、売れ行きはこちらの方が好調なのかと思われますね」


 秋水が商品棚の方を指で示すと、素直に店員はそちらへと顔を向ける。

 拡充したプロテインドリンクのコーナーで、それぞれの売れ行き自体はそれほど悪くない。

 だが、それでも売れ行きに差があることは明白だ。棚にあるそれぞれの残数を見れば、何となく分かるというものだ。

 残数が多いのは、秋水が買った運動する人向けのホエイプロテイン。

 残数が少ないのは、ダイエットする人向けのソイプロテイン。

 良く買われているのは、はたしてどちらだろうか。


「まあ、素人判断で申し訳ないのですが、女性の方以外にも、ジムの初心者やライト勢の方はこちらのと同じ種類の商品を買うのかと思われます。ソイプロテイン系の方がお値段も優しいですからね」


「……えっと、もしかして、マーケティング調査の方ですか?」


「いえ、素人です。素人の戯れ言だと聞き流して下さい」


 そもそもただの中学生です、と心の中で付け加えながら、秋水は再び購入した方のプロテインドリンクを買い物袋の中へと入れた。

 いやもう、こんなのはただの余計なお世話である。

 ガキの戯れ言だ。

 アドバイスなんて偉そうなものでもなければ、経営戦略なんてご大層なものでもない。素人が何を口走っているのだという内容だ。

 余計なことを言ってしまいましたね、と軽く謝り、秋水は改めてコンビニを出ようと。


「あ、えっと、あ、ちょっと待って下さい!」


 引き留められた。

 出ようとしたところを振り返れば、店員の女性は慌ててポケットからメモ帳を取り出して、少し遠い位置からボールペンを手繰り寄せていた。

 しっかりと使い込まれているメモ帳である。それを見るだけで、彼女の生真面目さが窺えるというものだ。

 店員は急いでメモ帳を開いてからそれをカウンターに置き、すぐに秋水の方へと顔を向ける


「えっと、もう一度、ごめんなさい、もう一度最初から説明をお願いしても良いですか!?」


 生真面目と言うか、真面目か。

 いや勉強熱心と言うべきか。

 ただの余計なお世話でしかない秋水の説明に、何か感じるものがあったのだろうか。そんな大層なことは言っていないのだが。

 まあ、別に予定が押しているわけでもないし、それくらいは良いか。

 秋水は1度そう考えてから、小さく笑ってカンターの方へと戻ることにした。


「そうですね。それでは渡巻さん、まずはプロテインドリンクの顧客ターゲットについてなのですが……」


 人と話すことはあまり得意ではない秋水なのだが、不思議と店員に対しての説明は流暢な物であった。

 自分の得意分野の話だったからだろうか。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ちなみに、ホエイプロテインに対して微妙に辺りが強いのは、秋水くんが愛用しているのが基本的にソイプロテインだから。

 

 ちなみに作者もソイプロテインはです。

 安いからね!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る