24『秋水くんは15歳』

 疑うような、探りを入れるような、口元だけはうっすらと笑っているにも関わらず、そんな鋭い目つきをしてきた小学生高学年くらいにしか見えない少女みたいな年齢不詳な女性に、なんだか警察官に職務質問された記憶が秋水の脳裏に再び蘇る。

 去年は3回程されたっけ。中学校通して何回されたっけ。

 苦い思い出だ。

 ダンジョン内のドロップアイテムである白銀のアンクレットの素材について尋ねられるも、秋水にだって知らないことである。と言うよりも、てっきり銀とかそれっぽいポピュラーな金属だとすっかり思い込んでいたのだが、違うのだろうか。

 何と答えたものかと少しだけ考えてから、秋水は正直に話すことにする。


「すみません、素材が何かは私も知らないのです」


「知らない? 分からない、ではなくてですか?」


「ああ、はい、分からないのも確かです。それは人から譲って頂いただけなので」


「なるほど。では、これを入れる箱か何かはありませんでしたか? これほどの品でしたらケースがあるはずですが」


「申し訳ないです。その状態のまま手渡しされたものでして」


「……へぇ、なら、やっぱりハンドメイド」


 彼女の声色がワントーン下がった。

 露骨に探りを入れられている。

 だが本当に知らないものは知らないのだ。

 今の今まで素材についてなんて考えもしなかったが、これ、地球上には存在しないような、なんかファンタジー的な金属だったらどうしたものか。

 妙な緊張で秋水は姿勢を正し、そんな秋水を見ながら女性は数秒程黙ってから、ふぅ、と軽く息を吐く。


「申し訳ないですけど、この査定についてはウチの力不足です」


 そして女性は、秋水に対して頭を下げてきた。


「私程度の目利きではこれの素材が何なのかが判別できません。素材が把握できないと、重量での査定ができないんです。正しく値段を付けるなら、こんなボロい質屋ではなく、ちゃんとした測定器具を持っている専門店をお勧めしますよ」


 再び頭を上げると、女性の表情は笑顔に戻っていた。

 鋭い目つきから変わって今度は秋水がほっと一息つく番である。


「そうなのですか。それでは参考までの質問ですが、仮に買い取りをするとしたらどれくらいの値段になりそうですか?」


「いえ、ですから、ウチでの査定は……」


「あくまでも参考程度です。どうも私は装飾品に関しては全く疎いので、お姉さんの直感を参考にしたいのです」


「……おぉ、お姉さん」


 ぶっちゃけ目の前の女性の年齢が全く分からないので、とりあえず当たり障りがないようにお姉さん呼びをしてみたのだが、そんな営業トークみたいな言葉に女性の方は何故かにんまりと嬉しそうにした。

 まあ、周りからは子供扱いされてきたことが多かったのだろう。

 見た目だけで周りから理不尽なレッテルを貼られることについては身に覚えがある秋水は、思わず同情的な目をしてしまうと、それに気がついたのか女性は誤魔化すように咳払いを一つ。


「そうですね、ウチならこのまま単品でも最低は10万で、箱付きなら評価額の5倍は出します」


「そんなにですか。売るときはそれより高くなるんですよね?」


「当然です。そしてこれは、それでも売れます」


 2000円とか3000円くらいかなぁ、とか相場も何も知らないド素人丸出しの感覚で考えていた金額を軽く超える評価に秋水は目を丸くした。

 こういうのって普通は買い叩いて、そして高く売りつけていくスタイルじゃないのか?

 そんな疑問を抱くものの、女性の方はそんなものをはね除けるかのように自信満々に胸を張った。子供らしく見える。


「素材は確かに分かりませんが、全体から細部に至るまでとんでもない技術を盛り込まれているのが一目で分かります。ましてこれだけシンプルなデザインである以上一切の誤魔化しが利かないにも関わらず、研磨痕すら分からないくらい均一に仕上げられているのは職人の神業ですよ。いえ、もはや工法についてもまるで想像ができません」


「なるほど、そうなのですね」


「見る人が見たら工芸品と評しても不思議に思いませんよ。むしろノンブランドである方がよっぽどに不思議です。素材がそもそも市販で出回っていないような物だとしたら、一から素材を配合した可能性だってあります。ですが仮に素材自体がゴミ扱いされても、それの評価をひっくり返して余りある出来映えです。買い取り値段に関しては、ほとんど職人の腕に対しての評価と言っても過言ではありません」


「なるほど、そうなのですね」


「そしてこの素材が私の知らないレアな物だとしたら、評価額は桁が幾つか上がるはずです。いえ、桁を上げるだけならもっと簡単な方法もありますが」


「なるほど、そう……そうなのですか?」


 目を輝かせながら語り始める女性の言葉をほとんど理解できない秋水は、なるべく女性の機嫌を損ねないようにと適当に相槌を打っていたが、ぽろりと気になるワードが耳に入った。

 買い取り金額が上がる方法。

 それは知りたい。

 もしもこのアンクレットを売り払うとしたら、できるなら高く売りたいものである。もちろん変な疑いを掛けられない程度に。

 そんな方法があるのかと秋水が首を傾げてみると、女性はにこりと笑う。




「はい。制作者の情報ありでしたら、10倍、いえ、20倍は出します」




 答えられねぇよ。

 思わず苦笑いを浮かべる。

 不思議なダンジョンに出てくる、不思議な化け物をぶっ殺したら、いくらかの確率で勝手に落とすんです。そんなことを言って誰が信用するというのか。

 秋水の苦笑いを、女性は笑顔のまま真っ直ぐに見る。

 数秒程、沈黙が降りた。


「……ははっ、それはまあ、個人情報の話に引っかかりますけれど」


「……そうですね。流石に私の判断で勝手に喋って良いものでもありませんので」


「ですよね。あはは」


 乾いた笑いである。

 彼女なりのジョークだったのだろうか、軽く笑ってから女性はカウンターの上に白い布を1枚敷き、その上に持っていたアンクレットをことりと慎重に下ろす。

 どうやら雑に扱って良いものではないようだ。少なくとも、リュックに無造作に突っ込んでいて良いものではないらしい。

 価値がある物であることが知れただけでも儲けものだなと、女性のアンクレットに対しての取り扱いを眺めながら秋水は内心でご満悦となる。

 結局の所正確な価値についてはよく分からないとのことだが、少なくともそれなりの値段では売れるようである。

 これは金策についてクリアと言っても良いかもしれない。

 後は売り方が問題だろうか。


「それでお客さん、この品はどうします? ウチで買い取るならとりあえず10万からで見ますけど」


 どうしようか考えていると、女性がそんなことを聞いてくる。

 おや? 買い取り不可ではなかったのか?

 そんな考えが表情に出てしまったのか、一拍置いてから女性は、ああ、と軽く声を上げる。


「貴金属としての正しい値段はウチでは査定できませんが、買い取り値段を付けることはできますよ。あとでクレーム入れられても困りますけど」


 ああ、なるほど、正しい価値じゃなくて良いなら、買い取ること自体はできるのか。

 幸いなことにドロップアイテムである白銀のアンクレットは、ここで1個売ったところで、まだ余っている。

 10万円というのが買い叩かれているのかどうかも分からないが、価値がある物だと教えてくれただけでも儲けものという感じだったのだ、1つくらいは売り捌いてしまっても良いだろう。

 良い気分のまま、秋水はそんな風に軽く考えた。

 いや、本当に、とても、軽く考えた。


「では、買い取りをお願いします」


「え!? ウチで良いんですか!?」


 何故か女性の方がビックリした様子。

 それもそうか、専門店に持って行った方が良いとアドバイスした手前、ここで売ってもらえるとは思ってもいなかったのだろう。

 そんな女性に秋水は一度頷いた。


「ええ、私が持っていても仕方のない物ですから。正直な所、売れるなら何処でも良いかな、と」


「はぁ……まあ、ウチはありがたいですが」


 微妙に納得いかない様子ではあるが、女性は困ったように笑ってアンクレットを一度見る。

 それから手袋とマスクを外して、アンクレットを乗せた白い布を一度横にずらしてから何かの書類をカウンターの下から取り出した。

 ほとんどノールックで手袋やら書類を取り出している所を見るに、この女性はちゃんとしたここの店員で、しかも新人さんでもない様子なのが改めて分かる。

 子供扱いしなくて良かった。

 そして、新人ですらないとしたら、この人一体何歳なんだ。


「では買い取り書類を作るので、ああ、物が物なので身分証の提示も良いですか?」


「はい。身分証は生徒手帳でもよろしいですか?」


「生徒手帳? ああ、学生証ですか。良いですよ。と言うか、お客さん、大学生だったんですね、もっと年上の方かと」


「いえ、中学生です」


 ペンを取って書類に何かを書き込もうとしていた年齢不詳の女性の手が、そこでぴたりと停止した。

 いや、もう、次の展開が予想できる。

 オブラートを何重にも包んで言えば、人より大人びて見える、と評されることの多い秋水は、中学生だと弁明しても信用されないことが多い。と言うかほぼ信用されない。

 そう言えば、真夜中のジムで出会った美寧とかいった女子高生からも、なんか社会人的な誤解をされたまま訂正できなかったなと思い出し、若干げんなりしながらリュックを探る。


「は? 中学、生?」


「……ええ、よく間違われますが、はい、中学生です」


 予想通り、何言ってんだお前、みたいな目で見上げてきた女性に対し、もはや諦めの境地で取り出した生徒手帳を広げて見せた。名前やら顔写真やらが載っているページである。

 女性はその生徒手帳へと目をやって、驚愕の表情を浮かべて秋水の顔を見る。

 こんな面で子供ですとか言われても、そりゃ信じられないだろうね。秋水は心の中だけで愚痴を零しつつ、女性に対しては怒ってないアピールをするためににこりと笑顔を向けてみる。

 なお完成度。

 秋水の渾身の笑みを見てしまった女性は、さっと顔を青くして俯いてしまった。

 おかしい、来店したときと同じ顔色になってしまったじゃないか。


「あー……」


 先程よりも長い沈黙を経て、絞り出すかのように女性は声を上げる。

 それから、ちらりと秋水の顔を確認する様にちらりと目線を上げ、そこから生徒手帳へとすっと視線が移る。


「お客さん、えっと、むねまち、しゅうすい、くん?」


「はい」


「えー……っと」


 また俯いてしまった。

 いや、正確にはカウンターに置いてあるアンクレットへと顔を向けてしまった。

 再び何秒かの沈黙。

 現実を受け入れられないのだろうか。だが残念、受け入れて頂くほかにない。


 そして唐突に、女性はカウンターの上で頭を抱えた。


「青少年保護育成条例……でもカモが……じゃない、いや、これは……ぅ、うー……」


 何か急にぶつぶつ言い始めた。

 こわい。秋水は思わず一歩引いてしまう。

 中学生相手だと何か困ることでもあるのだろうか。とりあえず頭を抱えたときに何かを書こうとしていた書類がぐしゃりとなったが、それは大丈夫なのだろうか。

 急変した女性に秋水が1人でハラハラしていると、しばらく経ってから女性はのそりと顔を上げた。

 何故か分からないが、女性は数秒程秋水を恨めしそうに睨み上げ、それからブルブルと頭を振ってから気合いを入れるように自分の頬を両手でパチンと叩く。何かの試合前なのだろうか。




「……ごめんなさい、これ、買い取れません」




 そして女性が告げたのは、買い取り不可の手の平返しであった。


「秋水くんは、自分が未成年なのは分かるよね、じゃないや、分かりますよね」


 疑問を口にするよりも早く、女性は矢継ぎ早に理由を説明し始める。

 未成年。

 まあ、そうである。

 いくら大人に見られることがあっても、秋水自身は15歳、子供に過ぎない。


「ええ、まあ、はい。私は子供ですね」


「ぶふっ」


 何故か失笑された。

 正しい意味での失笑である。

 何故だ。


「失礼しました」


「いえ」


「話を戻しまして、一応ウチも正式な古物商なので、法的な縛りが幾つかありましてね」


「ああ、未成年からは買い取れない、みたいな感じですか?」


「はい、その通りです。未成年だと確認してしまった以上、ウチでは買い取ることができないんです」


 ふき出したことをなかったかのように説明してくれる女性に、なるほどなぁ、と秋水は思わず納得してしまう。

 確かに、子供がリサイクルショップで売ることが可能なら、親から盗んできたものを売ってしまうことだってできてしまう。それは普通に困るだろう。それにマズいものを売った場合、子供では法的責任がとれない。

 確かにな、と思いながら、秋水は出していた生徒手帳をリュックではなくズボンのポケットに入れ、困ったように溜息を一つ。


「そうなのですね、それは残念です」


「申し訳ないです。ご両親と一緒なら買い取りは可能なんですけどね」


 同じく困ったように笑う女性が解決案を示してくれるが、それこそ困ったことに秋水にとってはなんの解決にもならない案であった。

 両親と一緒に来店は、できない。

 なにせ、今は独り暮らしである。

 だから、両親と一緒に、は物理的に無理だ。


「うーん、両親は、ちょっと連れて来られないんですよね」


「……でしたら、買い取りはできないですね」


「残念です」


 本当に残念だ。

 ドロップアイテムがそれなりの値段で売れそうだと分かって金策に目処がつくと思った矢先、それが実行不可能だと知らされたのだ。

 上げて、落とす。

 典型的な絶望への叩き込み方である。鬼のような仕打ちだ。

 資金源については振り出しに戻ったということか。本当に売り方が問題となってしまった。とほほである。

 再び溜息を漏らしてしまった秋水に、女性は少し考えてから白い布に乗せたままアンクレットを秋水に差し出してきた。


「次に物を売るときは、大人の方、と一緒に来てくださいね」


 大人の方、という所を妙に強調して女性はにこりと笑顔で告げてきた。

 差し戻されたアンクレットを受け取りながら、秋水はその言葉を数回程頭の中で反芻するが、あまり深い意味は理解できない。


「大人、ですか?」


「ええ、本当は保護者と言うべきでしょうけれど……」


 素直に聞いてみると、待ってましたと言わんばかりに女性はカウンターに身を乗り出し、秋水を手招きする。

 ちょっと耳を貸せ、というポーズだ。

 何だろうかと秋水は耳を貸すように近づいてみると、店内には他に誰も居ないにも関わらず女性は小声で続ける。




「……この業界としては、ちゃんとした大人の身分証明さえあれば、誰でも構いませんよ。その人の物として扱うだけですので」




 いたずらっ子のように笑う女性は、まるで本当に子供のようだった。

 思わず、良い子だ、と感動しかけるが、良い子も何も年上の女性であった。欺されてはいけない。いや、本当に年上なのだろうか。

 とりあえずは、リサイクルショップのグレーゾーンを暴露とか、良い大人が子供に対して言って良い内容ではないはずだ。何を教え込んでいるのかという話である。


「えーと、それは……言ってしまって良いのですか?」


「内緒ですよ。良いきんに、じゃない、良い品物を見せてもらったお礼みたいなものです」


「そんな感じで良いのですか?」


「ええ、もう、それだけ価値のあるのを見させて貰いました。それだけ逞しく鍛え上げるのには眠れない夜もあったでしょう。あ、金属成形の話ですよ、他意はないですよ、本当ですよ、触りたいとか考えてませんよ」


 いや査定のときに普通に触ってたやないか。

 ツッコみたくなるのを堪え、そうですか、と秋水は返しながらアンクレットをごそりとリュックの中に入れる。

 大人。

 大人の協力が必要か。

 頭の痛い問題だ。

 現状、秋水の身近には頼れる大人がほとんどいない。

 ましてや名前や身分を貸してくれる大人となると、全然である。

 となると、女性がこそっと教えてくれた方法も、あまり解決案とはなりそうにない。

 溜息が出そうな状況には変わりがないが、ここで本当に溜息をついてしまうと、せっかくグレーゾーンな方法まで教えてくれた女性の顔に泥を塗るだけである。

 出そうになる嘆息もぐっと堪えていると、カウンターから身を乗り出す格好のまま女性が話題を変えてきた。


「そう言えば、秋水くんは何かスポーツとかしているの?」


 なんか急にフランクな喋り方である。

 最初は子犬のように震えていたのに。


「スポーツ、ですか?」


「そうそう、ラグビーとか、プロレスとか」


「ああ、これですか」


 何を言いたいのだろうかと思ったが、女性の聞きたいことに感づいて秋水は自分の腕や体に目をやった。

 筋トレで鍛えている体は、他者と比べても筋骨隆々とした方だという自覚はある。

 とは言えど、パワーリフティングなど各種大会に出ているような猛者や、名だたるボディビルの大会に出ているような本職の人々と比べたら全然まだまだ未熟なものである。ステロイドも使っていない、ただのナチュラルなわけだし。

 三流なつもりはないが二流止まりでしかない、という自己評価である秋水は、あんまり自慢するようなものでもないけどなと思いつつ、女性に力こぶを見せるようにして右腕を上げ、上腕二頭筋を収縮させる。


「ぅぎゅっ」


 長袖のTシャツだから分かり易いように袖捲りした方が良いかとも思ったが、少しタイトなTシャツで秋水の腕の太さだと袖捲りは少々辛いものがある。まあ、Tシャツの上からでも分かるだろう。

 そんなことを適当に考えながら適当なポージングをしてみると、女性の方から奇妙な鳴き声が聞こえた。

 なんだと女性の方へと目をやるが、女性の方はにこやかな笑顔のままである。

 何だったのか。


「スポーツは特にしていないんです。この体格は趣味で筋トレをしているからですね」


「しゅ、趣味で、この筋肉……」


「ええ、まあ、本格的ではなくて、かなり気楽なエンジョイ勢ですが」


「いやこれでエンジョイ……」


「触ってみますか?」


「……ぐっ!?」


 他愛ない世間話みたいな会話の流れから、妹がよく筋肉を触ってきていたことを思い出して軽く聞いてみたが、その返事は断末魔のような短い悲鳴であった。

 左手で鼻の周りを。

 右手で心臓の辺りを。

 それぞれに抑えて女性は急に俯いてしまった。

 なんだ、どうした。これは個人経営店でありがちな、ゆるい接客トークじゃないのか。


「……秋水くん」


 たっぷり10秒くらいは黙ってただろうか、小刻みにぷるぷると震えていた女性は、いや現在進行形で震えている女性は、若干赤くした顔をゆっくり上げて秋水を睨み付けた。

 いや怖。


「自分の体は大切にしなさい」


「え、あ、はい。体は資本と言いますからね」


「そうじゃないから。そういう意味じゃないから」


 急に説教のように諭されることに目を白黒させていると、女性は盛大に溜息を吐いた。なんだそのクソデカ溜息は。

 両手を戻して女性はきっと真面目な顔をした。

 何故だろう、真面目な顔をしているのに、口端のよだれが気になって仕方がない。


「秋水くん、タダで体を触らせるとか、ビッチだからねそれ」


 ちょっと何を言っているのか分からなかった。




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 現状、秋水の身近には頼れる大人がほとんどいない。

鎬「おーい」

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