第8話 人見知りのエロ女
宿泊する予定のゲストハウスのオーナーは、駅まで迎えに来てくれた。
歩いて数分の距離なのに、迷う人が結構多いんだそうな。
部屋に案内してもらい、チェックイン手続きをする。
「....」
「....」
部屋の使い方の説明を受け、必要な事は全て完了。
その後、沈黙が訪れた。
私の★超絶!人見知り★が発動したからだ。
「....」
特に、何を話せばいいのかわからない。
向こうも、「この後、どのような予定ですか?」とか、「何かしたい事ありますか?」と気を遣って話し掛けてくれるけれど、「特にないです」と答えてしまう。
「もし良かったらお使いください」
あまりに重い空気を打破したかったのか、オーナーはノートパソコンを出してきた。
「あ、はい」と受け取った私は、慣れない日本語のキーボードに戸惑う。
とりあえずリンクをクリックして、面白そうな動画でも見よう。
「あっ!ああっ!あんっ!あんっ!」
どこをどうしたのか...なんか...動画の中の男女は...アレしている...。
えーっと...これ...。
「何見てんすか?」
オーナーがこちらを見る。
「....」
そっと、ブラウザを閉じた。
「ところで、食事どうします?もうされました?」
「まだです。」
「お酒飲める歳ですよね?居酒屋ですけど、一緒に行きます?」
「あ、はい。」
付いて行く事にした。
なんかちょっと、嬉しかった。
オーナーが連れて行ってくれた居酒屋は、地元の人たちが集まる店だった。
関西風・関東風の両方のお好み焼きが食べられるし、串揚げも頼めるのが魅力。
「串揚げ頼みます?カエルとかイノシシとか、珍しいのもあるんで。」
「はい。」
言われるままに、カエルを注文した。
これが意外と美味しかった。
魚と鶏肉の中間という感じ。
気分が良くなった私は、ビールを注文した。
たこ焼きも。
このたこ焼きで、私はやらかした。
日本に居る間に食べておきたい1品で、メニューにあったから注文したんだけど...。
出て来てすぐ、1個丸々、口の中に入れてしまった。
熱い!
ヤバいマジ熱い!
でも吐き出すわけにはいかない!
「あっ、あっ、あふっ、あっ、あっ」
我慢した結果、火傷してしまった...。
この後、何を食べても味がイマイチわからない状態に...。
それに加えて痛い...。
「それwwwさっきの動画の?」
えっ?
「まさか、エロ動画を見られるとは思いませんでしたwww」
うっわ、ここでそれを言う?
口の中火傷してそれどころじゃないのに、最悪だ。
それにあれはたまたま、変な所クリックしただけ...。
って、どこクリックしたっけ?
お気に入りフォルダだっけ?
...いずれにしろ、私はオーナーに、エロい女だと思われてしまったっぽい。
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