第7話 漫画読んで岡山へ

うどん屋さんでしょんぼりした私は、観光をやめて少しのんびりしたくなった。

そこで、日本の漫画をじっくり読んでみる事にした。


翌朝、ホテルをチェックアウト後、インターネットカフェを目指す。

片道25分の距離。

高松の街を感じながら歩くのにちょうどいい。


ネットカフェでは会員証の提示を求められた。

作成も会費も無料と言われたけれど、面倒だったので非会員料金で入った。


バスケットボールを題材にした青春漫画を読む。

ゴリラ顔のキャプテンの尻が出るシーンで爆笑した。

そのキャプテンが怪我をして、主人公に試合を託す時のセリフは、鳥肌が立つほど感動した。


良い作品に出合えた...。


ネットカフェ、良いよね。

ドリンク飲み放題だし。

シャワー使えるし。


日本語慣れしてないせいか、私は漫画を読むのが遅い。

絵とセリフを繋げて理解するのに時間がかかるみたい...。

そのせいか、疲れるのも早い。

いっぱい読みたいのに...。


「もっと読みたかったな」と思いながら、ネットカフェを出る時...



「ご自由にお持ち帰りください」



と書かれた箱が目に入った。

どうも、古くなってページが破れたりして店に置けなくなった本らしい。

そこに、さっきまで読んでいた漫画の続きの巻があった。


おおおおお!!


これは持ち帰らせてもらおう。

夜寝る前とか、暇な時に読むのだ。

そのさらに続きは、東京に帰った後にまたネットカフェで読んだりしようかな。



高松を出た後、岡山に向かう。

今日はのんびりしたいからね。

本州に戻ってすぐの岡山に泊まろう。


岡山で最も有名な観光地だと思われる、後楽園には昨日既に行った。

そこで私は、今日宿泊する予定の、民泊型ゲストハウスにチェックインし、オーナーの人のお勧めの場所と食べ物を教えてもらおうと考えた。


この日、岡山のこの宿を選んだ事は、私の人生の大きな分岐点になった。

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