284 アグル男爵領の発展2

ドミトリー:「その件だがな、俺が現地に行って話をつけて来ようか?俺なら帝国に命を狙われる身だから今更奴らを追い出すのに手を貸したところで俺の立場は変わらんし、俺の強さは知られているから人睨みすれば奴らは逃げていくに違いないし、帝国とアグル男爵の問題には発展しないだろう。」


なるほど、言っていることには一理あるような気もする。

俺:「それはありがたいな。ぜひお願いするよ。」俺はテクノにドミトリーを引き合わせてその件に関して後を任せるのだった。


俺はそんなつもりでドミトリーに話をした訳ではなかったのにな。ただドミトリーがどう思うか知りたかっただけだったのだが。でも村を俺の領地に併合することを村人のためになる事と判断してくれたと思いたい。


だから手を貸すと申し出たのだと。



それからも 同じような村は次々に現れてその度にドミトリーは手を貸してくれた。自ら進んで。


俺の領地はだんだん広がっていった、と言って良いのだろうか?それらは俺の領地なのか?それともただの帝国から独立を勝ち取った村でどこにも属していないのか?税を払っている訳ではない今の状態は俺の領地とも言い切れない村だ。


だが、その村々は俺の庇護化に入ることを自ら希望してそう申し出てきたものなのだ。ここはきちんと俺に税を払うようなシステムの構築をしなくてはならないのだろう。俺はシタダロウスにこのことをそうだんしに行った。この手の案件はシタダロウスが1番頼りになる。アルゴとテクノを連れ立ってシタダロウスに手解きをしてもらう。


村の独立のリーダーを代表者に取り立てて統治の仕組みを構築していくシタダロウス。第3騎士団から引き抜きたくなる。

アルゴとテクノもかなり優秀な人材だと思うが師匠のシタダロウスは2人の上を行く。

まだまだシタダロウスに学ぶことが多いと2人は言った。



周辺の村が俺の支配下に自ら入って帝国領が俺の領地に代わって行く。大規模な軍事行動があった訳でも無くだが次々に領地が失われていく状況に帝国は焦りを感じたのか、また帝国軍が派遣されてきた。恐れていた事態が起きてしまったわけであっる。


索敵によればまたしても10000人規模の派兵であった。ドミトリーの思うようにはいかなかった訳だ。一つや二つの村ならば帝国も捨て置いたかもしれないがもうそう言う規模では無く放置できなくなってしまっていた訳だ。そこがドミトリーの読み違いだったのだ。


帝国軍と戦うことにドミトリーは反対はしなかった。それが帝国兵の大量虐殺になるとしても自領の民を守るのが領主の役目なのだから。


ドミトリー:「男爵の言うとうり皇帝を殺さない限り戦争は続くのだな。俺は仲間を守る為の戦いは反対しないぜ。手を貸してやるよ。俺達3人も一緒に戦う。」


俺:「有難いけれど帝国軍の相手は俺がやるよ。チョット考えもあるしね。」俺はドミトリーの申し出を丁重に断った。

そしてまた俺はゴーレム50体をその軍に向かわせたのだった。

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