282 帝国四天王ドミトリー5
ドミトリーを返り討ちににしてから3ヶ月が経ってその間帝国軍に攻めてくる兆候は無く、もしやドミトリーが皇帝の説得に成功したのではないかと思い出していた頃、ドミトリーがロゴラにやってきたのだった。
ドミトリーは2人の部下に連れられてやってきた。本国には彼の手足を完治させることのできる手立てが無かったのだろう。手足の動きは不完全なままであった。
俺はエンビーと一緒に鎧をまとって彼等を街の手前で出迎えた。手足が不自由でもドミトリーの気配は索敵で分かったからである。
街の前で待ち構えられたドミトリー達は驚きを隠せなかったが、ドミトリーは俺たちに話しかけてきた。
ドミトリー:「この前は楽しかったよ。手加減してくれてありがとうよ。今日は借りた馬を返しにきたのと、お前に話しておくことがあってな。」
俺:「その体でわざわざきてくれるとはありがたいな。どうやら和平の話はうまくいきそうなのかな。」
ドミトリーがうつむくのを見てどうやらダメだったようだと感じる俺たち。
ドミトリー:「その件だがな、俺もお前の言う事は理解できたし、帝都を燃やされたくはなかったのでな、、、本気で皇帝を説得したんががな、、、、まあ、、、あれだな、、、始めから無理な話だったよ。」
そう言いながらドミトリーの部下達が引いてきたエンビーの馬を返してくれた。
俺:「それは俺にとっても、貴様にとっても帝都の民にとっても残念な事だったな。」
ドミトリー:「帝都を丸焼きにするのはよしてくれ、、、というのは虫がいいか。 まあ俺も帝国を追われた身だしな。どうにもならんな。ハハハハハ。」
俺:「なんだ? 帝国を追われた身だとは?」
ドミトリー:「皇帝にしつこく意見しすぎたせいで命を狙われる身になってしまったのさ。アハハハハ!今ではコイツらが俺の命を守ってくれてるというわけさ。」
ガンビット:「ガンビットです。」
バンビーノ:「バンビーノと申す。」
ドミトリー:「コイツらは俺の軍では両腕だった元部下達だ。」
俺:「俺の依頼のせいでお前 命を狙われてるのか。もうお前が王国を攻めたりすることはなさそうだな。それにしても本当にロクでもないな、皇帝様は。」
ドミトリー:「馬は返したし、、、さてそれではさよならだ。帝国軍には気をつけろよ。ここは最前線だからな。」
俺:「わざわざ馬を返しにきてくれてありがとうよ。それから、、、命を狙われてその手足は不便だろう。今治してやるよ。」俺はそう言うとエクストラヒールをドミトリーにかけてやった。
ドミトリーの手足が光に包まれて見る見るうちに治癒していった。
ドミトリーは治った手足を動かしながら本当に治っているかを確認した。そして俺を見た。
ドミトリー:「本当に治っているようだ。凄いな。ありがとうよ。お前にやられた傷をお前に治してもらってお前にえらく感謝するってのは、、まあ、、、本当にありがとうよ。この恩はいつか必ず返すからな。」
ガンビット、バンビーノ:「ありがとうございます。」
俺:「俺がやった傷だからな。そんな礼を言われることでもないさ。ただもうここを攻めないでくれよな。」
ドミトリー:「その心配は無いよ。ところで俺たちがこの町に住んでは不味いものかな。」
俺:「別に良いけど、自分達の身は自分で守れよ。」
ドミトリー:「ありがとうよ! それでは俺達はここに住まわせてもらう。」
俺:「じゃあ、領民として登録したら良い、住む部屋くらいはそこに見える建物に与えられるぞ。男爵領に登録された領民にはね。僅かな税もとるけどな。宿代より安いぜ。」
ドミトリー:「そうさせてもらうよ。」
こうしてドミトリーは男爵領の領民になった。
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