281 帝国四天王ドミトリー4
エンビーがドミトリーに何かを言って送り出していた。ドミトリーを乗せた馬はエンビーがここまでくるのに乗ってきた馬だ。
俺:「エンビー、奴になんと言ったんだい?」
俺は気になったのでエンビーに聞いた。
エンビー:「ああ、あの馬は私の可愛がってた馬だから大事にしなさいよと釘を刺しといただけよ。」
エンビーはそう答えた。なるほどね。
俺はエンビーの手を取ると空を飛んで城塞に戻って行った。
ドミトリーは馬の背に乗せられ馬によって運ばれていった。その内帝国の誰かに四天王様は保護されるだろう。ドミトリーは口は達者だからその辺はどうにでもしそうだ。そう離れていないところに部下たちも控えていそうだしな。
俺とエンビーは帰り道の空の上を楽しみながら周囲の様子も眺めながら帰るのだった。
ロゴラの周辺にも周辺から集まってきた人たちの住むバラック小屋のようなものがたくさんできてきていた。
それに比べて男爵領の領民になる手続きを済ませたものは塀の外に小さいながらもしっかりとした家や部屋あたえられた。
俺がモデリングによって作ったマンションのような建物による集合住宅だ。
壁の外に造られた居住区の一画にはこのマンション街が並んでいる。指図め公団住宅のようなものだ。安い税に代わりにその家を貸し与えている。この建物は3階建てでまるで城壁にも似た様相に見える。
男爵所有のこれらの建物の住人たちを管理するためにアルゴとテクノは有能な部下を探し集めて雇い俺の使用人の数も少しずつ増えてきていた。
男爵領の整備には俺のモデリングによる建設能力が大いに利用されている。その分俺は大忙しということだ。井戸や水路の整備にも俺は一役買っている。思えば魔法は便利だが、建設業の発展を邪魔しないように民間部門には手を出さないようにしている。
つまりはお金持ちが自分の好きなように建物を建てるときは建設業者に建ててもらうということになるわけだ。その分人件費や材料費などが掛かりそれが経済効果を生むわけなのだ。土木作業は多くの雇用を生んだ。ただ民間に注文を出す金持ちがまだ少ないとは言えるけれど。
ドミトリーを放逐してからしばらくの間、帝国側から気になる動きは観測されていない。ただ周囲から集まり続けている人間たちの間には何者が混じっているかは定かではなかった。
ドミトリーのような刺客は少ないだろうが情報収集のためのスパイのような者や犯罪集団も紛れ込んでいるに違いないのだ。その為に警察組織も整備拡大が進んでいる。
農地の拡大と小作人の増加によりその組織だった管理も考えられている。まるで国営農場のようなものだ。その管理もアルゴ達の仕事だ。アルゴとテクノによって男爵領の組織だった発展も目に見えて整えられて来ていた。有能な奴らだ。俺の前世の知識によるアドバイスも役に立っていたが。
今回のドミトリーの出現は男爵領の安全性に一石を投じたと言える。足元の町は思っているほど安全ではないということだ。少なくとも城壁内にはもう少し安全性を担保したいと考えている。
今でも城壁内には安全が確認されたもの以外は入れないようにしているし、城門には門番を配している。
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