185 グリフォン

グリフォンを発見した俺は、その習性や強さを知るために観察を始めた。


グリフォンは上半身がワシや鷹のような鳥の姿、下半身がライオンという姿の魔獣だ。


この世界のグリフォンもそれで相違ない。


知能が高くさまざまな魔法を使い人語を解する個体も存在するという話もある。


また前世のお話の中には黄金を護っている守護獣だとかいうものも。


観察してわかった事はグリフォンはそれほど飛ぶのは早くないという事。


風魔法ウィンドカッターを好んで使い時折サンダーを使うこともあった。


サンダーホークやファイヤーイーグルと遭遇してもお互いスルーで、お互いが戦いたくないほどの強さを認め合っていると思われた。


逆にワイバーンやハーピーなどは狩って食べていて、その時にマジックリフレクションを展開することもあった。


さまざまな魔法を使うというところは本当のようだ。


マジックリフレクションを使うとなるとかなり厄介かもしれない。


こちらの魔法攻撃を弾かれるということだから。


ただ常時展開している訳ではないようだから隙をつけば魔法が通る事もあるかもしれない。


いずれにしても手強い相手と言えそうだ。


奇襲をかけるにしても魔法攻撃では、発動に気付かれマジックリフレクションで返されるに違いない。


それならそっと近づいてグサリといくほうがいいか。


俺はゆっくりと剣を構えて近づく。後上方から急所を一突きにしてやる。


突然グリフォンが振り返り、ウィンドカッターで攻撃してきた。


どうして俺に気付いたのかわからないが突然の攻撃に俺はまともに魔法を食らった。


常時発動していたマジックリフレクションでウィンドカッターは弾き返されたが、


返って行く風を前脚で切り裂くグリフォン。驚いた奴だ。


奴は見えないはずの俺を睨みつけている。


速攻で斬りつける俺の剣を奴の張ったシールドの盾が受け止める。


飛び退く俺。


グリフォンの雷撃が走る。俺のシールドとマジックリフレクションがそれを弾き返す。


俺はアイアンバレットを連射する、奴のシールドとマジックリフレクションが弾き返す。


俺は回り込みながら連射を続けた。こうなれば魔力量の勝負だ。


10分ほど打ち続けるとグリフォンは魔力が切れてきたのか、マジックリフレクションが発動されなくなった。


あとはシールドを破るまで連射を続けてやる。


グリフォンを守っていたシールドが割れ出して、俺のバレットがグリフォンに通り出した。



次の瞬間には、グリフォンは「ギャオー」という一声を残して俺のバレットに散々に撃ち抜かれて倒れ込んでいた。


俺の魔力量の勝利だった。


マジックキャンセラーで魔法を封じるという手も考えたが、マジックリフレクションで返されたらどうなるのかわからなかったので、物量勝負にかけてみたのだ。


俺の魔力量は1/3程しか減っていなかった。余裕の勝利ということかもしれない。


俺はグリフォンをストレージに収めリザトルさんのところに持って行こうと思った。


リザトルさんがグリフォンの剥製を作れると言って喜ぶに違いない。


グリフォンの巣の周りに護っている金塊なんて無かった。


金塊の守護獣とかではないらしい。残念だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る