180 サンダーホーク2

戻って来た俺にアポン、アゴン、エンビーの3人が寄って来て


身体中の傷をチェックしてくれた。


特に大した傷がない事を確認して、アポンが口を開いた。


アポン: 「どうだった?大した傷もないようだけど、楽に勝てたのかな?」


俺: 「まあ、なんとかね。最初に奇襲で奴の尾羽を傷付けたから、


   奴の飛行スピードに影響が有ったかも。」


アゴン: 「スピードでは負けてなかったみたいだな。


     奴の雷撃は何度か受けていたみたいだが、ダメージないのか?」


俺: 「マジックリフレクションとシールドのお陰で大したダメージには成らなかった。


   俺の魔力防御の方が奴の攻撃力を上まわっていたみたいだ。


   もっと強い個体相手だとわからないけどな。」


エンビー: 「無事に帰って来てくれてホッとしたわ。


      心配無いとは思ってたけれど、初めての相手は緊張するね。」


俺: 「心配かけて済まなかったけど、一休みしたらもう1匹狩りたいな。」


俺は魔石から魔力を吸収しながら言った。


アゴン: 「1匹と言わず何匹でも狩って良いんだぜ。」


アポン: 「そうだね、この様子なら何匹でも狩れそうだ。」


俺: 「経験を積むのは良いことだと思うよ。


   決して油断せずにかかれば勝てそうだからね。


   北にもう1匹いるのは飛行練習の時に見つけているから、


   今日はそいつとやってみたいな、付き合わせて悪いんだが。」


アゴン: 「良いぜ、もしもの時は、骨を拾わにゃならんしな。」


エンビー: 「縁起でも無いこと言わないでよ!」


アゴン: 「冗談だって!大丈夫だと思うから言えてるんだぜ。」


アポン: 「でも心配はしたよね。次はしないけど。」


俺: 「充分な防御魔法を展開していれば問題ないかな、奇襲さえ気をつければ。」


俺は少し休んでから北に飛んだ。


索敵にサンダーホークをとらえると魔法を展開。


気づかれないように接近する。


悠々と飛行するサンダーホーク、さっきの個体より少し大きいようだ。


奇襲が成功するかしないかは その後の展開に大きく影響する。


今度はかわされないように慎重に近づく。


魔法の発動をより素早く気づいた時には逃げられないように、、、


俺: 「アイアンバレット!」


今度はサンダーホークの最中にまともに命中した。


高度をガクンと落としながらも持ち直すサンダーホーク。急上昇を始めた。


俺もそれを追って上昇する。


空一面にカミナリを起こすサンダーホーク。


防御魔法で反射するが反動で下に押された。


俺の場所はバレて頭を抑えられる位置関係。


上からホークの爪が俺を襲う。


スペシャルシールドを二重の盾として展開して奴の爪を受け止める。


シールドを破ろうと力を込めるサンダーホークに、俺の反撃が決まった。


「ブラックファイヤー!」ホークの頭部が黒い炎に包まれていた。


自由落下するサンダーホーク。絶命したのだ。


あまりの近距離攻撃に逃げることが出来ず、


ホークは俺のブラックファイヤーを頭部に直撃されたのだった。


危機一髪からの大逆転、、、でも無いか。


スピードは有るが防御力はドラゴンほどでは無い。


一撃離脱が持ち味にも関わらず離脱が遅れて反撃を喰らうのは


こいつらの負けパターンだ。


その一瞬に攻撃を決められた事が勝因だった。


発動即攻撃命中のブラックファイヤーで攻撃したことも良かった。


アイアンバレットでは発動に気づいてにげられたかもしれない。


俺は地に落ちたサンダーホークを収納して、みんなの元に戻って行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る