サンダーマウンテンスパイダー

朝練に励むアゴン。


今日も今日とて熱心な奴だ、、、アゴンは。


俺も付き合う。


俺: 「おはよう、アゴン、今日はどうする?


   40階層には宝部屋が有るよな、多分。」


今までのダンジョンでは10階層ごとに宝部屋がありボス級の魔物が守っている。


アゴン: 「今日中にボスに挑むか、その前までじっくり訓練して明日ボスに挑むか?」


俺: 「そう言うこと」


アゴン:「アグルが魔法で瞬殺にしていけば、進みは早いからな、


    その分俺たちの実践経験としては、楽なものになるんだよな。」


俺: 「とっととお宝取りに行くか?」


アゴン: 「俺的には俺たちの闘う時間、お前には待っててもらいてーな。」


俺: 「わかった、それでいいよ、お宝がすごい剣だったらいいんだけどな。」


アゴン: 「そうか、それもあったか!そうだよな!」


アゴンは剣を振るのを止めて、すこし悩んだ後で、


アゴン: 「焦っても仕方ない、自力をつけないとな。」


俺: 「じゃ、俺も剣の訓練を重視して戦わせてもらおうかな。」


アゴン: 「それで頼むぜ」



38階層


今日は出来るだけ薬を飲まないようにヒールや援護の攻撃を行うことにして


1対1にこだわらないことでタプタプを避けることとした。


ビックサンダースパイダーが1匹の時と2匹の時があるが、


1匹は魔法で瞬殺、2匹目は剣で応戦


俺も混じって剣を振る。


4人がかりだと余裕だ。


2匹に対して、俺が1匹、もう1匹を3人で


という組み合わせで行くことにした。


つぎの2匹に遭遇、俺は剣で応戦、


盾でスパイダーの攻撃を防ぎ、フットワークよく動き回りながら、


剣で斬りつける。


瞬殺というわけにはいかないが確実にてきのHPを削りスパイダーは、


崩れて魔石になった。


アゴンたち3人も敵を倒していた。


この調子でどんどん先に進む。


39、40階層、ついにお宝部屋を発見。


40階層ではビックサンダースパイダー3匹を相手にして、


それほど苦にならずにここまで辿り着いていた。


アゴン: 「今日のうちにお宝ゲットしておくか?」


エンビーに魔力供給を済ませ、みんなに回復魔法をかける。


とりあえずボスと戦う前に魔石から魔力を吸収する。


準備は万全だな。


お宝部屋のドアを開けて中に入る。


サンダーマウンテンスパイダー、、山のように大きい、、と言うこの蜘蛛型魔物。


高さで、10mはありそうなその足は人の体ほどの太さがあった。


俺: 「ブラックファイヤー」


俺は先制攻撃のブラックファイヤー5練弾


その時サンダーマウンテンスパイダーもサンダーを唱えていた。


奴の頭部に5つの炎、と同時にこちらの4人に雷撃が当たる。


アゴン、アポンは盾で跳ね返しその雷は奴に当たる。


エンビーは防具の魔法防御が発動したが俺は盾で完全に受け切る時間がなく


ちゅうと半端な防御、雷撃のダメージをうけた。


俺: 「グハ!」


エンビーのアイシクランスの練撃がスパイダーを襲う。


キーーーーという叫びをあげるスパイダー


10匹のビックサンダースパイダーが召喚されたのか現れた。


何という数的不利なのか。


膝をついていた俺、、呼ばれたビックサンダースパイダーに


ブラックファイヤー5匹同時攻撃。


スパイダーの脚が襲い掛かる、


盾で受けるのがやっとだ。


他の3人も防戦一方だ。


攻撃を受けあるいは交わし、剣で斬りつけ、ブラックファイヤーを打ち続ける。


よし、10匹のビックサンダースパイダーもあと1匹だ。


キーーーーーとまた叫ぶサンダーマウンテンスパイダー


またしても10匹のビックサンダースパイダーがあらわれた。


これではエンドレスだ。


先にボスを倒しておかなくては。


アゴンとアポンがエンビーを守るように固まった。


エンビーの防御が半分削られている。


俺はサンダーマウンテンスパイダーに


ブラックファイヤー5発を続け様にお見舞いする。


ビックサンダースパイダーの攻撃を避けながらあるいはダメージを受けながら


ボスを先に倒さねば、この状況を好転させる術はない。


サンダーマウンテンが魔石にと変わるのを見届けた頃


俺もかなりボロボロになっていたが、


ビックサンダースパイダーは10匹残っていた。


エンビーとアポンが倒れている。


アゴンが2人を守るようにスパイダーの攻撃を弾き続けている。


残り10匹のビックサンダースパイダーにブラックファイヤーを当て


数を減らして行く。


流石に相手の攻撃が多すぎて交わしきれない。


エクストラヒールで自分を回復して、魔力が尽きた。


魔石を出して魔力を回復しながらスパイダーの攻撃を躱し、あるいは弾く。


回復も終わるまでもなく魔法攻撃で敵の数を減らす。


最後の1匹を倒し終わり、アゴンの元に


俺: 「2人は大丈夫か!」


アゴン: 「早くエクストラヒールをかけてくれ」


2人にエクストラヒールをかける。


息があったのか2人は蘇った。


そしてアゴンにもエクストラヒールをかける。


全員無事だった。今までに最も綱渡り的な勝利。


俺とアゴンは拳を合わせた。


アポンとエンビーも意識を取り戻してきた。


4人で無事を喜ぶ。


アポン: 「お宝はなんだった?」


宝の箱の方に歩いて行く。


俺: 「あけるよ」


宝の箱を開ける俺


中身は(龍殺しの斧)だった。


アポン: 「アゴン、これ振れる?」


アゴンが片手で振り回してみる。


アゴン: 「かなり重いけどなんとか使えそうだな」


アポン: 「僕はちょっと無理かな」


俺: 「剣じゃなかったけどアゴン 使ったら?」


アゴン: 「使ってみるよ。」


アゴンがこの斧を装備した。


エンビー: 「疲れたわね」


アゴン: 「今日は、これで帰ろうぜ。」


俺: 「アゴン、もしかして、勇者の証が進化してるんじゃないか?」


今日は死線をくぐり抜けたと言える激戦だった。


アゴン: 「そういう感じがした時があったぜ、今日は、、、


     確かにぐんと強くなってる感じもしてるしな。」


俺はアゴンを鑑定すると、確かに勇者の証はレベル3になっていた。


俺: 「やったな! アゴン」


アゴン: 「もうこんなのはしばらくごめんだな」


俺: 「まだまだ何回も繰り返さないと、勇者になれないぜ」


アゴンは苦笑した。

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