久しぶり?のサンジェルスの店

シェアハウスに戻り、普段着に着替えた俺たちは、サンジェルスの店に向かった。


もうすぐ夕陽がさすだろうと言う頃合い。


俺はエンビーと手を繋いで歩いて行く。


恋人握りってやつだ。


アポンとアゴンは俺たちの前を歩いて行く。


見てらんねーぜ、、とアゴンの最中に書いてある気がする。


サンジェルスの店に向かうアポンの足はいつも早い。いつもより。


俺とエンビーはもっとゆっくり歩きたい。


行き先はわかってるので多少離れてしまっても構わないか?


アポンが立ち止まって、俺たちの追いつくのを待ってくれた。


悪いね、気を使わせちゃって。


店が見えて来て、アポンが俺たちをチェックしてから店に入った。


続いてアゴンも店に入る。



俺とエンビーが店に入るとアポンとサンジェルスさんが何か話していた。


アポン: 「あ、来た来た。あの子が新しくパーティーメンバーになったエンビーです」


サンジェルス: 「そうかい、 なかなか美人さんじゃないか、


        アグルくんと仲がいいんだね。」


サンジェルスさん、意外とチェック早いな。


恋人つなぎしてるに気づいたんだね。


アポン: 「そうなんですよ。それで彼女に杖を見せてあげたいんですけど、


     まだありますよね?」


サンジェルス: 「ああ、この前見せたやつかい? 今出してこようかね。」


そういうと サンジェルスは中に杖を取りにいった。


すぐに2本の杖を持って戻って来たサンジェルス。


小さな女の子も一緒に店に出てきた。


あ、引きこもりのあの子だ、、と俺は思っていたら、


何やらアポンと小声で話ができてるようだ。


アポンのやついつのまにか距離を詰めたのだろう。


さては、 これはちょくちょく足を運んでたな、、いつそんな時間があったのかな?


サンジェルスがアポンに


サンジェルス: 「そういえば 昨日買っていった魔法回復薬は


        もう使ってしまったのかい?


        たくさん練習しているみたいだね」


アポン: 「はい、今日も買っていきますよ。」


昨日?  久しぶり行こうとか言ってなかったっけ。


まあ あの様子だと毎日のようにきてたな、例によって。


俺は昔のことを思い出していた。


毎日走って行ったっけなあ、付き合いで。


そういえば あの子は今頃どうしてるかな?


別の子と仲良くしてたみたいだし、うまくやってるんだろうな。


アポンもだいぶショック受けてたよな、あの時は。


今は立ち直ったようで良かった。



アポン: 「エンビー 杖 出してもらったから見てごらんよ」


俺とエンビーはアポンの方に杖を見に


サンジェルスが二つの杖を差し出しながら


サンジェルス: 「これが高い方で30万銀、もう一つが10万銀 


        どちらも良い杖だよ。ダンジョンから出た杖らしい」


俺が小声でエンビーに鑑定結果を解説する。


俺: 「高い方が、賢者の杖レベル3、


   持ち主を選びその成長と共にその魔力により成長する杖。

   

   持ち主以外の魔力では成長しない。


   魔力を3倍増幅し、魔力消費率を1/3にする。


   2番目の杖は、 賢者の杖レベル2、


   持ち主を選びその成長と共にその魔力により成長する杖。


   持ち主以外の魔力では成長しない。


   魔力を2倍増幅し、魔力消費率を1/2にする。」


エンビー: 「アグルのは3倍よね」


俺: 「そうだよ、  エンビーもそれくらいの杖使った方が良いよ。」


エンビー: 「わかった、 それにする。 青い石が綺麗だし。


      氷の魔法と相性が良いかも」


俺: 「パーティーとして、それは買ってあげるよ


   魔石をたくさんとってるしエンビーの働きは


   そのくらいもらって良い働きだから。」


アゴン: 「そうだな。当たり前にパーティーの強化に必要なんだしな。」


アゴンが同意してくれた。もちろんアポンも笑顔で同意する。


エンビー: 「ありがとう みんな。


      これでジャンジャン魔物をやっつけちゃうからね!」


エンビーは嬉しそうにやる気をみせて笑った。


サンジェルス: 「お得意様だし、あまり売れないのを買ってくれるんだから


        25万銀にまけてあげるよ。


        アゴン君も何か欲しいものはないのかい?」


アゴン: 「今のより凄い剣があったら良いんだけどな」


サンジェルス: 「今使っているのが氷の魔剣でしょう!


        もっと凄いのは特別に探して見つけ次第手に入れるようだね。」


アゴン: 「そうだよな、なかなかないよな」


サンジェルス: 「見つけたら連絡するけど取り置きはできないから


        難しいと思うよ。何せ高額なものになりそうだからね」


アゴン: 「ありがとうな、オヤジさん、  


     ダンジョンで今に良い剣見つけることもあるだろうぜ。」



店を出ると、夕陽が赤く西の空をそめていた。


シェアハウスに帰る道すがら、エンビーは俺の肩に頭をつけて


甘えるように笑顔を見せた。

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