魔法のプレゼント

一旦シェアハウス戻ったものの、3人に比べたら俺はまだまだ闘い足りない。


部屋に入ってから秘密裏にドアをつかってまた第31階層に単独で乗り込む。


スパイダーを相手に剣の立ち回りを訓練しつつ厳しくなったらファイヤーで倒す。


ヒールで回復しながらまた剣の訓練にスパイダーと戦う。


32階層では2匹同時に相手をすることに、無理な時は魔法を多用して、


剣の切れ味は十分スパイダーを両断できる。


魔剣士スタイルの闘いをものにできそうだ。


スパイダーの攻撃力も階層が進むごとに強力になり、


防御魔法の上からダメージを受けることもしばしばになって来た。


35階層まで進んで、最後に3つのボス部屋を回って今日は戻ることにした。


ボスたちに思う存分魔法を連射攻撃して魔力を減らし、


少しは魔力の減った感触を楽しむ。


部屋に戻り、エンビーのために考えた魔法の練習をしようと思うのだが


エンビーに手伝ってもらわないとできそうにない。


魔力供給の魔法、、、俺の魔力をエンビーに分け与えることができれば、


お腹タポタポの悩みが解決される。


多分賢者の杖に魔力を入れる時のようなイメージでできるんじゃないかと思う。


エンビーの部屋に話に行く。


俺: 「エンビー、いるかい?」


エンビー: 「アグルなの、、、何」


何か元気がない感じだなと思った。


俺: 「あのさ、エンビーにちょっと協力して欲しいんだけど」


エンビー: 「何を」


俺: 「新しい魔法の練習に付き合ってくれないかい?」


エンビー: 「私じゃないとダメなの?」


俺: 「うん エンビーがいいと思うんだ。」


エンビー: 「よくわからないけど、どんな魔法なの?」


俺: 「俺の魔力をエンビーに分けてあげられないかなと思って」


エンビー: 「あなたの魔力を私に分ける。」


俺: 「エンビー、魔力回復薬の飲み過ぎでお腹が苦しいでしょう?」


エンビー: 「仕方がないわよ。そうしないと魔法が使えないもの」


俺: 「俺も経験があるんだ、辛いよねあれ。」


エンビーが頷く。


俺: 「それでね、考えたんだ、賢者の杖に魔力を流す時のように、


   エンビーに流したら、エンビーの魔力が満たされるんじゃないかって。」


エンビー: 「それが成功したら、私の苦しみが無くなるのね!わかった協力する。」


俺: 「じゃあ、さっそくやってみよう。」


エンビー: 「ここじゃあ、なんだから部屋の中でやりましょう。入って。」


俺はエンビーの部屋に入った。


女の子の部屋に入るのは初めてだ。


女の子の部屋って可愛いんだな、、なんて思っていると


エンビー: 「何見てるのよ、恥ずかしいでしょ」


俺: 「ごめん、じゃ、さっそく始めよう」


エンビー: 「ちょっと気持ちの整理、、ていうか覚悟を決めるっていうか、


      少し待ってね。」


そうだよね、怖いんだろうな、、、人体実験だもん。


俺: 「ありがとう。エンビー、協力してくれて」


エンビーが頷く。可愛い。


俺はエンビーの手をとって、


俺: 「良いかい? 入れるよ。」


エンビーが頷く。


俺が魔力を流し出すと、


エンビー: 「あ、大きすぎるわ、もっと優しく入れて。」


俺: 「ごめん、少しずつだね、」


エンビー: 「う、、、、、あ〜」


俺: 「痛いの?」


エンビー:「ううん、気持ちいい、、、アグルが入ってくるの」


俺: 「う、うん、」


エンビー: 「もっと、もっと入れて、、、、、いっぱい」


俺: 「もっとかい?」


エンビー: 「もうダメ、もうダメ、もういっぱいだわ。これ以上は、、、」


俺は魔力の注入を終わりにした。


エンビーは意識が朦朧としているように俺にしがみついた。


大きく息をしているエンビー。


俺: 「大丈夫かい?  辛くはなかったの?」


エンビー: 「頭が真っ白くなる感じ、気持ちよかったわよ。もう大丈夫。」


俺: 「魔力はどうなったの。」


エンビー: 「もう、、、満タンよ。お腹タプタプとはこれでお別れだわ。」


エンビーは俺に感謝のキスをしてくれた。


エンビー: 「アグル、ありがとう、私のためにこの魔法を考えてくれたんでしょう」


俺は頷いた。俺たちは今度は長い間くちびるを重ね続けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る