ノモマのダンジョン

ノモマのいるというダンジョンの前で、俺たち4人は気合を入れた。

このダンジョンに入る人間は俺たちが初めてだろう。

「いくか!」アゴン

アゴンを先頭にアポン、エンビー、俺が殿、第一階層に進入した。

「ライト」くらいの階層内を俺の魔法が照らし出す。

石造の階段を降りて行くと石の壁、石の天井、石の床の廊下が続いていた。

「罠は無いか、気を付けながら進もう。」

エンビーが魔法を唱える。「シャープアイ」

光の球がふわふわと飛びながら罠を探して進んでいくと罠を見つけて床に付いた。

そこを踏むと罠が発動するらしい。

「エンビー、便利な魔法を知ってるね。」アポンが言った。

「テスリーおばさんに教わったのよ。」エンビー

「どういう魔法なんだい?」俺

「罠があると、場所を教える光の球ができて球が場所を教えるの」エンビー

「無い時は?」俺

「無いのがわかるわ、その範囲も」エンビー

「範囲は術者の能力によって違う、あなたも練習しなさい。

罠を見つけたいと思いながら呪文を唱えてね、今にできるようになるわ。」エンビー

俺とアポンは練習しながらダンジョンを進んだ。

索敵で前方にリザードマンが見つかった。

「前にリザードマンだ。」俺

「首と胴を切り離せば死ぬよな。」アゴン

「手足切っても生えちゃうからね」アポン


リザードマンを相手にアポンとアゴンが剣を振るい、

首を切り落とすとリザードマンは魔石を残して崩れ消えた。

「へへ、どんなもんよ!」アゴン

「わかってしまえば楽なもんだね!」アポン

ダンジョン内では死骸は消えてなくなるようだ。

この調子で第1階層をまわり第2階層に降りる階段を発見。

マッピングのために隅々まで調べる。


階段を降りて第2階層に、風景は第1階層と変わらない。

出てくるのもリザードマン、ただ遭遇する数が多い。

第1階層よりもすぐに出会う。

やることは変わらないんだが。


第3階層に降りると、色がやや黒いリザードマンが現れた。

少し体が大きいか?それほど変わらないか?

若干防御力だ強くなっているように感じるが、やることは変わらない。

首チョンパだけだ

第3階層にドアを設置して一旦ダンジョン前に移動する。

その後にシェアハウスに移動。

自分の部屋で寝れるのが1番やすみになる。


翌日第4階層3階層と同じ、やや黒いリザードマンが多めに現れる。

第五階層今度は若草色に茶色の模様のリザードマンが現れた。

こいつはやや小さめで動きがやや速い。

やり辛そうにしていたので、俺がホールドで動きを抑えてやった。

あとは首を飛ばすだけだ。

第六階層も同じパターン、少し多めに現れるだけだ。

第七階層 赤眼アルビノなのか白いリザードマン、体も小さめだ。

なんと火魔法で攻撃して来た。防御魔法のおかげでダメージは小さい。

こいつらも首チョンパにするのは容易かった。

第八階層も同じパターン難なくこなせた。


「こっちだよ。」


う!頭の中に声が響いた。


エンビーもらしく、俺と目があった。

「聞こえたんの?」エンビー

「うう」頷く俺「行こう」


呼ばれる方に歩を進める。

「この扉の向こうだ。」俺

頷くエンビー。


扉を開けて中に入る。


部屋の奥には貼り付け台に鎖で繋がれた魔物が1人こっちを見ていた。


「やっと来てくれたんだね。ずっと待っていたよ。」


また声が頭に響く。


「繋がれてるのがノモマ、、、だよな」アゴン

「君がノモマかい?」アポンが聞く。


「そうだよ、、、ボクがノモマさ。 さあ、ボクを解き放してくれないかい。」ノモマ


「君はどうして縛られているんだい?」俺が聞いた。


「リザードマン達にとって、ボクが邪魔になったからかな。

それとも怖かったのかな?」


「何をしたのよ?」エンビー


「何もしないよ。こうして話しかけていただけさ。」


「本当にそれだけなの?」エンビー


「少し、悪戯とかしたこともあるけどね、」


「ボク、反対のこと言っちゃう癖があるんだ、、、へへへ。」


ノモマは、身長1、2mくらい頭に2本の小さな角が生えている。

腕も脚も細くとても腕力が有る魔物には見えない。


反対のことを言う癖、、、天邪鬼、、、的な魔物なのか?


悪い魔物じゃない、、、て、、、悪い魔物なんじゃないか?

反対のことを言っちゃう癖が、、、て、、、そこも反対のこと言ったのかよ。


「どうしようかな、、、」みんなの顔色を見ながらおれがいうと


「こいつ、反対の事言うってことは、

いい魔物の反対の悪い魔物ってことじゃねーか?」アゴン

「わかったワ、この子相当鬱陶しい奴なのね、だから縛られちゃったのよ。」エンビー

「きっとそうだね、関わり合うとろくなことないかも。」俺

「このまま帰ろうか」アポン


「そうしよう〜」俺

「まったく、骨折り損かよ。」アゴン

「疲れたから、早く帰ってお風呂に入りたいわ。」エンビー

みんな冒険終了モードになっている。


「待ってよ。君の杖ならこの鎖をスパっと切れるじゃないか、

大した手間もかからないんだし、折角ここまで来たんだから、

チョット切ってくれないかな。」ノモマ


「こんなの解き放したら、きっと面倒なことになるから、やめたほうがいいわよ。」

エンビーが、イヤそうにノモマを見る。

エンビーの言うとうりだと俺も思う。


「トットと帰ろーぜ、、」アゴン


「待ってよ、いいこと教えてあげるから、お願い鎖を切って」ノモマ


「ダメよ、きっと騙されるわ。」エンビー


「賢者の実のあるところを教えるから!」ノモマ


帰ろうとしたみんなの足が止まった。

「賢者の実ってなんだよ。」俺が聞く。

俺ってこんな与太話にすぐ食いついてるよ〜

情けね〜、

「賢者の石を育てるのにとても良い栄養になる実なんだ。欲しいだろう?」ノモマ


「イヤ、いらない。」俺はそんな与太話に食いついたことを恥じながら、言った。


「いる!」アポンとエンビーが食いついていた。

マジかよこいつら、きっと行ったらありませんでした、、、

てな落ちに決まってるだろ。

相手は 天邪鬼 なんだ、信じたら馬鹿を見るに違いない。


「イヤ、イヤ、こいつの言うことなんて信じるなって。」俺


「でも賢者の実だよ!」アポン

「そうよ、賢者の実よ」エンビー

「俺には関係ねーけどな」アゴン

「行ったら、有りませんでした、、てな落ちに決まってるって。」俺


「そんなことないよ、あったらボクを解き放してくれれば良いよ。

見つけた後でも、戻って来て解き放して、待ってるから。」ノモマ


「本当にあるのか。イヤやめよう。一つしかなかったら、喧嘩になる。」俺

「そうか、そうだね。喧嘩はしたくないよ」アポン

「あなたの言う通りだわ、」エンビー


「残念だが諦めろ、、ノモマ」俺


「残念だよ、、また誰かがここに来てくれるのを待つさ。」ノモマ


「君ならこのダンジョンの最深部に行けるのにね、アグル」

あんにこのダンジョンの最深部に賢者の実があると言ってるのかよ。

それとも嘘ついて強い魔物と闘わせるつもりか?

とにかくこいつの言うことに耳を貸したら良いことはないに違いない。


俺たちはノモマの部屋を出てドアを開いてゴーモリンに帰った。

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