105 故郷に錦?
アゴンの家に向かって、歩きながら、
アググ: 「ゴーモリンは、どうだった?
ちゃんと冒険者できてるか?」
俺: 「できてるよ。ちゃんとね。」
アゴン: 「俺たち、Sランク冒険者になったんだぜ!」
「なーーにーーーーー」
立ち止まる親父3人。
釣られて俺たち4人も立ち止まる。
アギン: 「今、、、、 あ、、ああ Fランク、Fランクって言ったんだよな?」
アペン: 「Fランク、、まだFランクか?うん」
アゴン: 「チゲーーよ! Sランク!」
アギン: 「F?」
アゴン: 「Sランク!」
アポン: 「Sランク冒険者だよ俺たち。」
アペン: 「Sランクつったらあれだよ〜〜、相当なもんだよね〜〜。」
エンビー: 「そうですよ。私たちSランクパーティー『銀の流星』の4人です。」
親父達は何お思ったのかエンビーを囲み手を握って「ありがとーーエンビーさん」
「エンビーさんって、すごく強いんですね!」
「コイツらのこと、面倒を見てくれてありがとうございます、見捨てないでね!」
苦笑するエンビー。
エンビー: 「私よりみんなの方が強いですよ、、、」
固まる親父達。
俺: 「歩こうよ。」
アペン: 「あ、ああ、、、」
再び歩き始める親父達。
俺: 「土産があるんだけど、、食べ物は後で出すとして
狩りに使うには剣がいいかな?」
炎の魔剣と氷雪の魔剣を取り出す。
アググ: 「何処から出した?」
俺: 「異次元収納だよ、魔法だよ」
アググ: 「 どういう手品だ?」
俺: 「魔法だって、 ほら」
俺は手のひらの上に炎を出して見せた。
立ち止まり固まる親父達。
俺: 「この剣、魔剣なんだけど狩りで使える?」
アググに剣を押し付ける俺。
渡された剣に集まる親父達。
アポン: 「炎の魔剣と氷雪の魔剣だよ それ」
アゴン: 「かしてみな」
剣を抜き炎を出してみせる。
「うわあ!」のけぞる親父達。
アゴン: 「力を込める、、てか、魔力を込めるてか、、、すると炎が出せたり
振って炎を飛ばしたりできるぜ。
後もう一本の方は氷ね!」
剣に集まる親父達。
やってみれば簡単にできたようだ。
アギン: 「こんな凄いものどど、、どうしたんだ?
まま、ま、まさか盗んできたわけじゃ無いよな?」
俺: 「ダンジョンの魔物を倒して見つけたお宝、色々あるよ。」
アポン: 「アグルは作ることもできるよね。」
俺: 「う」
アペン: 「じゃあ、後でナイフを作ってくれないか?狩り用に」
俺: 「わかった」
また歩き始めるみんな。親父達は魔剣を調べながら歩いてゆく。
「スゲーーー」「どうなってるんだあ?」「俺にも見せろ」
井戸の周りにオカン達とメアリ婆、アブルが居た。
井戸端会議中らしい。
アペン: 「おーーーーい 子供達が帰って来たぞーーー」
俺たちに気がついてこちらにやってくる。
オカン3人とメアリ婆が「おかえりー」「大ききくなったねー」「元気にしてたかい」
口々に話しかけてくる。「ゴーモリンはどんなところだい?」「仕事は大変かい」
それらに応えながら、「アラストルで美味しいものを買って来たんだ」
「何処から出したんだい?」驚くオカン達。
アペン: 「異次元収納って言うんだよ。魔法なんだよ。」
得意そうに説明する。なんで叔父さんが得意顔?
アギン: 「土産に剣をもらったんだが、魔剣なんだと、、、ほれ」
炎をみせる伯父さん。
「ヒエ!」腰を抜かすオカンとメアリ婆。
「あっははははははーー」笑い転げる親父達。
メアリ婆:「 その子は誰だい?」
メアリ婆の目がキラリと光る。オカン達の目がエンビーに集まった。
その目線は、俺と繋いでいる手にうつる。
オカン達の顔がニヒルな笑いが浮かぶ。「ニヤ」
エンビーは握っていた手を離し口元を隠しながら俯いて、赤くなった。
俺:「俺の彼女のエンビーだ。一緒に冒険者やってるんだ。」
メアリ婆: 「そーかい、そーかい、お前の彼女だったのかい。
わざわざこんな片田舎まで来てくれて ありがとうね。
仲良くしてやっておくれよ」
エンビー: 「はい」小さく返事をして会釈をするエンビー。
オカン達: 「アグル、でかしたよ、こんな良い嫁ごを連れてくるなんて
お前も隅に置けないね!」
嫁じゃねーから、まだだから、まだ12だから!
ますます赤くなって俯くエンビー。
俺: 「嫁じゃねーから、彼女だから!」
メアリ婆: 「でもそのつもりなんだろう」
俺: 「そりゃ、、、いずれ、、、、ねえ」
エンビー: 「ずっと一緒に居たいです。」
消えそうな声でうつむきながら答えるエンビー。
メアリ婆: 「それは良かった。アグル、大事にするんだよ!」
オカン達: 「こんな綺麗で優しそうな子が、、この果報者!」
「アゴンもアポンも見習いな!」
アゴン: 「エ! 早すぎだろー。」
メアリ婆: 「こう言うことは早いに越したことはないんだよ。
そんなだからお前は心配なんだ!アポンは大丈夫だろうけど。」
え〜〜〜〜、そうかあ〜〜。
オカン達: 「そうだよ、そんなんじゃ一生1人だよアゴン」
「そうだよ、そうだよ」
エンビーも笑顔になっていた。
アブルがニコニコしながらエンビーの顔を覗き込む。
小さなアブルにエンビーも笑顔で返していたが、
突然アブルはエンビーのお股をむんずと握った。
意表をつかれたエンビーの目がまん丸、手は顔の横にパー、
髪の毛は逆立って固まった。
アブル: 「あ〜、無い!無い!女!女! わーーーい」
逃げ出すアブル。「無い! 無い! 女だわーーーーい!」
走って飛んで踊り出すアブル、、、コイツまだ脳みそできてないな!
メアリ婆: 「ごめんなさいね、」
母親のメルリがアブルの頭を 「ゴツン! このおバカ!」 と殴る。
アブルは頭を抱えて座り込んだ。
俺: 「弟がごめんね、まだ小さいから頭悪くて。」
エンビーの顔は真っ赤で恥ずかしさで涙目だった。
本当にごめんねエンビー。
俺も兄として恥ずかしかった。
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