102 ダンジョン都市 ベラル5
171階層に足をふみいれる。次は何が出てくるのだろうか?
現れたのはシルバーゴーレム、銀でできたゴーレムだ。
銀は鉄よりも柔らかいし、融点も低く溶けやすい。
だがただのゴーレムよりは明らかに強い。
171階層は難なく倒せたし、172階層は少し大きくなっただけだから
この階も楽に抜けられるだろう。
アポン: 「やっぱり段々大きくなってるね。」
アゴン: 「あれだな、同じパターンで、ボスは30mのシルバーゴーレムだな」
俺: 「絶対そうだと思うよ」
アポン: 「銀って柔らかいっていうか、鉄人より切りやすいな。」
俺たちは180階層まで進んだ。180階層のシルバーゴーレムは15m位だった。
ゴーレムと同じパターンだ。
アゴン: 「どうする?多分30m級のシルバーゴーレムだぜ、ボス」
アポン: 「アグルとエンビーは飛びながら魔法攻撃だろう。
僕とアゴンは、逃げ回る感じ?」
俺: 「銀は溶けやすいからブラックファイヤーが効くかもしれない。」
エンビー: 「アグルが熱で溶かしてるのに、私が冷やしてたらダメよね?」
アゴン: 「だよな、、、、」
アポン: 「結構倒すまで時間がかかりそうだよね。
あまり長いと逃げ切れなくなりそうだよ。」
俺: 「いっそ、俺だけの方が安全に倒せるかも?」
アゴン: 「大丈夫かよ?」
俺: 「多分高く飛んでれば、安全だよ、30分も連射すれば流石に死ぬだろう。」
アポン: 「アグルに任せて見たほうがいいかな?」
俺: 「30分たって出て来なかったらやられたと思ってくれ。
俺がやられたら引き返せば良いだろう。俺のドアが使えなくなるから
エンビーの異次元収納に、食料も入れておこう、上までかはりあるし。」
エンビー: 「やっぱり、ここで引き返しましょう。」
俺: 「大丈夫だよ。 万が一の用意だから。俺 余裕で倒してくるから。」
エンビー: 「だって 万が一だってやだもん」
俺はエンビーにキスをして、頭を撫でながら「大丈夫、俺を信じて!」
エンビー: 「うん。」
エンビーは俯きながら小さな声で答えた。
準備を整えて大きな扉を開ける。
俺: 「行ってくる」
俺は1人で入っていった。
部屋の奥にはやはり30m級のシルバーゴーレムがいた。
俺: 「フライ」
飛び上がる俺。
俺: 「ブラックファイヤー」
5ヶ所同時攻撃、シルバーゴーレムにチョロっと溶けて流れる部分ができるが
いかんせん相手がデカすぎて大したダメージにならなそうだ。
これでは拉致があかんな、作戦を変えよう。
俺: 「メテオストライク」
俺は飛んで逃げ回りながらメテオストライクを連射し続ける。
ゴーレムの時は10発で倒せたがシルバーゴーレムは傷つきながらも
まだまだ連射が必要だ。だが奴の反撃も楽に交わせる。
問題は魔力の補充をしなければいけないという事。
飛びながら、魔石を取り出し魔力吸収をする。
魔力を吸収するのにも時間がかかるので、
空を飛び、吸収しながら攻撃も繰り出し、
魔力切れにならないように早めに魔力吸収を始めておく事が、必要だ。
10発撃ってもまだ10発以上打てるのは、賢者の杖がレベル4に進化したせいか。
それにしても魔力の消費スピードの方が、魔力の吸収スピードより
全然早いのだ。攻撃の間隙が長ければその分反撃行動を取られやすくなる。
打ち続ける事33発、シルバーゴーレムが遂に魔石にと変わった。
俺はホットして床の上に降り立つ。
大きな魔石を収納し、宝の箱を開ける。中はなんだ?
ゴーレムの心臓30m級が3つ。
3つ入りは初めてだな。でも無事倒せて良かった。
俺は扉を開けて部屋の外に出る。
エンビーが俺の胸に飛び込んできた。
よしよしと頭をなでてやる。
エンビーが涙目だ。不安だったのだろう。
アポンとアゴンも寄り添ってきた。
俺: 「時間はかかったけど、危なげなく倒せたよ。
33発も撃ってしまったけどね。」
アゴン: 「無事にかえって来られて良かったな、ところで宝はなんだった?」
俺: 「ゴーレムの心臓が3つだった。」
アポン: 「アグル凄いね、1人で倒して来ちゃうなんて。」
エンビー: 「アグルは凄いのよ」
俺: 「じゃ、今日は20階潜ったし、宿に戻ろうか?」
俺たちは俺のワープドアをつかって外に出た。
エンビーが俺の腕に腕を絡ませて寄り添ってくる。
アポンも、アゴンも見て見ぬふりをしてくれた。
俺の死を想定して辛い思いをしてたのかな?エンビーがとても愛おしく感じた。
その晩、エンビーが俺を求めてきた。
俺はエンビーの手を取り、空中散歩につれだした。
夜空に明るく月が光っていた。
夜風を感じながらゆっくりと飛ぶ2人。
誰もいない平原に降り立ち俺はエンビーを強く抱きしめてキスをする。
エンビーの手も俺の背中をだきしめる。
俺はエンビーの服を、、、、
エンビーは抵抗することなく、受け入れている。
その晩俺は、暫くぶりの花火をうちあげた。
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