84 コロシアム出場と剣つくり
魔石職人の店を出て、アゴンとアポンの希望で剣を見に行く。
剣の専門店をいくつか見て歩いた。
ソリンドラのジャオカ老人の剣が最高級の剣のうちの1つとして飾られていた。
あの祖父結構な名工なんだなと感心した。
残念ながら、アゴンの剣としてメガネにかなうものはここにもなく、
そういうものは、オークションの方が手に入りやすいそうだ。
なかなか店に飾られる事は少なく、
すぐに欲しい人の手に渡ってしまう。
店を毎週周回していれば、入荷の時に出会えるかもしれないそうだ。
俺: 「ジャオカ老人に習って、俺がアゴンの剣を作った方が早いかもな」
アゴン: 「マジか?自信過剰じゃね」
俺: 「ひでーな、俺が作ってやろうと思ったのに」
アゴン: 「ワリー、ワリー、良い剣を作ってもらえたらありがてーんだけどな」
アポン: 「すぐには出来ないだろうね流石に。」
俺: 「まあ、すぐには無理だよな」
エンビー: 「じゃ、ジャオカさんとこに修行に行きなよ。ドア設置しといたんでしょ」
俺: 「う」
アポン: 「僕たちはどうしよう、明日から冒険者ランクでも上げる?」
アゴン: 「ギルドに行くか?」
俺: 「とりあえず、俺も行く、どんな依頼を受けるか気になるし。」
ドアをつかってギルドに移動。
受付で依頼を受ける。エンビーは俺について来て見学するみたいなので、
アゴンとアポンが依頼を探す。
受付嬢: 「1日で終わるものですと、コロシアム出場ですかね?
明日から登録できますよ。Cランクですね。
同じパーティーは基本対戦しませんからご安心ください。
護衛ですと、、、往復で短いものでも10日はかかりますかね。
傭兵はもっとかかりますし、盗賊退治は今はありませんね。
あとは獣でも狩ってきたら買い取りますよ。
そんな所ですがどうしましょう?」
アポンとアゴンは顔を見合わせると、
アゴン: 「しょうがないから、コロシアムに出てみるか?」
アポン: 「しょうがないよね、とりあえず出てみようか」
受付嬢: 「お二人はCランクの選手として出場になりますので、
3時までにコロシアムの選手入り口から入って
受付と指示を待って下さい。」
アゴン、アポン: 「わかった」
翌日、俺とエンビーはソリンドラ工房に移動。
俺: 「お邪魔します。剣作りにきました。」
入って行くと、ジャオカ老人が喜んで出てきた。
ジャオカ: 「よくきたのう、来てくれると信じておったぞい」
あ、来ないと思ってたな、じいさん。
ニコニコしながら爺さんが工房に俺を招き入れる。
俺: 「これから数日来ますけど良いですか?」
ジャオカ: 「勿論だとも。良いぞ良いぞ。」
ジャオカは鉱石の塊を出してくると、
ジャオカ: 「まずは水減らしからじゃな!」
燃え盛る炉の中に鉱石を入れて、真っ赤になった鉱石を金槌で叩き始める。
ジャオカ: 「見ていたかの、ほれ、やってみよ。こうして鉄の純度を上げるんじゃ」
俺も見たようにやってみる。
ジャオカ: 「不純物を叩き出すのじゃ、薄く薄く平らに伸ばし
そしてこれを水につける。
そして叩く、、、、、、割れて飛び散るじゃろう。
こいつが硬い鉄、何度もやって鉄を分けるんじゃ。
火花になって燃え尽きてるのが不純物じゃよ。」
俺もやってみる。なるほど、硬い金属は割れて剥がれるが、
柔らかいと割れないということか。
ジャオカ: 「柔らかい鉄と硬い鉄に分かれたら、それぞれ一つの塊にしとくぞい。
柔らかい鉄は剣に中に、軸じゃな!
硬い鉄は剣の外側にする鉄じゃ。
これを硬いのを5つで柔いの一つを囲うように板状に部品にする。
剣先が一つ、残りの4つで四方を包むように囲い一つの鉄に仕上げる」
俺: 「なるほど、、、、、」
ジャオカ: 「そして、造り込みができたら、沸かして、引き伸ばしじゃ」
ジャオカは、炉の中で十二分に鉄を熱し叩いて伸ばしながら剣の形を作っていく。
見る見るうちに鉄は剣の形に成形された。
粘土泥を一掃塗り炉の中だ温めてから水に入れて急冷した。
ジャオカ: 「粘土は、均一に塗らないとそりができてしまうからな。
剃らせたければ刃先は薄く棟は厚く塗るんじゃぞ。」
俺: 「 はい。」
見よう見まねで剣を作る俺。
ジャオカ: 「あとは、研ぎじゃが、今日はここまでじゃな、
見せてみろ、、、、、。」
緊張する俺。
ジャオカ: 「おまえ、やはり筋が良いな。
初めてでここまでやるとは思わなかったワイ。」
俺: 「ありがとうございました。また明日もお願いします。」
ジャオカ: 「明日は研ぎとエンチャントだな。楽しみにしてるぞい。」
ソリンドラ工房お後にしてコロシアムに移動した。
アポンとアゴンの試合にギリギリ間に合ってアポン、アゴンの順にもうすぐ試合だ。
アポンはウルクと、アゴンはボアとの対獣戦だったみたいだ。
これは瞬殺かな?
アポン: 「瞬殺して来るよ、かけといても良いよ、アハハ」
俺: 「大した金額を賭けるほど券が売ってないんじゃないの」
アゴン: 「俺もだぜ」
俺 : 「わかった、わかった、少しだけ買っとくよ。応援がわりにね」
エンビー: 「どうでも良いわ、買うと励みにでもなるわけ?」
アポン、アゴン: 「なる!」
エンビー: 「しょうがないわね〜〜ハイハイ買っといてあげるわよ」
アポン、アゴン: 「じゃあ、行って来るね(ぜ)〜」
アポンが闘技場内に現れ、選手の紹介が始まる。
アナウンサー: 「 Cランク冒険者、、、アポン、、、12歳、、、、対するは、、、、
ウルク〜、、、、さて、この勝負〜、、、どうなるのでしょうか?〜
この試合では〜、、、勝者投票券が〜、、、売りに出されます〜
よーくご覧になって〜ドシドシ投票して下さい。」
普通に紹介されたなあ〜。
投票券を売りに来たので、50000銀ほど2分以内を買って置いた。
10倍なので、500000銀くらいになる感じかしら、今の俺達にとっては端金だ。
金貨5枚を渡し(5万円くらい?)券を受け取る。
しばらくすると試合が始まった。
檻の蓋が開けられてウルクが出てきたら鐘が鳴って試合開始。
アポンは、檻のすぐそばで待っている。
出てきたウルクをバッサリ斬り飛ばす。
鐘の音の鳴り止まないうちに試合終了だった。
当然だけどね。
場内は騒然としている。
アポンは闘技場からゆっくり歩いて出ていく。
アナウンサー: 「瞬殺です! 強い!アポン選手じゃっかん12歳!信じられません!
大穴が出ました!100銀につき1000銀の払い戻しです。
久々の大穴です。
買われた方おめでとうございます!持ってけドロボー」
アナウンサーが興奮気味で声を張り上げていた。
堂本はどこになっても損はしないようになってるくせに、
持ってけドロボーはよく言うよ!
続いてアゴンが入場してきた。
少し間があってからアゴンの紹介が始まる。
アナウンサー: 「Cランク冒険者、、、、アゴン、、、、12歳〜〜、、、
対するは、ボア〜〜、、、さあこの勝負どうなるのでしょうか?〜
この試合では〜、、、、勝者投票権が売られます〜〜、、、、
よーーく選手をご覧いなってドシドシ投票して下さい〜」
売り子さんがやってきてさっきの投票券を換金してくれる。
そしてまた50000銀同じように2分以内を買った。
しばらくして試合が始まる。
また瞬殺だろうと思っていると、
檻のが開くなりボアがアゴンに突っ込んでいく。
アゴンはひらりと右に体を交わしながら上段から龍殺しの斧の一撃
動きを止めるボアを蹴り飛ばし、倒れてボアにとどめの一撃を振り下ろした。
場内で、投票券が舞い上がる。
アナウンサー: 「驚きです!凄まじい一撃、、、、なんと言うことでしょう。
あの大きなボアが瞬殺です。
最初の一撃で絶命していたのではないでしょうか?
強い!強すぎます。続け様の大穴です。
こんな事があるのでしょうか?
買われた方おめでとうございます!
持ってけドロボー、」
また言ってるよ、、、持ってけドロボーは決まり文句なのかあ?
次の試合も売り子さんが売りにきたが換金だけして選手の出口の方に歩いていく。
金貨10枚が100枚に化けたのだから、アレ、けっこう良い儲けだったのかな?
魔物や魔石を売ればこんなのすぐだけどね。
アポンとアゴンを拾って宿屋に帰る。
明日のコロシアムの出場の手続きもしといたそうだ。
アゴン: 「瞬殺に決まってるよなあ〜」
アポン: 「軽い軽い!もっと強いのが相手じゃないとね!」
2人は上機嫌だった。
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