81 カリーネ
カリーネは、王都カルシアまでは馬車で2日の所にある町で、
(パキナ)と呼ばれる公園、遊園地が有名で王都あるいは王国中の子供達がやってくる。
この世界のデズニーランドのような物があると思ってもらえば良い。
着ぐるみが歩いていたり、一面綺麗な花の花壇だったり、池の魚に餌をやったり、
可愛い小動物を抱くことができたり、滑り台やブランコ、アスレチック系の遊具、
タコ山のような遊具とか、乗馬体験、楽焼、釣り堀に夏はプール、お化け屋敷に、
ツリーハウスの秘密基地、トンネル迷路、ショウ劇場、時折始まる屋外でのショウ、
パレードや、夜の花火などなど。
滞在するために周りに宿屋が囲み何日も遊ばないと遊び尽くせない。
俺たちも、公園近くの宿をとり見学に行く。
広い柵で囲まれた(パキナ)の中に入場料を払っって入場すると、
(パキナ)の中には、沢山の子供連れの家族や、カップル、若者のグループなどが、
園の施設を楽しんでいた。
並ぶ露店で買い食いをしながら、あっちこっちを見物してまわる。
池に浮かぶ貸しボートにカップルが乗っている。
エンビーが乗りたがり、2−2で乗る。勿論俺とエンビーが同じボート。
水面が光り、時々吹く風が爽やかだ。
エンビーの笑顔が愛らしい。
ボートから降りるとすぐそこで寸劇が始まったいる。
俺たちはそばまで駆け寄り周りを囲む人々に混じってそれを見た。
ヒーローが悪い盗賊をやっつけて、
綺麗な女性を助け出す、、的な単純でお決まりのストーリーだ。
こういう場では複雑な話は理解できない、途中から見る人にもわかりやすい
一目で悪者と正義の味方がわかるような簡単な話の方が良いのかもしれないな。
時折ギャグ的なセリフを挟んで楽しく話は進む。
寸劇が終わると観客は思い思いの場所に向かって移動が始まった。
俺: 「次はどっちに行こうか?」
アポン: 「あっちに、楽焼があるらしいよ。ぼく焼物って作ったことないんだよね」
エンビー: 「私も作ってみたいわね!」
アゴン: 「うんじゃあ そこに行ってみようぜ、面白そうだしな。」
楽焼小屋のオヤジに、粘土を渡されて、
謂わゆる手捻りで、何か作って焼いてもらうらしい。
乾燥させてから焼くため、粘土で作った作品は、
2〜3ヶ月後にもう一度訪れれば渡してもらえるが、
1〜2年で処分されるのでそれ以降に取りに来てもないことがあるそうだ。
窯で焼くのも見学はできるので、見学だけでも興味深い。
俺は土魔法のモデリングを使えばできてしまうので、
魔法は使わずに楽しむ。
アポンとエンビーはやりたがるだけあって、なかなかセンスがある。
アゴンは芸術的だ。
引き取られていない作品が飾られてるのをみると、
なかなか芸術的な、独創的な形のものがたくさんあって面白い。
焼いてもらうのは料金がかかるし多分取りに来ないので焼かずに済ます。
ドアを使えば取りにくるのは簡単だけど、アゴンは絶対いらないそうだしね。
パレードが始まったのでそれを見に行く。
音楽隊がパレードの行進曲を奏でながら先頭を行き、
大きな山車に仮装した人や、縫いぐるみを着た人が乗って観客に手を振りながら、
幾つも幾つも続いて行き、その周りを踊り子が踊りながら囲んでついて行く。
通り道の両側に観客達が人の壁をつくっている。
パレードの最後尾について行く人たちもいる。
俺たちはパレードが去って行くのを後にして、
広い芝生の公園で屋台で買い集めた食べ物を広げて食事にすることにした。
間隔をあけて多くの家族やカップルが食事を摂っていた。遊び回り子供たちもいる。
俺: 「なかなか美味しいね」
アポン: 「屋台の食べ物ってどうしていつも美味しいんだろうね!」
エンビー: 「気分の問題のあるんじゃない?青空の下で皆んなで食べるのって
気分が上がるもの。」
アゴン: 「それもあるだろうなあ」
アポン: 「お化け屋敷って、ダンジョン行ってるのに今更だよね?」
エンビー: 「多分そうだろうけど、せっかくだし入ってみようよ。」
アゴン: 「まあなあ、見たことないからなあ、多分怖かねーと思うけどな」
アポン: 「そうだね、入ったことないと何にも言えないしね、
どんなだったか聞かれてもね」
俺: 「皆んな反射的に攻撃なんてしないようにね」
アゴン: 「あ、俺しそうだから気を付けとかなくちゃ。」
お化け屋敷に入ると、エンビーは俺の腕にしがみついていた。
胸の感触でお化けどころじゃないですよ。
お化け屋敷はけっこう驚かし要素が満載で、けっこう怖かったらしく
アゴンもアポンも出て来た時は青い顔をしていた。
俺とエンビーは赤い顔してたけどね。
その後ショウ劇場に入って歌と踊りの混じった演劇を見て宿に戻った。
宿の部屋から花火が見えるようになっているそうなので、
夜に花火は宿で観他方が眺めが良いだろうということになった。
この辺に宿屋は、花火の鑑賞に適した部屋の作りになってるものが標準らしい。
3階にとった部屋の窓からは夜空の打ち上がる花火が
まるで自分のために上がっているかのように、近くでハッキリと見えた。
エンビーが、俺の横に来て腕に手を回してくる。
花火の光に照らされたエンビーの顔は、何かを求めているような、、、、
これって、、あれかな、、、
俺は、ゆっくりとエンビーにキスをして、、、、
2人は、、、、
俺も、、、、、初めて花火を打ち上げた。
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