80 新遺跡は美味しい

アポン:「ミイラってカラカラだからよく燃えるね」


俺: 「う、本当にね」


なかなか珍しいものは見つからないもので、


古いだけの一般的なものばかりが増えていく。


とりあえず一旦ギルドに買い取って貰ってまた明日に続きをしようということにした。


その晩は、エンビーをテスリーさんの所に送ってゆくと、


テスリーさんが、(影武者君)を見てみたいという。


取り出してみるついでに性能の検証などもしてみた。


魔法以外は俺と同じように走ったりジャンプしたりもできる様で、


人形だということは話さなければ解らないだろう。


魔法は同時に二つの発動はできないようだ。


言葉もシンクロした時に理解したとのことで、


話すこともできる。考え方もシンクロしているようだ。


正に(影武者)にもってこいの人形だ。影武者が必要なことなんて無いだろうけど。


こういう時って、超強いアーティファクトが見つかるのが


お約束ではなんでしょうかね?


無敵のゴーレムが無双するとか?


それでも、貴重な古代のアーティファクトだと思うと、


戦力として使うのにはもったいない気がする。


それ程強いとも思えないし。ハア〜。



翌日はまた遺跡の探索、最終フロアと思われるところまで行ったが、


大したものは出てこなかった。


外に出て、他に遺跡はないものかと索敵で調べると、妙な感触の場所がある。


地下に何かいるような、、、


俺: 「フライで飛んで行って、ドアで迎えに来るよ」


エンビー: 「わかったわ、ここで待ってればいいわね。」


俺: 「うん」


俺はフライで飛んで行く。


気配のするあたりは、ただの平地だった。


メテオストリームで少し削ってみる。


建造物の上部が顔を出した。


ドアを設置して皆んなを呼び寄せる。


俺: 「チョット削ったら、先っちょが出てきたんだよね。」


アゴン: 「入り口がねーぞ」


俺: 「見えてきたのは、屋根だから、壁まで出して、穴開けて入るようだろうな


   屋上に玄関は作らないからな」


アポン: 「確かにそうだよね」


エンビー: 「アグル、モデリングで階段作れば?」


俺「う」


俺は魔法で地下の壁につながる階段を作る。


そして壁に穴を開け入り口を作った。


ここからこの遺跡の中に入って探索ができそうだ。


入った所は、建物の最上階に当たり、城跡の時は物置場であることも多いとか。


この遺跡もそのパターンだったようで、


部屋は1つだけで籠城ようの食糧が積んであった。麦のような穀物だ。


その下に降りると質の良い武器、防具、強化アイテム、が多数。


このフロアは宝の山と言って良い。


中にはエンチャントされた物も多数ふくまれている。


おそらく雑兵用のものではなく、上位階級の者用の道具なのだろう。


金のインゴットや、金貨、白金貨の詰まった頑丈な箱もあった。


アゴン: 「良いね! これこれ、これですよ。」


エンビー: 「やあね、泥棒みたい」


アポン: 「最上階と1階あたりに倉庫があることが多いみたいだよね。」


俺: 「城の最深部に当たる所、最上階とかは籠城の最後の防衛拠点だからね」


エンビー: 「そこまで責められる時って、もう落城の時よね」


アゴン: 「だろうな」


アポン: 「この辺は部屋も1つだし、あまり広くないから


     あとは下に行って1階に当る所とか地下1階に当る所に


     雑兵用の武器庫とかがある感じかな?」


俺: 「う」


アゴン: 「此処が城跡ならそうだよな。」


エンビー: 「下に行ってみましょう。」


俺: 「下の階にミイラが居るみたいだよ、3匹。」


階段を降りながらミイラの様子を確認、ファイヤーで焼き殺す。


俺: 「倒したから、この階は大丈夫だよ」


アポン: 「この階はだいぶ広くなったね。」


アゴン: 「あんまり、お宝はないみたいだがな」


俺: 「下に降りるよ。」


ミイラを焼きながら下の階へ、


エンビー: 「ここで、下のフロアに矢をいるようになってるみたい。」


アポン: 「防衛しやすいような作りになってるんだね」


アゴン: 「あの扉があくまで撃ち放題だな、したからだと反撃しずらいしな」


俺: 「う」


エンビー: 「ミイラも倒してから降りられるから助かるわね」


アポン: 「そうだね」


俺たちは、どんどん降っていく。


1番下までくると扉の向こうが土に埋まっていて、土の壁状態だった。


俺: 「ここから先は、掘らないと行けないみたいだね」


エンビー: 「帰りましょうか?掘りたくないでしょ」


アゴン: 「そうしようぜ、降りただけ無駄だったな」


アポン: 「でも、建物の造りが面白かったよ」


俺: 「う、 ギルドまで帰るかい?」


エンビー: 「それで良いと思うわよ」


アゴン: 「俺もそう思うぜ」


俺たちはギルドに戻り、買取所に宝を卸し、新遺跡発見と構造の報告をした。


ギルドは騒然とした。もう宝は皆んな持って来ちゃったけどね。


換金できるぶんだけ換金してもらい、


大方はまた収納することになった。


なにしろもう次の町に行くのだから。



カリーネまでは船で2日だった。

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