78 ランギス  カーシャ

翌日船に乗ってランギスへ


ランギス冒険者ギルドに登録、(Cランク)、


侯爵自慢の植物園を見学した。


中央教会は、白く大きな建物でそれはもう立派なものだった。


侯爵の城を凌ぐ大きさだ。


もしかするとこの地の権力者は、教皇かもしれない。


触らぬ神に祟りなしだ。出来るだけ関わり合いにならないようにしよう。


宿屋で一泊し、翌日観光名所の古城を見学に行く。


城跡は、周囲をお店やさんに囲まれていた。


お菓子や小物類、旅の記念品など、


あるいはなんなのかわからないガラクタを売る店、や露店が並んでいる。


それらを見て回りながら、雰囲気を楽しんだ。


これと言った掘り出し物もなかったし、怪しそうな品物も多数あった。


帰りにギルドように野獣を何匹か狩ってギルドに買い取ってもらった。


港に船に乗りにゆくと、2日後にしか乗れる船がないらしいというので、


馬車でカーシャに行くことに。馬車で3日、船で2日の距離、


待ちが2日なら馬車のほうが 到着するのは1日早い。


見るものは観たし、ここはやたらと教会関係者が多いので、


変な関わり合いを作りたくなかった。


其処ここで宗教の勧誘に合うので辟易なのだ。


早いところこの街を出たいと思う。


カーシャには古代の遺跡が有る。


直ぐに出られる馬車を見つけてそれに乗った。


今まで馬車に乗るたびに盗賊に襲われてきたが、この辺りは治安が良いのか


珍しく盗賊に出会わなかった。


カーシャからは王国直轄領になる。


街道を歩く人も時々見かける様になってきた。


馬車の中で乗り合わせた人たちが話している事でわかったが、


カーシャには観光として公開されている古代遺跡の他に


少し北方に未公開で、探索者が現在も探索して


古代の遺物を探している遺跡が点在するらしく


それを目的に人が集まっている側面もあるらしい。


冒険者も探索者も基本は変わらない仕事の様に思う。


カーシャには冒険者ギルドはなく、探索者ギルドがあるんだとか。


ちょっとした呼び名の違いかな?と感じた。


馬車がカーシャに到着し、公開されている遺跡の見学をする。


周りには、やはりお店が立ち並んでいた。


遺跡から出たものと称する品を売る店もあったが、ガラクタ屋だった。


こういうところでは、鑑定の能力が大活躍をする。


街の中心的な大きな店は本物を売っていたが、高価な値段を言ってくる。


身代わりの指輪を幾つか購入した。


エンビーとアポンはこの手のものを身につけていたが、


俺もつけようと思ったからだ。アゴンにも身につけることを薦めた。


未公開の遺跡から探索者がこういった古代の遺物を見つけてくるそうだ。


そしてそのために探索者ギルドができたらしい。


面白そうだからちょっとやっていこうか?という話になるのは当然の流れか。


俺たちは探索者ギルドを訪れることにした。


探索者ギルドは買い物をした大きな店の対面にあったのも


安易に行くことになった理由の一つでもあった。


ギルドに入ると、中は、飲み食いができるスペースと登録所、買取所などがあった。


何人かの探索者らしき人たちがこちらの様子をうかがっている。


登録所に行って話をすると


受付嬢: 「探索者登録ですか?それとも体験探索の案内人をお探しですか?」


俺たちは相談の後に アポンが代表して話す。


アポン: 「両方ってできますか?」


受付嬢: 「大丈夫ですが、何処かで冒険者ギルドの経験はありますか?」


アポン: 「はい。」


アポンはゴーモリンのSランク証とアラストラルのAランク証を見せた。


受付嬢: 「Sランク冒険者! 素晴らしい。さっそく登録させていただきます。


     規定で初めは Cランク探索者から始めていただきます。


     冒険者のランクによってはFランクから始まりますが、


     最高はCランクからのスタートです。あとは納入品の額や功績、


     経験年数などによって ランクが上がります。


     案内人はこちらで推薦できる者を選んでもよろしいですか?


     奥まで案内人できるものの方がよろしいかと思いますので。」


アポン: 「そうですね、そうしてください。」


受付嬢: 「それでは少しお待ちください。」


受付嬢は中に入って行ってCランク探索者証を持って出てきた。


おそらく、マスターに報告をしたのだろう。


そして、食事スペースにいたものの中から1人を選んで連れてきた。


受付嬢: 「この方に案内人をお願いしたいと思うのですがよろしいですか?」


アポン: 「はい、大丈夫です。」


受付嬢は案内人に何か耳打ちしてから、中に入って行った。


案内人は自分の名をタゴスと名乗ってこう話し出した。


タゴス: 「私はタゴスと言います。Cランク探索者です。


     あなたたちはSランク冒険者で、


     今Cランク探索者に登録した所だと聞きました。」


アポン: 「そうです。」


タゴス: 「驚きですね、、、とりあえず遺跡内での探索を体験してもらって、


     初心者に手解きなどをすることも頼まれたんですが、


     特に大したことは無いですよ。


     たまに、トラップがあったり、ミイラが出たりすることがあるくらいです。


     Sランク冒険者の方ならダンジョンとかで経験されてると思います。」


アポン: 「そうですね、ダンジョンでは経験があります。」


タゴス: 「良かった、それでは安心ですね。明日の朝、


     ギルド前に馬車を用意しておきますので、明日朝来て下さい。」


明日、探索に挑戦することになった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る