69 Aゾーンを超えて
久しぶりにゴーモリンで狩りをする予定だ。今日は、BゾーンやAゾーンに行って自分達の腕試しをするのだ。
Cゾーンまでは散歩気分、狩ったことのある魔獣の強さは、わかっている。今ではそいつらは瞬殺できる。
食事ようにボアを狩り収納しながらCゾーンまでは真っ直ぐに邪魔な魔獣をサンダーで瞬殺しストレージに収納しながら歩いて行く。
アポンも索敵できるし、アゴンの気配察知もかなり遠くまでわかるようになっていた。
Bゾーンから気を引き締め治して、進む。
魔法で防御力がかなり上がっているので攻撃を受けても俺達にダメージは通らない。
環境破壊をしないように、大魔法1発なんてことをせずに、近接戦闘している余裕もある。
時には一対一で腕試しをしたり、シールドと攻撃耐性でしくじっても軽傷なのでヒールで十分回復出来ることを確認したりした。
タイガーホス、キングモンキん、グレートコング、フォーハンドベアー、ビックスネープ、シルバーウルクの群れ、グレーリザード………Bゾーン〜Aゾーンに入り魔物も強くなっていくが、大した脅威は感じないし、こちらの攻撃も効いている。
キングゴブリン、オークキング、アースドラゴンと闘ってきた経験は伊達ではないのだった。
ゴーモリンの魔獣程度では、ボス部屋レベルの魔物とは実力に雲泥の差がある。
その攻撃を潜ってきたのだから、このくらいでは物足りないのは当たり前だ。魔剣の威力も半端無い。
見つけては狩り見つけては狩り、いくら倒してもストレージに収納する余力は十分過ぎる程なので運べなくなる心配はする必要がない。
シェアハウスに帰ってリザトルに報告することを考え、早めに切り上げて引き返すが、20以上の魔獣を狩った。
買取所で驚かれ、Aランク冒険者証を作るといわれた。当然のなりゆきだ。
帰ってきたリザトルに報告すると、リザトルにも驚かれた。
そして第三中継小屋をベースに狩りをする様にアドバイスされた。
第三中継小屋で物資を補給して野営しながら狩りをする、あるいは中継小屋で寝泊まりする。本部に戻るのは何日かおきになる。移動時間が減るので狩りをする時間が確保できるわけだ。
荷物運びは卒業で良いそうだ。シェアハウスに戻っている時だけ一緒に訓練することになった。
今回はとりあえず10日間くらい、言われた様にやってみることにした。野営をしながらの狩りは、往復時間がない分たくさん狩りを出来る。Aゾーンでの狩りは、ほぼ一対一で腕試しを楽しんだ。
生殺与奪の権をこちらが握っているのだから、楽しんでいるというのが正しい。
魔獣の攻撃は、防御系魔法の効果で相殺され、小さな傷と多少のダメージを負う程度だし、危なくなれば助けに入れるのだ。
こんな狩を10日も続け、10日目に返って買取所に狩った魔獣を卸す。
あまりに多すぎて半分にしてくれと言われた。
半分だけ卸してあとはストレージに収納しっぱなしにする。
次はSゾーンに入って行こうと話し合った。
次の10日間の狩りではSゾーンの魔獣に挑戦した。
Sゾーンには入っても、出てくる魔獣がガラリと変わる訳ではない。Aゾーンの魔獣にSゾーンにしかいない魔獣が加わるのとAゾーンにもいた魔獣の強いバージョンがいる。そして奥に行けばいくほど強い魔獣がいる傾向がある。
魔物の森の奥には魔物が住むというが、魔獣と魔物の違いが良くわからない。ざっくり言って獣ではないのは魔物ってことで良いのだろうか?
Sゾーンの魔獣を1人で手こずるなら2人で……という感じで対応しながら、
どんどん奥へ、奥へと入って行く。
前方に体長10m級のフォーハンドベア、俺が魔法で、狩ろうとするのを制し、アゴンが「やらせろ」と言うと、飛び出して行った。
4本の手から繰り出される攻撃を交わし、あるいは盾で受け、
氷雪の魔剣の攻撃を叩き込む。戦うこと5分、アゴンは強敵を斬り殺した。
俺達はさらに奥へと入って行く。
今度は10m級のグレートコング、今度はアポンが炎の魔剣で斬りつける。
やはり5分ほどで倒した。
20m級のビッグスネイプ、今度こそは俺の番、念力でホールドし、首を切断。この程度なら瞬殺だ。
25m級のグレーリザード、俺のホールドにも屈しず動くことができるようだが、頭を高熱の業火で焼き殺す、さほど時間はかからない。
外見だけなら、ノッペリしたドラゴンの様だが、耐久力がドラゴンより全然弱い。
俺達はさらに奥に進んだ。
そして出会った。魔獣?魔物?。人型?二足歩行だが尻尾は大きい。リザードマン?
体調は尻尾をいれずに2、5mくらいだが大きな口と歯、大きな爪。
爪で引き裂き、噛み殺すのだろう。爪には毒もありそうだ。
(魔物の森の奥には魔物が住む……こいつのことか?)
鋭い目がこちらを睨んでいる。
「う!」こいつホールドで俺を抑え込んできやがった。
「サンダー」
俺の電撃で奴のホールドが外れた。
やつは俺の電撃に耐えこちらに鋭い眼光を向ける。
「手強いぞ!」俺が叫ぶ。
右からアポンが切りつけ、そいつは左手で攻撃を弾き返した。
「ゴワン!」と言う音と炎が一瞬奴の手を被う。
今度は、左からアゴンが斬りつけ、奴は右手で弾き返すが、奴の右手首まで氷結した。自分の凍った右手を見るリザードマン。
奴は自分の凍った右手をたたき折った。そしてそこから新しい右手首が生えてくるではないか。自己再生。魔法か?スキルか?トカゲに尻尾切りの進化版か?
新しい右手の具合を確かめるように動かして、良し……と言った顔をしている。
「なんだ!こいつは!」アゴンが叫ぶ。
「ストーンバレット」俺は連射攻撃。一歩下がるリザードマン。
しかし圧に押されたに過ぎないようだ。
大したダメージは入っていない。かなりの物理攻撃耐性だ。
「灼熱の業火」
奴の頭部が業火に包まれる。
苦しみながらも奴の頭部が燃え尽きることはなかった。
(強い、、、。)
「ホールド」奴を縛り付ける。
「アップ」年動力で奴を持ち上げ空中に捕らえた。
「ウオーターボール」奴を直径5mくらいの水玉の中に閉じ込めた。
20分の後奴は水死したようになっている。
本当に死んだか?
俺は魔法を解き、横たわるリザードマンの心臓に念のためのトドメの一撃を突き立て、魔石を取り出すした。流石に死んでいたらしい。
透明度の高い緑色の握り拳くらいの魔石だった。
一見してかなり強い魔力を持つ魔石なのがわかる。
「流石にこいつみたいのが、ゾロゾロ出てきたら危ないな」とアゴンが冷や汗を拭いていた。
「いったん帰ろうか?」アポンが不安そうに俺を見た。
「う、うん」」俺も同意した。
帰り道も狩りをしながら、10日後にギルド本部に着いた。
このリザードマンを本部に報告して、リザードマンの死体をストレージから出して見せ、闘いの様子を話した。リザードマンがゴーモリンで狩られたのは初めてだそうだ。
俺たちにはSランク冒険者証が渡された。
Sランク冒険者『電撃剣のアグル』がリザードマンを狩って来たという噂はゴーモリン中に広まった。
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