66 メタルトレ鉱山とドラゴン退治
俺たちはメタルトレ鉱山に向かって出発した。
アラトトヒルスの村まで4日、そこからソルトレル山まで3日、そこから奥のメタルトレ鉱山まで3日。
その坑道にドラゴンが住み着いていると言う。
俺たち3人はこのドラゴンと戦うために、早く強くなりたかった。
俺自身は賢者の石がレベル8まで上がり、ポテンシャルが圧倒的に上がった。
ストーンバレットの威力も実践使用にじゅうぶんすぎるようになった。
ストレージは100m四方より広い領域のようだし、
炎、水球、電気の大きさは膨大になり、遠くにまで思うところに出せるようになった。念動力も凄い力でやることができる。
ピクチャーメモリー2/3になったことで処理スピードが跳ね上がり、瞬時に見たものの記憶が残せる。
新しいスキル、魔力吸収では体に触れている魔石あるいは空気中から意識的に魔力を取り込み補充することができるようになった。
簡単に言えば、魔石を握り少しの時間で魔力を吸収できると言うことだ。
このポテンシャルの変化に当惑していたし、実力を把握できていないことに不自由さや不安も感じている。
しかしながら、訓練の積み重ねでしか得られないものも多い。
身体超強化もまだできないし、ゴランさんに教わった魔法もレベルアップしたい。
アゴンとアポンと一緒に訓練することは非常に重要なことだった。
ステルスが使えるとゴブリンの群れを倒した時に便利で有利で必要だと感じ、練習し出した。
手本を見ていなくても生前の記憶にアニメの主人公たちが使っていたような魔法をやってみようと言う試みもある。テレポーテーションとか。
やることはたくさんあった。
野営の時は、トレーニングの時間が取れる。
あまり派手な魔法の練習ができないのが残念だ。
テスリーに「もっと良い剣を使ったらいいのに」とか「魔法使いは魔法の杖を使うものよ」とか勝手なことを言われて、賢者の杖を思い出し、試してみたら、魔力を1000以上吸われて持ち主と認められた。
杖の形が変化して杖のレベルがレベル1になった。
アポンのと同じだが、コイツは俺の賢者の杖、俺の魔力で成長する。
これからコイツを育てていこう。
10日間の野営の間に、魔法の自主練で、シールド3/3になり、隠蔽1/3、身体超強化2/3、エクストラヒール、物理攻撃耐性3/3、魔法攻撃耐性3/3、ステルスなど、たくさんスキルを身につけた。
魔力の総量が増えたおかげで練習量が圧倒的に増えたのが原因だ。
アポン、アゴンに差をつけた。
モデリングで湯船を作り、ウオーターとファイヤーでお湯を作って風呂に入った時は、みんなに好評だった。特にテスリーに。
「見るんじゃないわよ!見るんじゃないわよ!絶対に見るんじゃないわよ!」
……て…………みろってことかな?
盗賊も出ず、充実した練習ができて、楽しい移動でもあった10日間が過ぎ、メタルトレ鉱山に着いた。
鉱夫たちは、我々の到着を心待ちにしていたらしく、とても歓喜を持って迎えられたが、坑道に行かされるのは早かった。
「早速なんですけど〜、この坑道の奥の奥なんですけど〜、よろしいでしょうか〜」
「はい、わかりました」とタックドラス。
(明日でも良いのではないでしょうか? 即日ですか?)みんなの目がそう言っていた。
(ドラスさんって、生真面目なんだね。)
「サア、行くぞ。」ドラスが言った。
みんなは気を引き締め直して坑道に入って行った。
坑道の最深部にドラゴンはいた。予想通りのアースドラゴン。
鉱石を主食にしているドラゴンで、火も吐くが1番の特徴はその外殻が生え出てきた鉱石に覆われていて、ドラゴンの中でも指折りの防御力を誇ることだ。
全員攻撃の準備で、身体強化重ねがけ、身体超強化、物理攻撃耐性、魔法攻撃耐性、シールドなど防御力系魔法の重ねがけした。
俺、ドラス、がストーンバレットの連射で戦いの口火を切る。
テスリーのアイシクルランス(氷の槍の連射攻撃)がそれに加わる。
5分ほどの連射攻撃の後、魔力の回復。(回復薬や魔力吸収、)
アースドラゴンは、外殻の鉱石がだいぶ剥げてきているとは言え
まだまだダメージは小さいようだ。
近距離攻撃の4人が集中攻撃、魔力を回復が終わりまた遠距離攻撃、この波状攻撃を続けること30分、アースドラゴンは死んだ。
ドラゴンをドラスが収納して地上に向かう。
「アグル、お前の攻撃があった分楽だったよ。成長したな。俺やテスリーとも遜色なかったぞ」
「ありがとうございます」師匠の褒められてとても嬉しい。
(しかし、ドラゴンってなかなか死なないんだな。)
「あなた、凄いわね、これほど連射できるなんて!私より続いてたわよ」とテスリー。
「いえ、そんなことないですよ」
念のために索敵、2匹いたなんて悪夢は無かったようで、これで討伐完了だ。
あとは侯爵に報告すれば依頼完了だ。
地上に出ると鉱夫たちが駆け寄る。
「どうでした?」「どうだった?」「ドラゴン殺したんか?」口々に同じ質問が飛ぶ。
ドラスは、収納したドラゴンの死体を出して見せた。
「うわー」悲鳴とともに鉱夫たちが逃げ出す。
死んでるのが分かるとおそるおそる戻ってきた。
「もう大丈夫だぞ〜」ゴランが言った。
鉱夫たちは喜びのあまり泣き出すもの、踊り出すものさまざまだ。
ドラスはまたドラゴンを収納して、一晩休んでから帰ることを伝える。
その晩は、鉱夫達とお祭り騒ぎだった。
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