20 ゴーモリンに行くには?
日に日にゴーモリンに行ってみたらという思いは強まっていた。
ゴーモリンで本物の冒険者を見てみたい。
彼らの生活を知りたい。
彼らはどんな魔法を使うのだろう。
それの有効性、必要性は、どの程度のものだろう。
ギルドとかあるんだろうか?ランク分けとか、Sランク冒険者とかいるのかしら?
それに、手本になる魔法を見ないで練習しても、新しい魔法は使えるようにならないのではないか?という不安が日に日に大きくなっている。
冒険者の使う魔法を見られれば……。
自分用の弓も今は作ってもらい散策の時は、弓 竹槍 ナイフの装備で、
耳なが、コッコ、とかもたまには仕留めたりもするが、1番嬉しいのは魔力草を見つけた時だ。
そのぶん練習で魔法を使う量が増えるのだから。
この世界の文字もまだ読んだことがない。
学校というものがここいらにはないのをみると、識字率も低いのだろう。
家族にも文字の読み書きのできるものはいない。
自分は自動的に字が読めたりするのだろうか?
そういう便利なスキルを 多くのラノベとかでは転生時にもらってたりするが、神様(会ったことないけど)が、持たせてくれてたりとかしてれば良いのだけれど。
言葉は初めから解ったのだから、あり得ないことではないが、平均的な人を基準に能力を設定されているとしたら、読めない可能性は高い。そもそも読む機会もない。
もう少し大きな町を見てみたい。
この村には、民家しかないのだ。
店なら、字の読める人が買い物に来るなら、正札に品名や値段の表示があるだろう。
行商人のテントでは、それすらない。
この村に来る行商人は、ゴーモリンと川を下ったところにあるソルトビルの町を往復しているそうで、途中この村で、商売をしていくのだそうだ。
ソルトビルで買った物を ゴーモリンで売り、ゴーモリンで買った物を ソルトビルで売るといった具合だ。
この村の近くの町は、この二つ、ソルトビルの下流に下ればまた町があるという。
ゴーモリンに行くなら行商人に、いくらか渡して連れて行ってもらうというのが、現実的には、唯一の方法だろう。
歩いて行くとなると食料と水を持って、盗賊に襲われない事を祈ることになる。
まず襲われて見ぐるみ剥がされて冷たい死体として放置されるに違いない。それほど治安が良い世界とは思えないからだ。
ソルトビルに行くにしても同じことだ。
この村から他の町に行くには盗賊より強くなるか、行商人の一向に混ざり数で安全性を高めるかだ。
行商人にして見ても強い人が多くいれば安全性が増すから喜ぶだろうが、
足を引っ張る者の動向は遠慮されるだろう。
結局今の俺の実力ではこの村を出ることは難しいということだ。
俺は行商人と仲良くなって、弱くても同行させてくれるようになれたらという作戦を思いついた。
これからは、行商人に出来るだけ話しかけることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます